「普通な人なんていない」ハケンアニメ! 唐揚げさんの映画レビュー(感想・評価)
普通な人なんていない
新人監督の斎藤瞳は7年前に天才監督・王子千晴に憧れてこのアニメ業界に入った。
そんな彼女の初監督作品『サウンドバック 奏の石』。
その通称「サバク」と同じクール同じ時間帯の最大のライバルは、なんと王子監督の復帰作である『運命戦線 リデルライト』。
彼女たちはそのクールで“ハケン”を取るべく一丸となって奔走するのだが…
かなり口コミが良かったので鑑賞。
今年のポンポさん枠かと思ったら少し違った。
確かにとても良い映画。
主人公の成長物語としてかなり泣ける。
ただ、観ていてとにかく辛かった。
私は同世代の中でも珍しくアニメをほとんど見(たことが)ない人間なので、テーマがアニメーション業界のことだとイマイチ実感が湧きづらく、悔しい。
自分だけのものをみんなの自分のものにするのはなかなか辛いことだと思う。
ー刺され、誰かの胸に‼︎
正直私はどちらかと言うと刺さらなかった側だが、誰か1人でも刺されば良い。
アニメを見ない私みたいな人間こそ、アニメに救われるということはありそう。食わず嫌いせずに見なくては。
こんな私でも王子監督の主張や新人声優との和解、最終回の変更などにはグッときた。
あくまでもお仕事映画ではあったが、好きを肯定するような救いの描写がもう少しあればもっと好きになれたかもしれない。
登場人物はそれぞれ個性的でとても良い。
特に工藤阿須加と小野花梨の2人の関係性が好き。
ただ、気に入らないのが行城さんがあまりに急に良い奴になる点。
良い奴だと言うことは何となく分かっていたが、斎藤監督が行城さんを庇った瞬間優しくなるって…
やるんだったら最後までSっ気は残しておいて欲しかった。
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