「王道の貫禄ですかねー。」シラノ バリカタさんの映画レビュー(感想・評価)
王道の貫禄ですかねー。
王道ストーリーを真正面から描いた作品ですから外れようがないですね。
ロクサーヌ役はスワロウズ(大好きな作品)で見事だった女優さん。歌もなかなかよいですねー。シラノ役も良きですな。
ミュージカルをベースにしてるんだけど、劇中歌が多い映画だなーって印象なんですよね。不思議です。つまり、ミュージカル感が薄いんです。ミュージカルミュージカルしてないのです。けど、それはそれで大いに「アリ」なんじゃないかな?というか、それが良かったと思います。
多分それは僕がTHE ミュージカルな作品を苦手にしてるからなんだろーなーとは思いますが、それ以上に歌の本質が作品演出にマッチしたんじゃないかな?って思います。歌って言葉と言葉を繋ぎ紡ぐリズムの延長で生まれたんじゃないかな?って勝手に思ってます。本作のキーは手紙。美しい詩のような手紙。それらを書き、読むことがすなわち歌になり作品を形作っていきます。メロディーに乗せるよりは心を乗せて。セリフのように流れていく楽曲は沁み入ります。
映像としても文句なしです。お金はたくさんかかってる気がします。壮大な作品になってると思います。「観たなぁ」って気にさせてくれますよ。
ラストのロクサーヌとシラノのシーンは良かったなぁ。久しぶりに綺麗な涙をみました。やはり演者さんの力量は半端ない。派手な娯楽作品ってわけではありませんが、とっつきやすい重厚な作品でした。噛み締めるほどに味がでてきそうです。
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