「一回帰れて良かったなぁ…(泣)」ぼけますから、よろしくお願いします。 おかえり お母さん うにたん♪(コロナが当たり前の世界)さんの映画レビュー(感想・評価)
一回帰れて良かったなぁ…(泣)
介護タクシーの運転手に抱えられ、自宅へ入った事に気がついた瞬間漏れ聞こえた「あっ!あああ~」からの嗚咽に涙が出た。
私自身、仕事では認知症の患者と向き合っているが、あくまでも病院、病棟内の事であり、彼等が家で何を思い何をしていたのか?何にどんな思い入れがあるのか?等は分からない。
感情移入し過ぎると色々と障りがあるからだ。
作中ではコロナ禍前でお父さんもお見舞いに行けており、その頃はまだ家族が顔を見られる時期だった。
脳梗塞後はマヒ、認知症の悪化、延命選択しての胃瘻増設、胃瘻になっても誤嚥を起こし肺炎になってしまう。
酸素マスクもしなきゃならない。
恐らくは喀痰吸引も…
お父さんは「わしゃあこんな(胃瘻)はしたくないのぅ」と胃瘻で栄養を維持して延命するのはしたくない様子だった。
延命について未だに議論されているが、延命は出来てもそれが本人に取って必要な延命か?誰に取って必要な延命なのかで随分違ってしまう。
終盤コロナの時代に入り、リモート面会になるが直接面会を許される時点で長くないことが分かり切ない。
99歳のお父さんが100歳を迎える前にお母さんは逝ってしまう…。
広島市長からお祝いの五万円を手にハンバーグを食べに行くお父さん、全部食べてて100歳の歳を感じさせないのが凄い。
でも一緒に行かんか…との願いは叶わなかった。
認知症になったお母さんとお父さんの掛け合いも口ゲンカも、もう見られない…その寂しさは画面だけでは知ることは出来ないのだ。
元気なお父さんは120歳まで生きてほしい
お母さんとこ行くのはまだ早い
監督はその時までどうするんだろう?その辺も気になる
3作目出来るなら、そこら辺も“よろしくお願いします”
コメントする