劇場公開日 2022年4月15日

「魅力的なキャラクター…だけじゃない❗️」名探偵コナン ハロウィンの花嫁 yam.さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0魅力的なキャラクター…だけじゃない❗️

2022年4月21日
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鑑賞方法:映画館

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コナンの映画は、毎年公開日に劇場に足を運び鑑賞しております。私は原作のコナン自体が大好きなもので、どんなに酷評されるものであっても愛情深く鑑賞しておりますが、たしかに近年の映画は内容より、降谷零や赤井秀一といった人気キャラクターを推すような傾向が強いと思います。

今年は、いわゆる警察学校組という原作では殉職しているために回想でしか登場しない、降谷零の警察学校同期メンバーの四人がキーマンとなっています。降谷零の同期だという設定も、劇場版純黒の悪夢から始まり、付加された設定です。
ほとんど取り上げられていなかったころから、松田さんや萩原さんのファンでしたが、かつては、もう殉職した彼らがここまでフューチャーされ、スピンオフや、劇場版のメインキャラの一端を担うまでになるとは思いもよりませんでした。

コナンの面白いところは、アニメと劇場版がただの原作の焼き直しや蛇足ではなく、派生のはずのアニメや映画が、大元の原作にまで影響を与えながら、相補的に成り立っているというところです。そういう意味では、近年の映画は、名探偵コナンという作品を長年応援してきた古参に向けたファンサービス、もしくは新規の人に魅力的なキャラクターから作品自体に興味を持ってもらうための呼び水になりつつあると考えていました。

しかし、今年の作品は、良い意味でその予想が裏切られました。たしかに、随所ツッコミどころは満載ですし、私がコナン映画史上最高傑作だと考えているベイカーストリートなどと比べると、ストーリーも稚拙で見劣りする点もありますが、この映画では警察学校組生前の回想シーンと、映画の現在がしっかりとリンクしていく物語の運びが面白く、きちんと伏線を張って構成が作り込まれていると感じました。また、昔の作品ではお荷物扱いだった少年探偵団たちが、最近の作品ではコナンの協力者として、しっかりと活躍の場が与えられているところも良いです。新一がコナンという子供の姿になったからこその活躍が、近年の映画ではきちんと描写されているように思います。

原作は101巻が最近刊行され、ゼロティーや犯沢さん、警察学校編と様々なスピンオフが生まれるほどの大規模コンテンツに成長しましたが、ここまでコナンが人気になったのも、魅力的なキャラクターと、そして彼らによって織りなされた緻密なストーリーゆえだと思います。

この映画を経て、いっそう名探偵コナンというコンテンツがさらなる盛り上がりを見せるであろうという期待値を含めて、高評価をつけるにふさわしい作品だと思います!

yam.