「賛否両論あるかもですね」すずめの戸締まり るるるん3さんの映画レビュー(感想・評価)
賛否両論あるかもですね
君の名は、天気の子、は映画館で10回以上は観ました。
今回も楽しみにしていて、警報が鳴る事も分かってはいたのですが、3.11の事を扱っているという事は正直知らなかったです。
震災があった地域に住んでいるのですが、友人を誘い観に行きました。
映画を見終わって、友人からは、3.11の事を扱ってるなら来なかった、途中から見るに耐えなかったと言われてしまいました。
個人的には火垂るの墓の現代バージョンのような描写だなと思った箇所もあったので、そういうところが苦手な人はもしかしたら多いかも知れません。
もう少しお知らせが必要だったかも、です。
実際震災を思い出してしまいますし、個人的にあの震災を経験した身で思う部分として、エンターテイメントにする事についての可否や必要性を考えてしまう部分もありますが、ただ他の方のコメントも見て、だからと言って腫れ物に触るように封印する事がいい事なのか、と問われると違う気もしますし難しい問題だと思いました。
死はいつも隣り合わせで、生死は運のようなもの、だから今を大切に生きる、それを伝える為に監督は賛否両論があるのは分かっていながらも、反対意見が出るのを十二分に知っていながらも身を粉にしながら創り上げたんだろうと思います。
と、見た目での感想はこんな感じでした。
そして目に映るものだけではなく、気持ち的な感想なのですが、個人的に、前に進む為の心の扉=扉を閉める、という作業にも思えました。
いや、必ずしも思い出に蓋をする必要はないのですが、生きる為にはその気持ちにお礼をして自分なりのさよならをする事も時には重要な気がします。
震災だけではなく、皆んなそれぞれ生きていると目を閉じたくなる事、思い出したくない事、何かしらあるはずです。
ちょうど私にも5年ほど目を逸らし続けてきた事があり、毎日自暴自棄になっていました。
いつまでもそれにしがみついていても、それを恨みつづけて人生が終わるだけというのも分かってはいるのですがその気持ちに鍵をかける事が出来ずにいました。
今回この映画を観て、そろそろこの思いにもきちんと戸締まりをして、前に進んでもいいんじゃないか、と思えました。
それだけでも自分には観た価値があったのかも知れません。
明日も生きるから、今を生きているからこそ見て欲しい映画だと思いました。
個人的にはもう少しradwimpsの歌が欲しかったです。
2曲では物足りない…笑