「深い感銘を受け心の震えが止まらない!なんて素晴らしい~作品!」屋根裏のラジャー The silk skyさんの映画レビュー(感想・評価)
深い感銘を受け心の震えが止まらない!なんて素晴らしい~作品!
チラシを最初手にした時、ラジャ-? 最初何それって言うほどの感じであった。
クレヨンしんちゃんならきっと “ぶ・ラジャ-”と絶対言うだろう。
私も少しそう思ったわw 屋根裏に干した下着ネタの話なのかと・・・
今日はクリスマス1週間前、買い物で賑わう人混みの中、
「屋根裏のラジャー」観に行ったよ。
この作品は最初に受けた印象とは違っていて、ラジャ-とは出だし主人公の少女が想像したキャラクター(イマジナリ)という説明で??どう言う事なのかと 急に興味が湧き真剣な眼差しをスクリ-ンに向けた。
2重人格症ではなく妄想癖と言えばそれまでなのだが、イマジナリ-とは人それぞれ心の中に生まれる夢や思いが形となって表れたキャラクタ-を指している様だ。
時にして人は成長しそのキャラクタ-の存在を徐々に忘れていくものだが、忘れ去られることで想像で生まれた彼らは役目を終えるのであった。また想像主が人生を終えても同時に終えてしまうのである。
映画と言うジャンルは眞に元に成る文章スト-リ-から出でた想像表現の集合体。
これ程までに違う角度から切り込んで受けた作品は、ネバ-エンディングスト-リ以来かも知れないと私は素直に感じた。心の震えが止まらない、素晴らしい作品と思います。
原作:イギリス人作家A・F・ハロルド氏 『ぼくが消えないうちに』
監督:百瀬義行氏
CV:
アマンダ(人 主人公):鈴木梨央さん
リジー(人 主の母):安藤サクラさん
ダウンビートおばあちゃん(主の祖母):高畑淳子さん
ラジャー(想像 主人公):寺田心さん
エミリ(想像 リ-ダ-格少女):仲里依紗さん
ジンザン(想像 助け猫):山田孝之さん
冷蔵庫(想像 老犬):寺尾聰さん
ミスター・バンティング(人?化け物?):イッセー尾形さん
小雪ちゃん(想像 カバ):かぬか光明さん
骨っこガリガリ(想像 骨人):一龍斎貞友さん
ドロン(想像 ロボット):大谷育江さん
(惜しい点)
・老犬の名前が“冷蔵庫”。やはりもっと愛情ある名前にして欲しかった。
・ラストのミスター・バンティングにラジャ-が吸われる所。無事に回避して
黒服の少女が吸い込まれてしまうのだが、そこの演出の流れが少し分りにくかった。
(印象に残る良かった点)
・骨っこガリガリが人の男の子と遊んで、別れ際に手を繋がれて~の展開。
イマジナリは忘れ去られていくと 体が骨になって消えていく~
逆に思い出してもらえると 元の姿へ・・・この表現展開は少し涙した。
・エミリがミスター・バンティングに殺されて消えてしまう所。
あの表現と死んで消えてしまう演出はとても突然の出来事で深く胸に刺さった。
“えっ”と声がでたわ。もう元に戻れない事で涙する。
・母が屋根裏部屋で傘を見つけ、そこに娘アマンダが 父との想いを内側に書き込んであるのを見つけて号泣する所。あそこは一緒に泣けたな。ラジャ-が何故 彼女の心に存在するのかそれを知るシーン。
・病室での狙われる場面。姿が変わってしまって アマンダが目を覚ましてもラジャ-と気づかないが、エミリの遺品ゴーグルを通して一瞬だけラジャ-の姿が透けて映される所。中々な粋な演出で良かった。
・娘が母に大事だった“冷蔵庫”の話を伝え、最後に母がその名を叫び、娘の話していたラジャ-を本当に目にするシーン。ここの演出はとっても素晴らしい。母に昔を思い出してもらい 大切な思いを忘れずにいる事、信じるって事(世界を変える)を伝えた場面は良かったと感じた。これは亡くした夫への思いと重ねているのだろうと感じました。
大切な人をいつまでも忘れない事、その思い とても素敵ですよね!
この映画を観ている途中で気が付いたのだが、これって あの京アニ事件で被害に遭ったアニメ-タ方々へ向けた深いメッセ-ジが根底に込められて要るのではないかと・・・そう思いました。そう思った瞬間、心が底から震えとても涙した次第です。
是非、ご家族揃って
劇場へお越しください!!