「どこに焦点を当てたかったのか不明瞭。」百花 キッスィさんの映画レビュー(感想・評価)
どこに焦点を当てたかったのか不明瞭。
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他で見たい作品とそのあと少し時間あったので見てもいいかな、という消極的選択で鑑賞。
小学生低学年の頃、母子家庭にもかかわらず、男と駆け落ちして1年間子ども一人置いて出ていったことがトラウマとなり、母息子の関係はぎくしゃくしているものの、大人になり結婚・妊娠の段階になり、献身的に世話をしている。
その母親が認知症になり、いろいろなことを忘れていくという話。
母親が駆け落ちした若いころ(阪神淡路大震災の頃)と現代、現代も会社・夫婦関係・認知症のことが挿入されて、どのシーンも中途半端な感じで次、次と進んでいく印象が否めない。
原田美枝子の若いころと皺しわなころのシーンの使い分け、特に若いころのシーンが思いのほか多く、感情移入できずうまく化粧!?してるなーなんて思いながら見てしまった。
シングルマザーなのに駆け落ちして、大地震をきっかけにまた息子のところに戻り、という設定がそもそも感情移入できない。ただの身勝手な母親に振り回され、心優しい息子がそれを乗り越えて認知症の母を面倒みるという同情とも言えるストーリーは興ざめでしかなかった。
でも。
菅田将暉と原田美枝子の演技は素晴らしく、脚本が悪いだけにもったいない。
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