「アクションと世界観は良い。一方、早口で聞き取りづらかったり状況把握が難しいシーンもあり、好みは分かれそうな作品。」ヘルドッグス 細野真宏さんの映画レビュー(感想・評価)
アクションと世界観は良い。一方、早口で聞き取りづらかったり状況把握が難しいシーンもあり、好みは分かれそうな作品。
主演・岡田准一×原田眞人監督は、早くも「関ヶ原」「燃えよ剣」に続き3作目。
ただ、個人的には、同じ時代劇である「関ヶ原」と「燃えよ剣」の2作品でさえも評価が全く異なるなど、未だ評価が安定していない印象はあります。
原田眞人監督の現代劇で私が一番好きなのは「クライマーズ・ハイ」で、時代劇では「燃えよ剣」ですが、これらの難点をあえて挙げると「一部の音声が聞き取りづらい」ということがあります。
ただ、「クライマーズ・ハイ」は屋外なので自然音を使ったり、時代劇では当時の話し方を用いることでリアル感を求めた結果だと想定していました。
ところが本作を見て最初に驚いたのは、屋外でもなく、時代劇でもないのに、役者陣が何を言っているのか聞き取れないシーンが散見される、ということでした。
これは、知らない俳優陣であれば「何でこんな大根役者を使ったんだろう?」と疑問に思ってしまうのですが、実際には本作の俳優陣の名演ぶりを知っているので、この「聞き取りづらさ」は原田監督の持ち味だったのか、と理解できました。
異様に早口で話したりするためか、聞き取りづらさで引っかかる人が出るかと思います。
また、脚本も原田監督で、状況説明が少ないのか、あるいは聞き取れていないのかで、「今は何をやっているんだろう?」と展開についていけなくシーンも散見されました。
とは言え、この2点さえ割り切りながら見れば、岡田准一を筆頭に、アクションシーンは演技も演出も冴えまくっていたり、「関東最大のヤクザに潜入し、組織の若きトップが持つ秘密ファイルを奪取する」といったミッションを軸に繰り広げられる人間模様は純粋に面白いと思います。
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