劇場公開日 2022年5月13日

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「動きの表現はすごいが、キャラも話もイマイチ」バブル コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)

1.0動きの表現はすごいが、キャラも話もイマイチ

2022年5月8日
iPhoneアプリから投稿

アクション作画は確かに半端なくすごいし、新しいことをやろうとしているのはわかるのだけれども。
観客をすっと世界に誘導する演出が欠けている気がし、つぎはぎ感のみが目立ったように思えてしまった。

(配信で飽きさせないためなのか?)アクションシーンが多すぎて、しかも同じようなカットが続くので、次第にアクションに不感症気味となり、最終の東京タワーでは飽きてちゃって。
1レース目、2レース目とは、「何が違い」「どう進化し、解決、突破した」から東京タワーを攻略できたのか、明確に観客にわかる描写がないから、観ていても理解できないし、爽快感も無い。

だいたい、主人公は頭の方から「すごい」「エース」と周りが褒め称えはするものの、パルクール向けの「特殊能力」「絶対的スキル」の表現がないのが致命的。
例えば、小さな野良「泡」を使って飛ぶことができるのを主人公だけの能力にしつつも、回数や大きさが限定的で、「チームプレイと泡の使い方が仲間に伝わって」とか、「今までできなかった泡越えの特殊テクニックが身につき」伸びて攻略できたとかね。
それを「絵と動き」で見せなきゃ。
セリフで済まさず(いやそのセリフもなかったが)。

ルールもすごさも魅力も、見物してる人々の説明セリフという、ぬかるみに陥ったような駄作感が出ているように感じました。

しかも、あれだけセリフでがちゃがちゃ説明してたくせに、結局ウタや泡の正体については、汲み取ってねって感じで曖昧なままだし。

監督の舞台挨拶かインタビューかで、ウタについては「ノベライズで補完を、二つで一つ」ってニュアンスの記事を読みましたが、一つでまずしっかり作品と楽しませなきゃ、金を取る作品としちゃ観客に不誠実。
二つが、より深く相互に高めあって、1+1=2以上、4にも5にもなるならわかるけれども、0.5+0.5なら作品作りというものを舐めてないかと疑問にさえ思いました。

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コージィ日本犬