「眩しい少年時代の情景に胸打たれた!」サバカン SABAKAN 三輪さんの映画レビュー(感想・評価)
眩しい少年時代の情景に胸打たれた!
草彅がゴーストライターの職で、いつかは自分の作品を上梓したいという設定です。愛娘とは会えるけれども、離婚状態。自分の作品を表すことによって、妻も認め始めるのです。その作品の内容が、メインストーリーとなります。少年時代の夏の期間だけの男の子らしい友情の形成の物語に心を掴まれました。誰しもが通ってきた友達の存在の大切さを、あくまでピュアに美しく描いています。タイトルのサバカンは、今でも庶民の食卓を彩ってくれますが、この作品の中では、寿司が大好きな主人公のために、友達がサバを乗せた寿司を握ってくれるのです。それがたまらなく美味しくて、おそらく忘れ難い食事だったのでしょう。私たちも、いろんな食事の思い出を持っています。それも大好きな人と食べたからこそ覚えているのでしょう。まして登場人物たちは貧困の中にいますから尚更なのでしょう。その大好きな友達との別れは辛いものです。父親の胸の中で泣いている主人公の姿に泣きました。思うに、貧乏や交通事故や、いろんなことが人生には起きますが、生きていること自体はこんなに幸せで美しいのか、ということを教えてくれる作品だと思います。そして人生に対する見方を変えれば、何が起ころうと、生きているだけで100%幸せであるということは、多分間違い無いと思いました。
今晩は。
”そして人生に対する見方を変えれば、何が起ころうと、生きているだけで100%幸せであるということは、多分間違い無いと思いました。”
仰る通りだと思います。
ここ三年、未曽有のウイルス変容、近年の天候の激甚化。昨日、下準備の為朝から会社に行き、今日から本格稼働をしましたが、懸念した通り出勤率は予想以上に低くって・・。(ウィルス感染・・)
けれど、今作の様な映画は、今だからこそ懐古主義に陥ることなく、この厳しき状況を生きる我々に、何らかの勇気を齎してくれる作品だと思いました。
映画とは娯楽ではありますが、観る側にとって何らかの希望、勇気を齎してくれる存在であって欲しいと思います。では。