冬薔薇(ふゆそうび)のレビュー・感想・評価
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不祥事俳優に寛容なこの業界😤
近づいてくる人を不幸にする
主人公(伊藤健太郎)は親から金を出してもらって、遊んでいて、悪い奴らとつるんで小悪党を気取っている。
両親は小さな運搬船をやっており、長男を事故で亡くしている。
こんな主人公は誰からも当てにされず、寄ってくるのは・・・。
そうだろうなぁ、というエンディングだった。
主人公はどこまでも自分勝手で、やることなすこと全て中途半端なクズ男...
父と息子
加齢とともにDVDで観ていると、途中でスマホいじったり休憩入れたり、まぁ緊張感が欠如してしまいがちになります。そうした作品も多いのですが、さすがは阪本監督の作品です。最後までしっかりと観せていただきました。
小林薫さんの役に自分の父子関係が本当に重なりました。放任主義なのか、無関心なのか、敢えて何も言わないことでうまくいくのか、駄目なのか、少なくとも夫婦はしっかりと会話をすべしと改めて痛感です。
しっかりした演技陣と一流監督、こうした映画は今は貴重だと思いました。共感は個人差ありでしょう。ただハイレベルの作品であることは間違いないです。
伊藤さんのカムバックは嬉しいです。毎熊さんは大好きです。河合さんの印象はいつも変わります。「岬の兄妹」の妹役の女優さんでしたか、わかりませんでした。永山さんはとある格闘家と思ってしまいました。
クズの作り方(レシピ)
好きか嫌いかというと、そんなに好きな作品ではないし、本作の前に『夜を走る』という作品もレンタルで鑑賞したが、そちらの方が映画としては面白かったし好きでした。
でも、感想はこちらの方が書きたいという気持ちになってしまった。
映画としては優れた作品だったし、物語にも引き込まれましたが、なんか好きになれない内容だったので逆にそれを考えてみたくなったのかも知れませんね。
そういう意味では上記作品の『夜を走る』と対比させて考えると分かり易い様な気がします。本作はいわゆる“クズ人間”の話ですが、『夜を~』は真面目人間が壊れる話でしたから…
今回のレビュータイトルを「クズの作り方(レシピ)」としたのですが、クズ人間はどうしてクズになってしまうのだろう?の答えは家庭環境等々、物語の中で丁寧に描かれていました。
そしてこの主人公の場合、立ち直るチャンスも沢山あったにも関わらず結局更生出来ないまま終わりました。
まあ、大衆向けの作品だと感動させながら更生して終わるのが定番ですが、この辺り阪本監督らしく厳しく救いを用意していませんでした。現実を見渡してもこちらの方がリアルですしね。
で、話を戻し「人はどうしてクズになってしまうのか?」ですが、料理に例え、料理の美味しい→不味いを人間の善人→悪人と変換し、その度合として考えると分かり易いかも知れません。
美味しい料理を作るには良い食材と優れた料理人(調理)が揃えばほぼ間違いなく出来上がるし、普通の食材と普通の人でも、普通に(美味しく)食べられる料理は作れるでしょう。
では、不味い料理はどうしたら出来るのか?、を考えると、まず食材が腐っていたら不味いでしょう。次は料理法を根本的に間違えた場合(例えば、塩と砂糖やミリンと酢を間違えたり)も間違いなく不味くなります。
でも、これは極端で『夜を~』の主人公の真面目人間が突然壊れるような極端な場合であって、本作の場合はもっと微妙な間違いが重なり合い、結局不味い料理になってしまったという風に感じられます。
主人公自身、絶対悪の様なタイプではないですが、知性・性質(食材)や環境・生い立ち(調理)等々の悪条件が少しずつ重なり合い、短所が長所を覆いつくしてしまったのでしょうね。
ひょっとしたら、美味しい料理にもなれた筈なのに、ちょっとした手違いの積み重ねでクソ不味い料理になってしまったという、厳しくも現実的な物語でした。
しかし、この『冬薔薇(そうび)』というタイトルにした意味は何だったんだろう?
阪本順治はまだ劇場で見ねば。
映画監督
きっとずっと好きになれない人
阪本監督が例の件も含めて話を聞いて当て書きしたという事で、どんな感じに仕上がったのか興味があった。
観た率直な感想としては、監督は何を感じたのだろう?主人公の淳は共感できるところゼロのガチクズじゃないか。
空気が読めず、人との距離感を間違えて無自覚に恩を仇で返す、出来れば近くにいて欲しくない人。
役者として一からやり直すという自虐的なキャラクターなのだろうか?でも最後そっち行っちゃったけど。監督にはあまり好印象ではなかったのかな?と、チラッと思ってしまう。
小林薫さんや余貴美子さん石橋蓮司さんなど脇は盤石。叔父さん役の真木蔵人さん、カッコいい年の取り方してるなぁ。若い頃は輩っぽいイメージを持っていたけど、渋くなってお父さんに似てきた。
あるよある
伊藤健太郎の伊藤健太郎のための映画だと思えばいい
相変わらず阪本順治監督の映画は、観る人を選ぶんじゃないかなあ〜
こういう映画は面白くないっていう人がいて当然だと思うよ。
でもだね、私はこういう映画好きだよ。
むやみにメッセージ性を押し付けたりする映画って、楽しくないんです。
(最近こういう映画が多いのかなあ〜)
この映画には、私はメッセージを感じないで観た。
伊藤健太郎という、これから先がまだまだ長いひとりの男の子?のほんの短い時間軸を切り取って、そのまま見せているんだと思う。
人が生きているのって、「流れている」んだと思う。
その流れの、ある一部分に、ちょうどぴったりに!今まさに!伊藤健太郎がハマってるんだという感想かな。。。
大御所脇役さんとかそんなに違和感なかった。
伊藤健太郎という男の子が、そういった大人の中にはまっている絵は、坂本監督の多分意図したところじゃないかなあ〜
星5は無理なんだけれど、坂本監督に敬意を評して星4つ。
ちなみに、当然ながら永山絢斗くんはイイね。
出てくれた役者さんへ
☆は出演してくれた役者さん達へです。
おかげさまで飽きないで最後まで見れました。
本当、適材適所と言うか、役者さんの役どころが上手くマッチしていました。
石橋蓮司氏の船員キャラは、良かった。ああいうおっちゃん好きだなあ。
しかし、映画全体を通して言うと、あまりにも陳腐というか、『これ、俺でも書けるんじゃ!?』
と思ってしまった。
胸糞系ではないので、不快ではない分全然良いがシーンとシーンのつなぎが雑だし、
全体を通した主旨が見えない。
チンピラの描き方が、本当「いつの時代だよ!」と突っ込みたくなる。不良役のスペシャリスト、毎熊克哉氏でなかったらあれはグダグダだった。
正直、阪本監督って名前だけでこれだけの俳優陣集めてるのかな、と思ってしまった。
劇場で見ててちょっと恥ずかしくなってしまった。
伊藤健太郎氏は色々問題があったが、俳優としては良い俳優だと思っているので、またどこかで『宇宙でいちばんあかるい屋根』とトオルみたいな良い役をやってほしい。
いいものもある。 わるいものもある。
伊藤健太郎を人間臭く活かした、阪本順治監督の巧妙。
人間の弱さを赤裸々に剥き出しにした人間ドラマの今作。
様々な向かい合うべき事を避けて、いい加減にここまで生きてきた 渡口淳(伊藤健太郎)
彼は生きる希望も目的も特にない。何もない。
そんな彼が本当は欲しかったもの。感じていたこととは何だったのか。
人から逃げ続け、人に逃げられ続けた彼が、最後に自ら選び手にするものは∙∙∙。
ろとても阪本順治監督らしい作品どぁり、
ご自身でも投げっぱなしのような作品で申し訳ないと仰られていたが、
それこそが今作品の真意だと思う。
この作品を 伊藤健太郎 さんで撮ろうと思った。と、
以前のインタビューで仰られてたのが
「なるほど、この感じか」と観てみてピタッとハマった。
それは彼自身の内省というだけでなく、良い意味も悪い意味も含めた
内から滲み出る”どうしようもなさ”や”流動的な佇まい”が
とても人間臭い説得力を携えていた。
監督自身が仰られていたように〔答えはない〕作品。
それぞれ個々が何を感じ、何を思うか。
誰もが陥る、そんなつもりじゃなかった普遍的なループ。
もういいや。と、手放す事の容易さに慣れてしまう日常。
別に不真面目なつもりはない。
苦しさも悲しさも心に抱えて、それなりに自分なりに一生懸命に生きている。
自分を取り巻く友情と家族と∙∙∙。いつのまにか暗黙のうちに出来上がっている関係性。
そして自分ならどうだろう∙∙∙。その関係性に甘んじているだろうか。
当たり前にある日々のちょっとした躓きを考えてみる。
良いことも悪いことも。でも生活して生きていくしかないのだから。
脇を固める俳優陣の個性がとてつもなく濃いのだが、
それがなんとも自然に馴染む土や海の匂いがするような作品だった。
その個性派の中で 坂東龍汰が素晴らしかった。
あんな演技もできるんだなぁと驚かされました。
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