劇場公開日 2022年9月9日

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HiGH&LOW THE WORST X : インタビュー

2022年9月15日更新

川村壱馬×三山凌輝HiGH&LOW THE WORST X」に吹き込んだ“新しい風”

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人気バトルアクションシリーズ「HiGH&LOW」(通称ハイロー)と、不良漫画の金字塔「クローズ」「WORST」(原作:高橋ヒロシ氏 ※高は、はしごだかが正式表記)が、奇跡のクロスオーバーを果たした映画「HiGH&LOW THE WORST」(2019)。テッペンをかけた男たちの闘い、拳でぶつかり合うなかで生まれる友情、それぞれの曲げられない信念が描かれる熱いストーリー、豪華アーティストによる楽曲など、強烈な世界観で熱狂的なファンを生み、大ヒットを記録した。

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そんなシリーズの続編「HiGH&LOW THE WORST X」が、9月9日から公開される。タイトルにある「X」という言葉の通り、新たなキャストが数多く加わり、さらにはシリーズ史上最多の高校が登場。物語もアクションもパワーアップして帰ってきた本作について、メインキャラクター・花岡楓士雄を演じる川村壱馬(THE RAMPAGE)、楓士雄の前に立ちはだかる敵・天下井公平役で参戦した三山凌輝(BE:FIRST・RYOKI)に、話を聞いた。(取材・文/編集部、写真/間庭裕基

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「HiGH&LOW」シリーズの舞台・SWORD地区の鬼邪(おや)高校の頭をはる楓士雄は、数々の伝説を持つ最強の男・ラオウ(三上ヘンリー大智)に会うため、鈴蘭男子高校を訪れる。その頃、えんじ色の学ランを着た“血の門”と呼ばれる瀬ノ門工業高校の頭・天下井は、最強の男・須嵜亮(中本悠太/NCT 127・YUTA)の力を手に入れ、さらには鎌坂高校(通称カマ高)と江罵羅商業高校(通称バラ商)を傘下に加え、三校連合を結成。鬼邪高の高城司(吉野北人/THE RAMPAGE)と轟洋介(前田公輝)は、連合の怪しい動きをいち早く察知するが、連合による“鬼邪高狩り”が突如始まる。急襲され、圧倒的不利な状況に立たされた楓士雄はやがて、三校連合との決戦に身を投じる。

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――まずは川村さんにお聞きしたいのですが、前作「HiGH&LOW THE WORST」について、周囲からの反響はいかがでしたか。

川村「前作は、ファンの皆さんはもちろん、多くの方から『良かった』というお声を頂いた実感があります。親や友人や事務所の先輩やスタッフさんも含め、身近な方にも褒めて頂きました。印象的だったのは、『ハイロー』がきっかけで僕のことを知ってくださった方が、グループを見たときに、『どこにいるか分からない』とおっしゃっていたことです(笑)。役者冥利に尽きるというのは、こういう瞬間なのかなと思いました。それだけ役を全うできたんだなと感じて、嬉しくなりました」

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――新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、約3年越しに続編が撮影されたわけですが、どのような思いで臨まれたのでしょうか。

川村「撮影できない状況が続いて、『やっと始まる』という思いでした。『早くやりたい』とも思っていたんですが、この3年があったからこそ、自分たちのいまいる場所も変わりましたし、人としても表現者としてもいろんなものを得ることができたと思います。その期間があったからこそ、このメンバーで共演できたので、そういう意味では良かったですね。撮影が楽しみでしょうがなかったです」

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――三山さんは、「HiGH&LOW」シリーズや前作に、どのようなイメージがありましたか。出演が決まったときの思いも、教えてください。

三山「もともと『ハイロー』が好きで、特に前作の『HiGH&LOW THE WORST』がとても好きでした。楓士雄や司という新しい世代が、新しい風を起こしている感覚がありましたし、アクションシーンや画が魅力的で、ストーリーも分かりやすくて、どちらもクオリティが高くて素敵な作品だな、というのが最初の印象です。あまり同じ映画を何度も見返すことはないんですが、『HiGH&LOW THE WORST』は見ていて気持ちが良いし、お芝居も素敵で、繰り返し見る唯一の映画になりました」

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三山「続編には、いちファンとして、『誰が出演されるんだろう』『鈴蘭はどう出てくるのかな』と考えていました。まさか自分が出演して、大切な役を演じさせて頂けるとは思っていなくて、本当に嬉しかったです。壱馬くんも言っていたように3年越しで、いまの時期だったからこそ、このメンバーで最強のタッグを組むことができて、このチームで素晴らしい作品を作ることができて良かったなと、感謝しています」

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――改めて、花岡楓士雄というキャラクターの魅力を教えてください。長年演じられて、役への愛着や思い入れは増していますか。

川村「もちろんです! 『HiGH&LOW THE WORST』自体が、『クローズ』『WORST』とコラボしている作品。楓士雄は、(高橋)ヒロシ先生が生んでくださったキャラクターです。僕はもともと『クローズ』『WORST』は大好きで、がっつり全部読んでいたんですが、そこに出てくる坊屋春道や月島花というキャラクターたちは、かなり天真爛漫で、ぶっ飛んでいるんですよね。『ザ・高橋ヒロシ先生の漫画の主人公』という感じ。楓士雄もそういう部分が共通しているので、原作ファンとして嬉しかったです」

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川村「楓士雄は、シンプルにかっこいいだけのかっこいい人だけじゃない。ヒロシ先生ともお話させて頂くなかで、『壱馬、お前、鼻くそほじれるか?』って聞かれたんですよ(笑)。要はそういう部分もあるからこそ、かっこいいところがもっとかっこよく見える。ヒロシ先生の意図は、『ダサいところも、全部さらけ出す覚悟があるのか』ということだったと思います。僕もそのとき、『もちろんです』と答えて、キャラクターを理解しました」

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――前作では、天真爛漫な楓士雄がテッペンを目指して、がむしゃらに駆け抜ける姿が描かれます。本作では、鬼邪高の頭としての葛藤や成長が、弱さも含めて描かれますが、そのあたりの“変化”はどのように演じられたのでしょうか。

川村「今回は、今までの楓士雄とは違う感情の起伏があるなと、脚本を読んでいても感じました。楓士雄らしからぬ落ち込み方や表情を見せることができたら面白いなと考えながら、芝居をしました。前作の最後があるからこそ、『楓士雄が鬼邪高の頭だ』という部分には、自分のなかではちょっと納得がいっていないところがあって。川村壱馬本人としても楓士雄としても、まだ頭という明確な意識はないので、そういう心情があるうえでの芝居だと思って、ファンの皆さんには見てほしいです。『俺が頭だ』という気持ちじゃなくて、周囲はそう言っているけど、『俺は強い奴が好きなだけだ』というマインドで行こうと思いました」

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――三山さんは、楓士雄率いる鬼邪高をつぶそうとする瀬ノ門工業高校の頭・天下井公平を演じられました。誰のことも信用せず、冷酷で無慈悲な役どころでしたが、役づくりで意識されたポイントを教えてください。

三山「天下井は楓士雄とは対になるようなキャラクターだなと思いました。ただ対になるだけではなく、ぶつかり合うために、楓士雄と天下井にはそれぞれの信念があるという共通点があるなと思ったんです。ただの悪役ではない、そういう部分も表現出来ればと思いました」

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――おふたりは本作で初共演となりましたが、改めて互いの印象と、共演の感想を教えてください。

川村「最初は敵対する役どころなので、どう接したら良いのか分からなくて。役者として普段も、劇中と同じ関係性でいたい方もいると思うので、気にしていたんですが……。蓋を開けてみたら、凌輝はワンちゃんみたいというか、すごくなついてきてくれて、役とは真逆のいいやつでした(笑)。凌輝は自分でも、『お芝居を見て嫌われないかな』と気にしていたんですが、マジで本人は真逆なので、シンプルに『すごいお芝居をしているな』と言ってあげてください(笑)」

三山(爆笑)

三山「僕は楓士雄の敵となる役ですから、何とも言えない気持ちになりました……(笑)。何よりも、最初に出演が決まったときに、自分が果たすべき役割や、求められていることをかみくだいて、参加しなきゃいけないと思いました。自分も大好きな作品なので、なんとしても作品に貢献しないと、という強い思いがありましたし、『前作を超えるような作品にしたい』という気持ちがありました。この作品の世界観のなかで一緒にお芝居ができることは嬉しかったんですが、それ以上に敵対関係として存在しなければならないという強い責任を感じていました」

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――劇中で天下井と須嵜は、深いつながりを感じさせるものの、複雑な関係を結んでいます。須嵜役の中本悠太さんとの裏話があれば、教えてください。

三山「悠太くんとは本当に人としてうまがあって、仲良くなりました。高校で同級生だったら、親友になっていただろうなというくらい。芝居になると、須嵜と天下井は複雑な関係にあるので、仲の良い部分を制御しなければならなかったんです。ただ、須嵜と天下井にはつながりがあるので、そのぎこちなさが、逆に芝居に自然に出るという気持ち良さがあったんです。フィーリングでお芝居ができたというか。実際と劇中の関係のギャップが良い意味でフィットして、芝居に落とし込むことができたと思います」

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――川村さんは、おなじみの鬼邪高メンバーと久々にタッグを組むことになりました。撮影の雰囲気は、いかがでしたか。

川村「鬼邪高メンバーは、本作で再集合した瞬間から、何も違和感がなく、すごく安心できるホームでした。前作では派閥がぶつかり合っていましたが、本作は皆が一致団結した状態から始まる物語でしたから。出会ってから4年、関係が既に出来上がっていたので、その安心感のままというか、待ち時間も皆で集まってくだらない話をしたり、学生みたいにけらけら笑ったりして。劇中で鬼邪高メンバーが笑っている以上に、舞台裏で皆が笑っているような状態でした。そうやってコミュニケーションをとりながら、自然体で仲良く、楽しくやっていきました」

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平沼紀久監督は、「HiGH&LOW」というタイトルに込めた意味を語っている。「大事なのは他人との比較じゃなく、自分自身が上を向いて生きるか、俯いてしまうかだと思うんです」。「上とか下とか関係なくねぇか?」といい、腕比べをして仲間と熱い思いを交わす楓士雄。「人間は皆、ヒエラルキーの世界で生きる定め。俺は上に立つ男だ」と言い放ち、全てを支配下に置こうとする天下井。真反対のふたりの信念がぶつかり合い、火花を散らす。そしてキャラクター同様、メインキャラクターとしてシリーズを背負い、全身全霊で役を全うした川村の覚悟と、憧れ続けた世界のなかで、圧倒的な存在感を見せた三山の熱がぶつかり合い、「HiGH&LOW THE WORST X」の世界に、新しい風を吹き込んでいる。

インタビュー2 ~中本悠太(NCT 127・YUTA)、映画初出演作「HiGH&LOW THE WORST X」で見せたストイックな生き様
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