「一輪挿し」百花 Bacchusさんの映画レビュー(感想・評価)
一輪挿し
過去の母親の行動から溝のある親子とアルツハイマーの話。
大晦日の夜、母親が一人で暮らす実家に帰ると誰もおらず不穏な空気、外に捜しに出ると公園のブランコでたたずむ母親が…と始まって行くストーリー。
違和感を覚えつつも「溝」のせいもあり気付なかった感じから、母親視点のお買い物が切っ掛けとなってアルツハイマーが発覚するけれど、手帳の件をみるに本人は自覚があったということですね。
その後過去の母親の行動と息子の境遇がみせられていくけれど、いや~キツいな。
しかしながら幼い頃のわだかまりと、再び忘れられる息子の心境を描いているのはわかるけれど、戻ってから現在までの関係がみえないからね…そこの部分はかなり大切だと思うのだけれど。
AIシンガーにしても赤ん坊にしても、中途半端でストーリーの補足説明みたいな感じだし。
自分と母親との関係がこの主人公よりもっと遠いものだからというのもあるかも知れないけれど、すっぽりと抜け落ちた長い時間のせいでか、何か取って付けたような印象を受けてしまった。
それでも終盤の悲痛に浸る感じはなかなか良かった。
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