劇場公開日 2022年9月16日

「冷酷な国家よりも血の通った兄弟。」ヘルドッグス 栗太郎さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0冷酷な国家よりも血の通った兄弟。

2022年9月28日
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鑑賞方法:映画館

岡田准一の度の越した魅力あふれる本作。ただの筋肉バカ、アクションオタク(褒めてます)にとどまらず、太すぎる肉体から醸される雰囲気からヤバいオーラが駄々洩れしてて、目が離せない。
なにより、脇を固めるキャストの豪華さ。相棒役の坂口健太郎のイカれた演技も見もの。「鎌倉殿」の泰時の誠実さなんてかけらもない。スクリーンでよく見かける松岡茉優も北村一輝も大竹しのぶも酒向芳も当然いいのだけど、そのまた脇を固める役者陣が絶妙にはまっている。組長役MIYAVIしかり、熊さんも、女殺し屋も、クセ強な熊さんの奥さんも、はんにゃ金田も、しびれるくらいの世界観。
自分の正義のために、ダークサイドにどっぷり染まり、それでも"自分を支える確かなもの"があるだけで心を鬼にできる。嚙みつくことしかしらない狂犬にだってなれる。
最後、何が待っているのか、ヒリヒリしながら観ている気分は、享楽への高揚感。こっちも少しイカれてしまっていたらしい。

栗太郎