「良くも悪くも集大成」すずめの戸締まり ぱらすあてねさんの映画レビュー(感想・評価)
良くも悪くも集大成
「君の~」「天気の」は風景が写実的であることとテンポの良さだけが売りでつまらなかったが、本作はそこに非現実を明確に加えることで「もののけ~」のようなジブリ風な面白さがありました。ただし写実描写によってのリアリティーで魅せる方法が、今回現実に起きた災害を組み込んじゃうことで、究極のリアリティーを獲得する反面、ある種の禁じ手に手を出してしまった感がありました。日常的な風景の写実描写もですが、実際の災害に手を出すということは、画面の中だけではなく視聴者の記憶に大きく依存します。当事者であったりなかったりで見る人によって大きく印象が変わってしまうでしょうし、作者の表現の限界を感じました。メインキャストの声の表現力はこれまでで一番よかったです。ここが新海誠の頂点で、限界との印象。
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