「あの夏の日を忘れない!!」サバカン SABAKAN 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
あの夏の日を忘れない!!
とびっきり刺激的で瑞々しかった夏の日の思い出。
1986年の夏休みのことを、久田孝明は一生涯
忘れないと思う。
家が貧しくて孝明以外のクラスメイトから馬鹿にされている竹本健次。
あることをきっかけに竹本に、
「イルカがブーメラン島に来た、見に行こう」と誘われる。
山を越えてイルカを見に行った日のこと。
小学5年の夏休みのことだった。
大人になった久田を草彅剛が演じている。
小説家の端くれだが、頼まれるのはゴーストライターの仕事ばかり。
妻とは離婚して、一人娘にはたまにしか会えない。
そんな鬱屈した日々。
タケちゃん(竹本)とイルカを見に行った日が無性に懐かしい。
気の弱い父ちゃん(竹原ピストル)と気の強い母ちゃん(尾野真千子)に、
精一杯の愛情をかけられているヒサちゃん。
学校では担任の宮田先生(篠原篤)がヒサちゃんの作文を
褒めちぎってくれる。
だから孝明は作家を志したのかも!!
久田孝明の子供時代を番屋一路。
竹本健次の子供時代を原田琥之佑が好演。
気弱な久田に比べると、気が強く男気がある竹本。
野生的だ。
竹本は山の事ならなんでも知っていて、ミカン山の内田のじじいの知り合い。
ある意味でどこでも生きていけそうなタケちゃん。
ヒサちゃんは強い母ちゃんに依存してるだろな。
そしてある日。
タケちゃんの境遇が一変する出来事が起こる。
そして別れ。
そうだ。
その前に「サバカン」の題名の由来を・・・。
タケちゃんは生寿司の好きなヒサちゃんに、
自前で寿司を握ってくれる。
それが、サバカンの味噌煮をすし飯に乗せて海苔で巻いた
「サバカン寿司」
なんと大人になったタケちゃんは希望通り寿司屋になっている。
サバカン寿司もネタにあるそうだ・・・(人気はないが、)
金山(軽トラで送ってくれた強い男)がタケちゃんに言った。
「負けんなよ!!」
どんな境遇でも、
「負けんなよ!!」
子供たちも、大人たちもみんな
「負けんなよ!!」
そんなメッセージも感じる。
尾野真千子、竹原ピストル、貫地谷しほりなど、共演者が
とてもいい働きをしている。
長崎の景観も最高だった。
琥珀糖さん、共感ありがとうございました。タケちゃんの父親がよくサバカン寿司を作ってくれた、というのは微妙でしたよね。漁師だったんだから、新鮮な魚がいくらでも手に入るし、料理法も知り尽くしていたはず。何より、わが子には獲れたての生の魚の美味しさを伝えたいはず。それに、父親の元漁師仲間が母子家庭に魚を届けてくれてもよさそうなのに。そこは脚本が甘いと思いました。私は本来そういうところには引っ掛かるタチなんですが、雰囲気が良いから許しちゃいました。内田のジジイも、瞬間移動能力があるという事で。子供の世界にはそういうファンタジーがあります。
本当は、父親が農業従事者だった方が辻褄は合うと思うんですが、『カッコ良くて頼もしい大黒柱が居なくなってしまった家庭』にしたかったんでしょうね。
こんにちは。少し期待して観たのですが、そこまでではなかったという感じですね。新人監督なので仕方がないところはありますが、イメージ先行でまとまっていなかった印象です。しかし、いい雰囲気はあったので、次回作を撮ってほしいですね。