「価値観の横断とシビアな世界認識」ハケンアニメ! komagire23さんの映画レビュー(感想・評価)
価値観の横断とシビアな世界認識
面白かったです!
作中アニメの質の高さが新人の斎藤瞳 監督(吉岡里帆さん)の言葉に説得力を持たせています。相乗効果で作品全体の説得力を倍加させていたとも思われました。
それぞれの人物描写も多面的で一筋縄ではいかない感じも良かったです。
この作品の根底に流れているのは、この現実は変えることなどかなり困難だ、のシビアな世界認識だと思われました。
しかしそれでも…の対峙姿勢に、この作品が心を打つ核心があるのだろうとは思われました。
あらゆる箇所で作品に対して現実実現のギリギリのギリまで妥協はしないの姿勢が映画全体から伝わって来ます。
それはこの映画の吉野耕平 監督や原作者でありながらどっぷり映画制作にかかわったと伝わる辻村深月さんにも、その世界観を高いレベルで実現しようとしたと画面から分かる各部署のスタッフの皆さんにも、多面的横断的にリアリティある演技で登場人物に説得力をもたらせた全ての俳優の皆さんにも、作中での斎藤瞳 監督含めたそれぞれの登場人物のセリフにも、作中アニメの質の高さにも、全てに貫抜かれているように感じました。
その志の高さだけでもう拍手を送りたいと思われます。
私的には斎藤瞳 監督の日常描写がもっとタイトで切羽詰まっていれば満点の映画だったと思われてはいます。
しかしそれを差し引いても十分お勧め出来る作品になっていると思われます。
この作品が気になっている人は、外野の意見に惑わされず、ぜひご自身の目で確かめて欲しいと思われています。
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