「映画早送り鑑賞世代のようなバズの感性に寒気」バズ・ライトイヤー seegenさんの映画レビュー(感想・評価)
映画早送り鑑賞世代のようなバズの感性に寒気
ピクサー受難続きの配信送りを、やっと回避と思ったら、予想通りの…仕上がり。一応は残ってるシニア・クリエイターたちはどういう想いで参加してるのか気になる。トイストーリー続編と派生作品はこういう"稼ぎ方"を続けるなら、苦行だなぁ…。
唯一、猫ロボのソックスの不気味の谷みたいな部分は気に入ったので、そこフォーカスして楽しみました。🐱いや、そこくらいしか救いがなく…ピプピプ…
※(だんだんヒートアップして、感想がボカしつつも核心を書いてしまってネタバレ感アリなので、未見の人は以下のコメント読まない方が良い! 曇りなき絶賛感想待ってます! 逆に救いの感想、く・だ・さ・い!)
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広告のキャッチフレーズが映画本編の冒頭でクレジットされた時に、まさか本編にソレ入れちゃうんだ…という。言わなければまだしも…いや、ほんと癇に障る…トイストーリーのファンの気持ちダシに使わないでよ…。
この映画はっきりとLGBTを表現したキャラが出てきて物議をかもし、国によっては上映禁止の憂き目にあってます。
正直、ディズニーを取り巻くソレ関連のニュースを読むにつけ、上層部(経営的な思惑)と現場クリエイターの思惑のズレだけで、かなり現場に味方した感情でいました。だけど、この映画に関しては…自分が思ってたのとはまた違っていたかな…。
いま、まさに日本は選挙で話題にされる事も多いけど、結局のところ婚姻制度は子どもを産み育てる、次世代づくりが役立つ事として論点がそっちズラされがち。
議員が「子ども産まないから」と発言して炎上。
そこ踏み抜くと作品として炎上する、そっち系の論理。
子育ては素晴らしい人生イベントだけど、そこにフォーカスするのは性的少数者の話題では地雷要素。
なのに、この映画ってそういうトラップにハマってしまってる。むしろ叩く側、反対勢力の価値観を入れてしまってる。
映画クライマックスの「失敗しても良い」「役に立たないと本人が思っても、意味がある」など、せっかくのイマドキの主題を標榜するのに、結局"(社会的)役に立つ"をクリアした祖母世代との差に悩んでしまうという。
ディズニー作品の多くに姪っ子甥っ子が多い理由と真逆を走ってる…。未来的な装飾なのに結局、世襲や血のつながった家系の話になってて古びた価値観を見せつけられた気分。
彼女が養子だったり、違う家系出自の人間で、深く祖母たちと意志が繋がるキャラクターなら、むしろ喝采を送りたかったけど、これじゃ結局、遺伝子が繋がった受け継ぎ"そういう人生"じゃないと価値がないとでも言うような描写。
少数派LGBTに味方したフリしつつ、結局出産が無いとドラマが成立しない論法でドラマを積むなんて、味方のふりした反対派クリエイターの悪意を底に敷いてる様に感じる。
うん、これには、たぶん怒ってすらいます。
ダシに使うな、という気分。
うーん。
志が…。
トイストーリーの系譜での期待と違うから残念映画とか、そういうレベルの話じゃ無いんですよね。
倫理観あるふりして、底意地が悪い。
いやー、期待はしないようにしてたんですよ。何しろオリジナルのクリエイターたちがほとんど居なくなって、「トイストーリー4」のような作品を出した後の派生作品でしょ。
オリジナルビデオアニメ「バズ・ライトイヤー 皇帝ザーグを倒せ」と同じコンセプトですよ。あれがライバルならキョービどんなにつまらなくてもクリアするレベルがあるじゃないですか。
例えば玩具内蔵の音声セリフの数々に、じつはこんなドラマがありました!とマニアを唸らせるとか…「皇帝ザーグを倒せ」と変なところでコネクトした設定が出てきてうわー!とくるとか…最初のテロップ外して、むしろ後半"劇中劇だから"突破口が開ける名作「LEGOムービー」みたいなメタ展開とか…あ、これはこの作品でやったら炎上しそう。
むしろピクサー本体で作った分、「皇帝ザーグ〜」より罪深いよ…。
てかさ、基本的に95年にこの倫理感ないよ。アンディはもっと刺激物みたいなチープなTV作品のバズが好きだったじゃんかよ!
アンディが好きだった宇宙(バズ)と西部(ウッディ)の開拓者という=フロンティア精神、どこー??
実は予告でソックス見た時に、なるほど、って思ったのね。トイストーリーは玩具の映画でバズの映画ではペットロボットという玩具的キャラクター配置して、反対側からテーマを感じさせる作りなのか!って…あー、期待してたのかな。
トイストーリーは無関係と頭を切り替えて楽しんだとして、何点の映画だったろうか。
SFとしても本格を狙ったつもりなのかもしれないけど、ブレまくりじゃないですか…。時間軸ズレたパラレルワールドとの繋がりは? 違う時間軸になったのになんであのラスト?
「スターシップトゥルーパーズ」(※これもブエナビスタ配給だった)みたいな虫はパロディなの?本気なの?
ウラシマ効果を理解した後、ひたすらループする実験飛行。
早送りの人生を横目に、分かったつもりで彼女たちの人生を分かったつもりになるバズは、映画を早送りで観る世代の観客みたいですらある。
時間をスキップし続けて自分の失敗を挽回することにやっきなバズは、同じ時間軸に暮らしたとは自分には思えない。
人生の素晴らしさは本人たちの決めることなのに、外野のバズが自分の分身と共に自分の人生というより人の人生のジャッジって、かなり悪趣味。しかもLGBTテーマで、かなりNGまみれ。
これ、ほんとにアンディ世代の子どもに向けてる?
むしろ新たな差別主義者が増えそうなんですが…。
孫世代で結実する未来って、血縁じゃないと語れないテーマだったのでしょうか…。
無限の彼方へ! さあ行こう!
ええ、もう引き返せない所までキャラクタービジネスが来てるのだと痛感しました…。
余談
テスト飛行シークエンスがあまりに「トップガン.マーヴェリック」と同じ要素かつ、演出負けしてたのも、なんというかピクサーの盛者必衰を感じてしまった。
(トップガン4DXまた観たくなったなぁ…)
てかさ、なんでルカとかソウルはスルーでこっちは劇場かけるのさ!😡←(再キレ)
素晴らしい人生の話、どっちが秀作?💦