「愛すべき人が作る愛すべき作品」フェルナンド・ボテロ 豊満な人生 Boncompagno da Tacaocaさんの映画レビュー(感想・評価)
愛すべき人が作る愛すべき作品
誰が見てもその人が作者だと分かる圧倒的な個性なのだが、ボテロという人の愛すべき人格がどこから生じたか教えてくれる映画である。自分は父を幼い時に失いながら、子から孫へと家族を増やし、皆がボテロを尊敬して助けているし、祖国に作品や美術館を寄付している。南米から出て欧州で自分の個性を作りながら、今も欧州にアトリエを持つのだが、メキシコの影響もイタリアの影響もあって、ユニークなのにどこか王道の感じもある作品が作られたことに感受性の豊かさを感じる。商業的だとか言われる批判も寄せつけない、万人に開かれた分かりやすさ、大らかさ、気安さも良い。つまりは愛すべき人が作る愛すべき作品なのだと理解できるのだ。
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