「岡山に行ってみたくなった」恋は光 ルカさんの映画レビュー(感想・評価)
岡山に行ってみたくなった
全編岡山県をロケ地にしており、作品全体を包む岡山の自然や街並みが心地良く、その中で展開される若者達の恋心を描いた良作。東雲の、「恋とは私が想像していたような美しいものではなく、こんなにも汚くて醜いもの」だということを告白するが、西条は「彼女の光はとても美しかった」と言う。それは彼女が、自分の醜さを自覚し、言葉にしてさらけ出したから、器が大きく美しく見えたのではないか、と思った。どの人物も個性があり、それぞれの本音が見え隠れする繊細な演技がどの役者も素晴らしかったし、女性3人が、お互い違うタイプだなと思いながらも本音で話している場面は、人の優しさを感じ、こういう関係っていいなと思った。
絵描きが女子高生だったことは、ややリアリティが薄く感じられた(もちろん、若くしてギャラリーで絵を販売している人がいてもおかしくはないのだが)。ギャップで驚かせる必要がない設定のように思ったのでそこは少し気になったが、全体的には論理的に考えたり感情を大事にしたりと、とても楽しめる作品でした。
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