「老いの物語りを美しく撮ると言う神技」百花 bloodtrailさんの映画レビュー(感想・評価)
老いの物語りを美しく撮ると言う神技
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いやぁ「神技」ってのは言い過ぎかも知れませんが。そう言いたくなるくらいに良かったです。TVドラマじゃ出来ない、まごう事なき「劇場用映画」。そこが良い。
長回しのオンパレードです。間があります。情報量は最低限。いずみと直接の関わりの無い部分はザックリ削ぎ落とします。無駄に喋りません。劇的な展開は有りません。起承転結の爽快感で映画を観る方には不向きです。
「捨てられた」と言う強烈な体験が、母親との思い出に蓋をしていた男。母親と眺めた「半分の花火」の事も、「ウチが一輪挿しになった理由」も忘れていました。対して。混乱していく記憶の中でも大切な思い出は消えていなかった母。記憶と忘れると言う事、を軸にした母子の物語りは、小さい小さい小噺程度の出し物。劇的な展開も、華々しい感動もないけど、ゆっくりゆっくり染みて来ます。
川村元気が自ら監督したのは、この脚本で受けてくれそうな人が居なかったからなんじゃないかと勘繰ってしまうくらいに地味でしたが。
良かった。
かなり。
と言うか、好き。
まぁ、いずれにしてもですよ。
メイクって魔法だよー!
ってのは思いましたw
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