「あなたは私を愛してる」シラノ Masuzohさんの映画レビュー(感想・評価)
あなたは私を愛してる
シラノ・ド・ベルジュラック
17世紀のフランスに実在した騎士
剣豪でありながら詩人であり
数種の学問を理解する才能も持ち合わせ
つつも特徴的な大きな鼻に
コンプレックスを持ち密かに一人の
女性を愛し続け36歳の生涯を閉じた
正義と騎士道に生きた存在とされている
1897年のエドモン・ロスタン発表の
戯曲はミュージカルの定番演目として
親しまれている
話自体も初見でしたが
感想としては
世界観を重視したシラノの
容姿の設定変更はこうきたかって
感じでしたし
丁度勃発したウクライナ侵攻もあり
時代は違えど命令で命を懸ける現場の
兵士たちの故郷への思いの
シーンは胸を打ちました
最近多い(気がする)
ミュージカル映画の中でも
楽曲のバリエーションも豊富で
良い出来だったと思います
原作通り鼻の大きなキャラクターを
メイクで登場させていたら
どうしても映画だと違和感が出ます
(三谷幸喜の「記憶にございません!」
でばかでかい福耳のキャラを
飯尾和樹にやらせて画面が寒くなった
のを覚えています)
そこをこの映画は小人症の
ピーター・ディンクレイジを起用
したのは思いきりましたね
もう52歳だったの?
クリスチャン役の
ケルヴィン・ハリソン・Jrは
前に観た「ルース・エドガー」では
闇を抱えた優等生役を怪演して
いましたが今回は真逆の
純粋なアホの子も巧みに
演じていました
吹奏楽器の演奏が得意だそうで
歌唱シーンもしっかり
もう27歳だったの!?
ロクサーヌ役の
ヘイリー・ベネットは
何か見たことあるなと思ったら
イコライザーの途中で殺されちゃう
ヒロインの友人のマンディ役ですね
昔のレニー・ゼルヴィガーのように
「キワドめのライン」をうまく
持っていく気が抜けない感じを
うまく演じてました
もう3(以下略)
物語の肝は不思議な三角関係
幼馴染のロクサーヌを密かに思い
魅力的な手紙も書けるシラノ
学はさっぱりの
新米兵士クリスチャン
そんなクリスチャンに
一目ぼれしちゃったロクサーヌ
ロクサーヌはシラノに
彼を守ってやってと頼み
彼の手紙を欲しいと
言うのでシラノが代筆
というがんじがらめさ
そのせいで素敵な手紙から
クリスチャン像が出来上がり
ますが実際会って見ると
アホの子がすぐバレてしまい
観ている間はどーすりゃいいの
と気が気でなくなります
ロクサーヌは結局シラノの
頑張りでクリスチャンとの結婚を
婚約者の男爵より選んでしまい
腹いせにシラノもクリスチャンも
過酷な戦場に送られてしまいます
ただこの3人の関係は結局
シラノが取り持った関係は
クリスチャンはシラノが
ロクサーヌを愛している事に
気が付いてしまい自分への
愛ではない事に絶望し
無謀な突撃によってあっさり
死んでしまいます
シラノは悲しみつつ最後に
書いた手紙を彼の胸ポケットに
入れ自分も突撃
負傷してしまいます
余命いくばくもないシラノは
真相をロクサーヌに伝えに
行きますがクリスチャンの手紙を
読まずに空で言ってバレます
ロクサーヌはもう手紙を誰が
書いていたのかとっくに
わかっていたのかもしれません
やや長い作品ですが
ミュージカルを見たことが無かった
自分にも最後まで楽しめました