バブルのレビュー・感想・評価
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なんだ、いざ観てみたらすげえ面白いじゃん。疾走感ある王道のボーイ・ミーツ・ガール譚!
調布では来週からモーニングショーのみになってしまうようなので(涙)、
慌てて最後のレイトショーに駆け込み。ううう、もう終わっちゃうんだね……。
僕個人は、結構期待してたんすよ。
荒木監督の『甲鉄城のカバネリ』映画版は、エンタメに徹したB級アクションとしては最高の出来で、BD買うくらい気に入っていたし。
監督・荒木哲郎、脚本・虚淵玄で、期待するなってほうがおかしい。
でも、なんか世間では、大爆死だの、圧倒的駄作だの、それこそけちょんけちょんに言われてるから、どんだけひどい出来なのかと思ったら……
全然そんなことないじゃん(笑)。
ちゃんと、すっげー面白いじゃないすか。
極限のボーイ・ミーツ・ガール&圧倒的な疾走感。
別に、なんの問題もなく、きちんと仕上がった映画で、ふつうにエンタメとして楽しかった!
てか、100歩ゆずって、展開されるストーリーとキャラクターのすべてがまるで気に食わなかったとしても、全編で展開されるパルクールの超絶アクション作画を観るだけでも、映画料金一本分くらいの価値は充分にあると思うけどなあ。
まあ、さかのぼってクソミソいってるレビューとか確認すると、明らかに観ないで叩いてるような人もいるみたいだし、こういう溺れる犬を面白がって叩くような風潮は、ホントくだらないの一言。
とはいえ、一度こういった空気ができちゃうと、なかなか復活は難しいんだろうね。
少なくとも、オタクにもメイン層にも受け入れられず、客がちっともはいらなかったってのは厳然たる事実であり、製作陣にとって反省会は大いに必要でしょう。
でも、この完成度で「出来が悪い」とか言われちゃうと、さすがにスタッフも監督も可哀想……。
ー ー ー
『バブル』は、とある童話がベースになった、きわめてシンプルな物語だ。
というか、それがほぼすべてみたいな作品なので、そこをネタバレしないで作品を語るっていうのは、極めて難しい。
ただ、既存のアニメで何に一番近いかというと、多分『交響詩篇エウレカセブン』じゃないかと思う。
(映画でいうと、タルコフスキーの『惑星ソラリス』がそもそもの元ネタのような気もするが)
あとは、わが偏愛する傑作アニメ『プリンセスチュチュ』も、ネタ自体は大きくかぶっている感じ。
観ているときは、東京全体が「バブル」で包まれた世界って、コロナ禍のメタファーなんじゃないかというのも脳裏をよぎったのだが、パンフを見ると、企画自体はコロナより何年も前から進行していたらしい。
プロデューサーの川村元気は、「未知の泡が突然降ってきて、東京がロックダウンされ、立ち入りができなくなり……というストーリーに、現実がどんどん追いついてきてしまった。東京オリンピック時のコロナ対策が「バブル方式」と呼ばれた時には、本当に驚きました」と語っている。
そういう、作品が時代と奇跡的なリンクを果たすときって、往々にして大ヒットしたりするんだけど、今回はそうはならなかったんだろうなあ。……なんでだろう?
たしかに、『エウレカ』に限らず、全体的にどこか「既視感」が強めのアニメであることは確かで、
半分水に沈んだ東京の光景は、新海誠の『天気の子』を容易に想像させるし、
そこで船をベースに生活する集団同士が小競り合いしてるのは、本作の脚本家・虚淵による『翠星のガルガンティア』を彷彿させる。
パルクールの動きは、世の中でさんざん言われているとおり、『進撃の巨人』の立体機動装置のアクションをベースにしたものだろう。
主人公がヘッドホンしてたり、聴覚過敏だったりするのも、いくつも先例を思いつく。
でも、既視感が強いアニメなど、世間にはそれこそ山ほどあるわけで、ここまで叩かれる理由にはなり得ない。
少なくとも、「超絶作画パルクール・バトルをメインとする、とある童話を基にしたシンプルなボーイ・ミーツ・ガールSF」という個性は、ちゃんと確立してるわけで、そこはちゃんと評価してあげないといけないと思う。
でも、「パルクール」って題材は、果たして作り手が考えていたほど、キャッチーなものだったのかどうか。
パルクールを題材にしたアニメとしては、いしづかあつこ監督の女性向けアニメ『プリンス・オブ・ストライド』がパッと思いつくが(全話視聴済み。佳作)、どちらかというと、ノリはついこのあいだやってた、内海紘子監督のぶっ飛びスケボーアニメ『SK∞ エスケーエイト』(女性向けだけど、バリクソ面白かった)とか、今やってるアカツキ原作の変態野球アニメ『トライブナイン』のほうに近いかもしれない。まあ、僕らの世代にとってはそれ以前に、パルクールといえば、なんといってもリュック・ベッソン製作の『YAMAKASI』なんだけど(あれもずいぶん「スカした」映画だった)。
ひとつの「敗因」として、このパルクールの漂わせている圧倒的な「陽キャ」感と、「ストリート」感が、オタクをしり込みさせたことは想像に難くない(笑)。陰キャのオタクにとっては、むしろこいつらは間違いなく「仮想敵」だから。
荒木監督はオタ向けの題材じゃないのは十分わかったうえで、一般のもっとストリートに寛容な陽キャ層や、『ヒプノシスマイク』とかにハマってる女性ファン層に期待したんだろうけど、そのへんの層とは今度はジブリっぽいボーイ・ミーツ・ガール感や、俺様感の薄い主人公が噛みあわなかったのかも。いや、よくわかりませんが。
あと、メイン・ビジュアルで使用されてるヒロインのウタの絵が、なんとなく『無限のリヴァイアス』のネーヤっぽい(そういや、キャラ設定や作中での役回りもよく似てる)のが、新海誠っぽい背景の世界観と、多少食い合わせが悪かった気もしないではない。ちなみに、ウタのセーラー服って、「電車にラッピングされてるアイドルのパーツを無作為にコピーした」(パンフの門脇総作監インタビュー)からああなったんだそうだ。観ていても気づかなかった……。
主人公が「女性に免疫のない、変人扱いされてるが根は素直な、超動ける陰キャ」、
ヒロインのほうは「パッパラパーの世間知らずで、超強いが脆いところがある」ってのは、
監督のオリジナル作品である『ギルティクラウン』でも『甲鉄城のカバネリ』でもそうだったので(『進撃の巨人』もそのカテゴリーだし)、明らかに荒木監督の好みなのだろう。
僕個人は、どちらのキャラも嫌いじゃなかったし、そんなに抵抗なく楽しめたのだが、ヒロインがフェリーニの『道』に出てくるジェルソミーナを祖型とした(とはっきりパンフに書いてある)、「無垢なる障碍者」の系譜を敢えて狙って造形されていたのは、しょうじき失敗だったかもしれない。
ここまで「足りてなくて」言葉もしゃべれず、ほぼ動物みたいな行動しかとれないヒロインに感情移入するのは、やっぱりなかなか難しいし、ヒビキがウタを好きになるのも、「言葉を介したイベント」がないままなし崩しに展開していくので、あくまで体感的/感覚的、もしくは運命的なものとしかとらえられず、今一つ観客には共感しづらいところがある。
あと、この厳しい環境下でなお、ひたすらパルクールに現を抜かしてる登場人物全員にとても共感しづらいとか、描かれてるパルクールの動き自体があまりに非現実的すぎて逆に引いちゃったとか、ウタの一部が「ぶくぶく」してるのが見た目としてふつうに気持ち悪いとか、ラストの船外に出るのすら危険な状況で敢えて仲間全員を連れてゆく理由がわからないとか、そもそも川村元気がプロデューサーやってるのがとにかく気に食わないとか、いろいろ「客が食いつかなかったマイナス要因」については考えちゃうのだが、やはり一番ネックになってくるのは、「ウタはヒビキに●●されると●●しちゃうのに、そのヒビキがウタを助けにいくという展開自体が、どう考えてもしっくりこない」って部分じゃないかな、とは思う。
ある意味、出逢ったら死んでしまう天敵中の天敵が、味方づらして追いかけてくるようなものだからねえ(笑)。
しかも、ウタがどう見てもけっこう大変なことになってるのに、「好き」なはずのヒビキがウタの抱えている問題にまったく気づかないところか、敢えて見ないふりしてるようにか見えないのも、視聴していて結構ひっかかったところだ。
ウタはもともと●●なので、別にそうなったところで、言うほど可哀想ってこともないって考え方もあるのかもしれないけど。
なんにせよ、ラストシーンのあの一枚絵(ヒビキに●●が犬みたいに寄り添ってるやつ)は、個人的にはかなり限界突破でダッサイと思っちゃったんだけど、他の人はどうでしょうか?(笑)
後、最大の「がっかり要因」――観た人がこの作品に反発を覚えた理由が、たぶん終わり方なんじゃないかというのは、なんとなくわかる。
とくに、宮崎駿や新海誠を彷彿させる「ボーイ・ミーツ・ガール」の王道で話が始まるぶん、観客のなかにはきっと、「こうなるだろう」「こうなってほしい」というものがあると思うのだが、そこがおそらく満たされないまま、この物語は終わってしまう。
逆に、「あの童話」が祖型なのは途中からは思い切り強調されるようになるので、観客にとっては「オチが読めてしまう」うえに、「ホントに予測したまんまのオチでひねりなく終わってしまってがっかり」ってのもあるかもしれない。
コロナやらウクライナ戦争やらで、しんそこ心の疲れきった今の日本人にとって、この手のエンディングは必ずしも望んでいなかったものではなかった、っていうのも、きっとあるだろう。
そりゃ作り手としては、大地丙太郎が『ナースエンジェルりりかSOS』や『今、そこにいる僕』を最初から「●●」として企画していたのと同じで、最初から●●がやりたくてわざわざ撮ったんだから、ラストが●●だからといって何が悪いんだって話なんだろうけどね。
まあ、強いて言えば時期が悪い。時代が悪い。
みんなが「なろう」に安易な癒しを求めているような「1憶総おつかれ時代」に、この手のお話は必ずしも求められていなかった。そういうことではないか。
でも、僕はこの映画を観て、充分に楽しかった。
崩壊した東京という設定を逆手にとって、作り手はここに「永遠の遊び場」を作り出したのだ。
(パンフを読むと、作り手は、本作の東京を「廃墟にして楽園」と位置付けている。)
ここでパルクールに興じる若者たちは、「令洋」という「秘密基地」に籠城して、いつまでも続く遊びの時間にとどまることを選択した、永遠の子どもたちだ。
子どもたちは、日夜「戦利品」を賭けて、遊び続ける。
仕事もしないで遊んでいるのではない。仕事として真剣に遊んでいる。
「パルクール」は、崩壊した世界からのある種の逃避ではあるかもしれないが、彼らにとっては、この荒廃した世界を「遊び場」として、「遊び続ける」こと自体が、最大のレジスタンスなのだ。
それにこのラストだって、そう叩いたものじゃないと思う。
ある種のインターフェイズとして存在したウタが知った「人間の心」を、「バブル」全体が分かち合うことで、きっとこの世界は変わってゆく。『エウレカ』で、大地と人間が新たな共生の関係を築き上げたように。
ここで描かれているのは、分断した世界における、「和解」を探るひとつの在り方だ。
「相手の立場になって」「相手と同じ姿で」「一緒の時間を過ごす」こと。
そこを起点にすれば、きっと、破壊と大量死を伴った悲劇の当事者間であっても、「交流」は生まれ得るし、「和解」も導かれ得る。
作り手たちが呈示しているのは、そういう「希望」のかたちだ。
レイトショーが終わって帰ろうとしていたら、斜め前に座っていたいかにもチー牛然としたガリ眼鏡のオタク青年ふたり組が、「いやああ、凄いのきましたねえ」「映画ってやっぱりこうじゃなくっちゃ!」と、かなり熱量高めに感想戦を語りはじめて、ほっこりした。
なんだ、こういう客だって、ちゃんといるんだな、っていう。
届く人には、届く。 届かない人には、届かない。
創作ってのは、結局はそういうものだ。
荒木監督もここでへこたれず、捲土重来でまた次に向けてぜひ頑張ってほしい。
パルクール
酷評される程悪くはなかった
現代版『人魚姫』を創った意図とは?
この作品を観て、イのイチに思い出したのが『プリンス・オブ・ストライド・オルタナティブ』というアニメ(メディアミックス作品)です。
通称〝プリスト〟は、パルクールというスポーツを駅伝とミックスした架空のスポーツで競い合うオリジナルアニメで、本作の絵面的にはこの作品とほとんど同じですw
違う点は、プリストは自然環境に何ら非現実的な部分はないのですが、この作品は無重力?或いは重力が弱い部分のある所?で、まるで月面上のソレみたいなアクロバットが可能な事でしょうか。
さて内容の方ですが、良かった点は何はさて置きまず『ビジュアルの鮮やかさ』に尽きるでしょう。
とにかく絵の色の綺麗さは抜群で、ビジュアルだけでも芸術的な域に達していると思います。
ソレは何となく『君の名は。』を彷彿とし、川村元気氏が企画し関わってるだけの事はあるんだなと思う次第です。
ただ、ナゼかキャラのクローズアップ・印象的なシーンで作画の気合の入り方が違ってて、まるで『オトメイト』的作画になっちゃったりしてます。
ソレはソレで綺麗なのですが、ナゼそうしたのかの意図は正直解りません。
ストーリーの方は、こりゃ一体何だ?と思わされる世界観の設定で、正直この世界が何なのかが自分にはあまり理解出来ませんでした。
ただ断片的には、割とウケの良さげな展開やギャグシーンなど話の捏ね繰り加減で、雰囲気だけは良いモノを出しています。
従ってストーリーを理解すると言うより、個別のシーン・場面を切り抜いて観て楽しむ、という視聴になってしまいました。
登場キャラに何だか『総北高校自転車競技部』のサイクルジャージ着てるのがいるなぁ、とか、障害物をヒラヒラとかわしながら、人間業とは思えない跳躍力や身体能力で空間を走破していく様を、立体機動装置ナシで飛び回る『調査兵団』みたいだなぁ、とか、そんな他所の作品のイメージがチラチラ脳裏に現れてきます。
無鉄砲にも高台から飛び降りる様は『ガルガンティア』のエイミーだったり、『未来少年コナン』にあった、あの印象的な名シーンが出てきたり、クライマックスのシーンは『Planetarian』のソレっぽかったりと、意図的ではないにしろ、コレまでの色んな作品のイイトコ取りした様な印象を受けました。
それにしても、世界設定があまりに強引すぎで、観ていて首都圏以外の自分の住む九州はどうなってるの? みたいな、その他どうでも良い筈の疑問が常にまとわりついたりと、ナカナカ集中できにくい内容です。
虚淵玄氏も川村氏の強引な企画にだいぶ苦労させられたのでは?と勘ぐる程ですが、実は言い出しっぺは監督の荒木哲郎氏の様ですね、川村氏は共犯w と言いますか‥‥
その辺『サカサマのパテマ』の方が自分的には解りやすかったし、ノイズも少なかったです。
そんな訳で、観た感じは最高のビジュアルだけど、内容は現代版『人魚姫』でありつつもイマイチ何だかよく解らない、ストーリー完成度が不足している様に思えました。
すかいらぶはりけーん!
失礼、
フザけたタイトルつけちゃいましたが、とても面白かったです。
久々に予告編で面白そうだと思って観に行った作品だが気懸かりな点も有った。
先ず絵柄がいまいち受け付けないのと、どうも評価が低い点だ。
まあ絵柄は観ているうちに慣れてくるのでそれ程問題じゃない。
そして評価が低い点だがそれも理解は出来る。
自分も鑑賞中疑問が幾つも浮かんだが、鑑賞後もそのモヤモヤは全く解消されない。
そこが気になる人はまず乗れないだろう。
しかし以前も似た様な事を書いたが、納得出来る事と面白いと思う事は全く別な事だ。そしてこの映画は確実に面白い。
この映画で描かれる謎の現象もヒロインの謎もこの作品では舞台装置でしかない。
この映画は「YAMAKASI!」や「アルティメット」、「ランナーゲーム」と同列の作品なのだ。
この映画でなぜパルクール?という疑問はカンフー映画でなぜカンフーで闘うの?と言うのと同じくらい野暮だ。
そうと割り切ってしまえばこの映画は最高に楽しめる。
この作品は青春物の王道であるBOY MEETS GIRLであり、崩壊した東京で繰り広げられるパルクールアクション映画なのだ。
それだけでワクワクするじゃないか。
もし自分が運動神経抜群で目の前に崩壊した東京が有ったら、パルクールで駆け抜けてみたいと思はないか?俺は思うぞ。おまけに水没してるので落ちても安心。
映画ではそんなワクワクを軽く超える映像体験をさせてくれる。
最近のアニメの主流は日常系や異世界物だと思うし、自分もそれらの作品が嫌いではない。
が、アニメは動いてナンボだろ!
と、云わんばかりにアニメという娯楽の原点を突き詰めた演出をこの作品は見せてくれる。中盤以降に至っては舞台の崩壊がどんどん進み背景までアクションしてる!
流石は「進撃の巨人」の荒木哲郎監督。
立体機動装置なんか無くてもボディアクションでここまで魅せるアニメは作れるのだ。
確かに現在のCG技術ならば映像化不可能なんて作品はまず無いだろう。
この作品だって実写で出来ない事は無いかも知れない。そういう意味ではアニメの存在意義はもはや限界まで薄れて来ているとも思う。
だが、じゃあ実写でこれが出来るか?!
と言わんばかりの、まさにアニメーターの心意気というものをこの作品は見せてくれたと思う。
荒木哲郎監督、信じていい漢だ。
この映画はNETFLIXでも観れるらしいが、是非劇場で観て貰いたい。
その価値は充分に有る。
オススメ。
想像力が掻き立てられる!
なんだかなぁって感じ
ネット上での評判がよろしくないことを承知の上で、キャラデザやPVに惹かれ映画を見ることにした。かなりハードルを下げて行ったつもりだったが、まさかそのハードルを下回るとは……。
映像はとても綺麗で、音楽にも臨場感がある。「素人に声優をやらせてるから棒読みすぎる!」と言っている人もいるが、自分はそこまで気にならなかった。クライマックスのシーンでの主人公の演技にはかなりの迫力があった。
主人公はカッコよくてヒロインは可愛い、映像音楽共によし、演技もよし……ただストーリーが控えめに言ってめちゃくちゃつまらない。スポーツ系、バトル系、恋愛系、感動系と様々なジャンルを取り込もうとした結果その全てに失敗した感じ。
「ほら、ここが爽快なスポーツのシーンで、ここが胸アツシーンだぞ!ここが胸きゅんシーンだ!ラストはこうしておけば感動するんだろ?どうだ!どうだ!」みたいな感じでどんどんと詰め込まれるかのような感覚。その結果感動もしなければキュンとすることも無く、爽快感を味わうことも無いまま、ただ映像を眺めるだけ。一体何がどうなってこうなるのか、という話の流れや繋がりが全く分からないまま話が進んで言ってしまうため、ものすごいペラペラなストーリーとしか受け取ることが出来ない。物語の途中で、「それはなんでなの?そこはおかしくない?誰だこいつ。なんでこうなってんの?」と思う場面が多々あるのにも関わらず、それらが解決されないまま話が展開されていくため、全くと言っていいほど集中ができない。映画を見た直後にも関わらず、主人公とヒロイン以外のキャラクターの名前をもう覚えていないレベルで集中できなかった。
見ている側としては全然ストーリーに入り込めていないのに、キャラクター達が泣いたり叫んだり喜んだりしているのを見ても滑稽にしか見えない。どこかオーバーリアクションに見えて、恥ずかしささえ感じた。
映画を見終えて、考えれば考えるほどに意味がわからなくなり、矛盾や違和感に気がつくようになる。
可愛い(かっこいい)キャラクターや綺麗な映像を目当てに映画館に行くなら非常におすすめ。まじでウタは可愛かった。でも、それを全部なしにしてしまうくらいのペラペラストーリーであることには注意した方がいいと思う。
命を愛したいとおもえる作品
劇場で5回観ました。観れば観るほど沁みてくる、人間どころか生命そのものの美しさと、儚さです。映像も音楽も、構築していくひとの営みも美しい。まだまだ劇場に足を運びます。この作品に出会えてほんとうに良かったと、こころが喜んでいます。
重力が壊れた東京が舞台、というのがいい
この『バブル』、気になって観に行った(最近のアニメになかなかついていけない歳になってしまったので久しぶり)。
結果、面白かった。絵もキレイ(『蟻地獄』=重力渦の映像は凄く美しかった)。
「確かに飛んだんだ!」
『飛べちゃったんだろ。もっと怖がれ』
とか、
『生命を構成する分子配列や銀河の螺旋、自然の現象……『渦』は宇宙のフォームなのよ』
『うたが来てくれて初めて俺になった。ありがとう』
なかなかよい。
パンフレットを読むと、蜘蛛の巣や蟻地獄だけでなく「重力雲」や「降泡現象」等など、ワールドがちゃんと設定されていて、観おわった今も、映画の色んな場面や現象を考えると面白い。
バブルで溢れ重力が壊れた東京で繰り広げられるグラビティアクション、大っきなスクリーンで観てしびれた。
対戦相手のソーギヤが
EVEみたいだった。
未来を予知したような内容で、考えさせられますが、それは感想を読んで納得した部分が多く、内容は消化不良気味。
ウタちゃんのアイドルみたいなポスターは何かわかりませんでした。映像が完璧で観に行ってよかった。
常々思いますが、声優さん限定にしてほしい。
あと、この映画に罪はなく、ここで書くことではないかもしれませんが…船の事故と重なりあって所々やり切れない思いになってしまいました。全く狙ってないだけに、不謹慎ですみません。
視聴側のモノの捉え方、思考で何倍も面白くなる壮大な作品
根本にあるテーマは「破壊と再生」
何億もの時の中で、ビックバンで宇宙が誕生した時から幾度となく破壊と再生を繰り返し、成長してきた宇宙。
舞台は街全体に異常現象で泡が降り積もり、泡に包まれ破壊された東京である。
この現象は、宇宙規模で幾度となく起こる破壊と再生の中の一つであり「バブル」はこの「破壊」をテーマに人魚姫の物語と交えながらストーリを展開していく。
「空から泡が降ってくる」ことにより
疎外された東京、その中でストリートチルドレンの様な子供が生活し、警察組織が存在しないが単純な暴力で物事を決めるのではなく、泡に沈み、崩壊した街に適した「パルクール」を用いて物資の争奪を行う。
主人公「ヒビキ」もまたそのストリートチルドレンの一人であり、耳が人より非常に良く優れているので、パルクールでも物体の位置を耳で判断することで他よりも突出した才能の持ち主である。
実際に東京がこの様に隔離されたらこの様なことに本当になるんじゃないか?ストリートチルドレン、謎の泡を観測する研究者が出てくること全てが必然的に起こるであろうと感じさせられた。
ヒロインである「ウタ」は泡である。
元々、泡として浮いていたが、ヒビキを見つけ
観測する中で恋焦がれ、溺れたヒビキを救う強い意志の元に、無数の泡の意識と共に人間の体を作り具現化された。人魚に誕生である。
ウタは、王子様(ヒビキ)と触れ合うことで体が泡に戻ってしまう。
ウタは、ヒビキを助ける為に泡の世界から出てきたのであろうと捉えれる。
物語終盤では人魚を助ける為に、王子様が助けに行き。最後は人魚が泡になって消滅するが、
繰り返し起こる破壊と再生の中で、いつかまた出会えるというメッセージを感じ取れた。
愛というものは素晴らしく、時には恐ろしい
この物語は映像の凄さ、グラフィック、音の使い方も(特にヒビキがヘッドホンを外すシーン)も勿論素晴らしいが、大抵の人は物語が理解できず、それだけでは面白くないという意見も多くなるだろう。
作品を視聴する上で、作り手が伝えたいメッセージ、何を感じるか?自分で考えることで気付き、物語の真髄に辿り着ける作品だと思い、メッセージ性の深い作品でとても面白かった。
迫力抜群、作画も抜群だけど
映像の迫力はすごい
ダイナミックな動きと音楽の素敵な融合
よくできていたと思います!
いつの間にか引き込まれる、映像と音楽の巧みさに感激しました。
劇場でこその魅力が大きいかな。
何度も指摘されているように映画館で観ないともったいないと思われます。
確かに、「ジャパニメーションの最高峰」レベルにあるとビリビリ、ヒシヒシと感じられる作品でした。動きの表現に脱帽です。テンポも良くて、理屈抜きにたっぷりと楽しめるはず。
オマージュもちらちら、余裕を感じます。
パラクールのアクションを更に発展させていたので、見応えが半端でなく。
ヒロインは普通の女の子ではないので(最初に明かされます)あのデザインはー、と好き嫌いで判断すると、これまた勿体無いでしょう。主人公の男の子はハッとするくらい、素敵ですし!
新しい発見がきっとあると思います。
胸が熱くなるシーンもひとつやふたつではないでしょう。
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