劇場公開日 2022年5月13日

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「脚本の練り込みが」バブル タカシさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0脚本の練り込みが

2022年5月14日
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予告編でパルクールと鮮やかな色使いが気になって詳細は調べないで鑑賞。

パルクールは、何かから逃げたり、映像的な演出かと思っていたけれど、単なるパルクールでスポーツとして楽しんでいるのが飲み込みずらかった。レースでもレース全体像が分からなかった。その事によって軽い印象にはなるけれど、切実さは感じられない。なのに、東京が封鎖されている設定で重たいのか軽いのかよく分からないまま終わってしまった。頭文字Dでは、ガソリンスタンドでバイトをしていて見方によってはくすぶっているけれど夜な夜な車を乗り回すのがカッコよく見える。

ゲトーなのか、パラダイスなのか、その両方であるとしたいのだろうが苦しみがほぼ描かれないので上滑りしている。ニュース映像を使うことで社会を意識させられるけれど、そのせいでこの子供達は教育や生活費は大丈夫だろうかと考えてしまう。

セーラー服崩れの服装の女の子は、まだまだアニメでは、女性といえば若いことが重要になっているのかなと単にわたしがアラサーになってしまって、あまり人生で関係なくなってしまったせいもあるかもしれないが考えてしまった。

ヘッドフォンはサイダーのように言葉がわきあがる、恋する寄生虫などで使われまくっているので、既視感を感じてしまった。

へそを出しているけれど、私としては中国のブヨついているおっさんのへそ出しを面白く思っているので、足りなく感じてしまった。他のチームにはデブがへそ出ししていた。
東京タワーについても最近映画で出てくることが多すぎる。スニーカーはポンプフューリーっぽくて、これも広告かもしれない。人魚姫について3回ぐらい繰り返し語らせるのは、クド過ぎる。

私はこのプロデューサーの前作の天気の子の「東京も日本も終わっちゃうけど、終わるしかないな」という気分にノレたのにこの作品はノレなかった。天気の子を意識し過ぎてしまったのかな。復興を描くには、そんな子供二人が犠牲になるぐらいでは、足りない。それをセカイ系に描くのが可愛いという意見が30年ほど優勢になっているけれど、がっつり政治的介入が必要なのではと考えてしまう。マイスモールランドを最近観たので社会を描くならそれぐらい気合いが欲しい。下手に東京の崩壊について、描こうとしなければ爽やかに楽しめたかもしれない。

ネットフリックスで世界中の人がムード映像として観るのを想定しているのかもしれない。正直言って配信作品は劇場で観る必要がないかもしれない。

タカシ