「想像を超えて刺さった」ハケンアニメ! mayumiさんの映画レビュー(感想・評価)
想像を超えて刺さった
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初日と、4日目と2回観ています。お客さんも順調に増え、レビュースコアも上がって来ていて、良い映画は伸びるのかなと思いました。
アニメにも興味がないし、題名にも正直あまりそそられなかったのですが、原作を読み感動し、王子千晴を待ち侘びていました。長編小説を2時間に凝縮するのはなかなか苦悩だっと思いますが、うまくまとめ上げ、隅々のどの登場人物にも感情移入ができる映画に仕上がっていて、不覚に何度もマスクが濡れました。
吉岡里帆さんは「見えない目撃者」の時も思いましたが、あざと可愛い役も上手いのに、可愛さ封印で挑む役もハマっていて、なかなかの女優さんだと思います。今回も細やかな演技に工夫や執念が見えてとても良かったです。
柄本佑さんと尾野真千子さんは安定のおふたりで、敏腕さも人情味もうまく表していてさすがでした。そして中村倫也さん。原作者の辻村先生も希望されていたと聞きましたが、天才監督王子千晴そのもので、特に対談のシーンのマイクを握る手元、目線、足の指まで繊細な感情の揺れが見えて、畳み掛けるような台詞の滑舌と抑揚が、抑えた声によって説得力を増し、涙腺が一気に崩壊でした。この場面吉岡さんの熱演もあり、名シーンになったと思います。世の少数派と揶揄されて少し肩身の狭い思いをしてる人たちにとって、背中を撫でてもらえたような、なんとも共感が生まれ感動しました。珠玉の名台詞だとわたしは思います。ぜひそのシーン、目撃してほしいと思います。
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