「東京天蓋魔境」バブル Don-chanさんの映画レビュー(感想・評価)
東京天蓋魔境
空にコンパクトな天蓋が現れる。
東京タワー(正式名称:日本電波塔)の建設当時(昭和)の鳶職を彷彿とさせる。
にんぎょ姫という物語が大好きな人なら必見。
パルクールが好きな人も必見。
注目ポイントとして、主人公のヒビキはマイノリティである。
豪華声優陣、豪華制作スタッフ。
ネットフリックスの配信を字幕付き&音声ガイド付きで、プロジェクターを使用して130インチスクリーンで鑑賞。
キャラクターの見た目は あまり個性を感じなかったが、その生い立ちや存在意義を考えると特徴的な人物といえる。崩壊した東京タワーを駆け上る登場人物たちは絵になる。東京の天蓋の外の様子(例えば、登場人物たちが買い物に行ったりトイレに行ったり等)は一切描かれていないため、想像で補う必要がある。また、泡が空から降りてきた理由など世界観について詳細が描かれておらず、その点で 説明が欲しい人と 謎のままでよい人の 評価が分かれるところ。
ウタが、この世界の様々なことについて本から学ぶ。
①にんぎょ姫の本と出会う...ウタは自分の状況と重ねる
②宇宙について書かれた本の影響で、銀河系やボールアースを信じる
以上のふたつの作り話を鵜吞みにする(それらの本に書かれている事は、作り話なのだ...と断言すると怒られるから、あくまでも私の個人の見解であり、思想と表現の自由の範囲内ということで許してほしい)。そして、ウタは真実に辿り着くことができず、最終的には消えるという選択をしてしまう。愚かな人類の浅はかな知識に染まったことが悲劇の原因である。
空から降りてきた泡は、人類にとっては脅威であるし、謎の渦の中に入ってしまったらどうなるかも解らないから恐怖を感じるのは致し方ないが、もしかしたら渦の向こう側の世界の方が素晴らしいという可能性も秘めている。
鑑賞者は、取り敢えずヒビキとウタの二人の氣持ちを尊重して応援するのだが、わけのわからない状況が思考停止を促す。ゆえに、ウタが消えてしまったことが残念だと思うことくらいしかできないのだ。
異世界の二人のマイノリティ(ウタも泡の世界では異端児)が、人間界を救ったかのような解釈が主流だと思うが、にんぎょ姫の続きの話という解釈もできる。その他、泡の世界視点で考えれば どのような解釈も可能である。いずれにしても解釈の自由度が高い。
共感を有り難うございます。確か何回目かの緊急事態宣言が解除になって、観たような記憶がありますが、定かではないです。
おっしゃるように、ウタの消滅は切なくて悲しいですが、にんぎょ姫の続きととれば、止むなしと受け入れられる気持ちもします。解釈の自由度が高いのですね。

