「惜しい、もうちょっと、と思ってしまった。」サバカン SABAKAN kwmdさんの映画レビュー(感想・評価)
惜しい、もうちょっと、と思ってしまった。
全体の構造は、スティーブン・キング。作家が、田舎での過去を、振り返る、です。何を振り返るか?ピエロの格好をした変質者?、頭のおかしいおばさん?、人殺し?
謎の同級生。行動が謎だったり、不潔っぽかったり、家庭が複雑ぽっかったり、家が本当にボロかったり。1986年が舞台なんだけど、バブルに入った年だから、ああいう子が多かったのはもっと前の世代のような気がする。長崎でかつ中心から離れているので、微妙にずれているのかもしれない。服装の縞柄や、靴(世界長見ないなの)も都会では小学生でもNikeやアシックスを履いていたような気がする。
草彅剛の語りはいいですね、ブラタモリ同様に(NHKのアナウンサーじゃダメなんだよね)。
主役の番家くん。序盤でセリフを噛みます。あれが、芝居として噛んでいれば演技として凄いです。もし、本当に噛んでしまって、そのtakeを採用したのであれば、監督が凄いです。
私は『三丁目の夕日』(映画)があまり好きではありません。懐かしさを、記号的に扱ったアイテムで消費していくところが。その記号化の程度が作品の質を決めてしまうので、この観点では本作はうまくやっているように思いました。それから、異質なものを肯定的に捉える作品なので、大好物です。
星を3つにしたのは、惜しいところが結構あったからです。もちろん、全く気にならない人もいるでしょう。
『冒険』がそんなに大変そうに見えない。『冒険』の時間的比率が実はそんなに大きくない。
子供だとしても、景色があまり感動的で無いので、カタルシスが得られない。小学生なので、大したことがなくても大した成果が得られなくても。アニメと比較するのもなんですが、その点『ドングリーズ』はよかったです。
健次が最初以外はあまり謎ではない。結構服を持っているし、それほど汚いことしない(鼻くそを机の下に貼って欲しい)、臭くはなさそう、家の中わ割と綺麗。なので、孝明だけが友達になった理由が弱い気がする。名前が健次なので、実は兄がいるのでは?と思ったが、その話は無かった。
自転車がなんでアレなのか?従姉のお古と予想されるが、それをカラカウのは高校生ではないよ。流石に高校生は小学生相手にしないよ。
おっぱいネタが不完全。キャスティングミスか、衣装が悪い。茅島みずきさんは素敵ですが。もっと、前からおっぱい好きを散りばめておかないと。
作文が得意なのであれば、実は本の虫設定があった方がよかった。
電車の中で、みかんのことは、口で言わなくてよかった。
感動シーンをもありあげる劇伴。いいかげんやめようよ、日本映画。手前から盛り上げるのも。音量もでかずき。興醒めする。
鯖缶は、水煮なのか、サバ味噌なのか、醤油なのか?味を想像することがうまく出来なかった。それは、不味くても、美味しくてもいいんだけど、作品の記憶として大事なのにね。
あと、在日問題を匂わせるのですが、中途半端なので無い方が良かったのではと思います。パンフレット買うと書いてあるのかしら?
最後、福地桃子さんはあまり活躍していないんだけど、従姉妹のお姉さん居るだけでよかったです。女子無駄のヤマイ役も好きです。