「歌い手ADO」ONE PIECE FILM RED U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
歌い手ADO
彼女はウタウタの実を食べたのだろうか?
効力は違うのだろうけど。
不思議なんだけど、本当に不思議なんだけど、オープニングの「新世界」を聞いてる内に涙ぐむ。
俺の涙腺ってこんなに弱かったっけ?
それ以降、歌が流れる度に泣いている。
つまり、ずっと涙ぐんでた。…なんでだ!?、
ウタが言う、歌を聴いている間だけは武器を置き争いをやめる瞬間が訪れればいい時思う。
そんな願いをオープニングから汲み取ったようにも思い、路線は違うけど「アイドル」と呼ばれる人達の存在意義や本質を考えたりもした。
物語的には?と言う箇所も多く、説明的な箇所も多い。「あれ?今回の総監督も尾田さんだよな?」とそんな疑問を抱くくらいだ。流れは決して良くはない。歌がなかったとしても、結構足止めをくらいそうだ。
歌が始まる度に物語は止まる。止まるというのは語弊があるのかも…歌の世界観にひきこまれる。歌が強烈過ぎるのかとも思うけど、エピソードが弱いのか、それまでの物語が上書きされていくような感じだろうか。もっと物語がみたいのにと思いつつも何故か泣いてる俺がいる。
だが、前半はちぃといただけなかった。
ルフィ一味の登場はビックマム海賊団の後のがいいんじゃなかろうかと思う。あんな雑魚キャラ相手に総掛かりってのは、安っぽく見えちゃう。
ゾロあたりが「いいよ、ほっとけ」くらいで済ませられそうなもんなんだけどなぁ。
まぁ、何せ登場人物も多く、キャラ毎に見せ場をと思うとあんな事にもなるのだろうけど、ちょっとなあ。
だからこそアクションが始まるとガチャつく感じは否めないのだけど。そんな中でも、ゾロの特性が際立つなぁ。全く埋もれない。むしろ光を放ちだす。ウソップといいゾロといい、柱となるキャラに事欠かない感じ。
ラスト殺陣は作画的にはもう圧巻。
あまりにエフェクトが多く萎える人も居るんだろうなとは思うけどテンポが心地良かった。
そして池田秀一さん。
今作を見るまでシャンクス=池田さんに違和感を感じてたのだが、覆った。
あの威圧感、本人が無意識に放つ威圧感を声に乗せられるなんて…池田さんの声質でしか出来ないんじゃないだろうか?引力でもあるかのようにシャンクスと池田さんが重なった瞬間だった。ゾクリとした。
にしても…あれ全部1人で歌ってんだよなぁ。つくづく稀有な才能だ。どこかで自分の型をひきづるようなもんだけど、楽曲毎に違う何かが憑依してるような聞こえ方をする。それはそれで圧倒的だった。
ダンスもしっかりあてられてたように思うから、ADOが歌い櫻坂あたりがダンスをしたりしてくれないだろうか?
俺的に夢のコラボだなぁ…。
ああ、そうだ。
幕引きの「海賊王に俺はなるっ!」アレは…あんまりなんじゃないかと思われる。
うん、うん。
私もやっぱり池田さん=シャアです。
それが今回は、まるでシャアに聞こえなくて・・・。
池田さんも老いたか?なんて鑑賞中に考えていましたー。(気楽なシーンの部分ですね。)
でも「威圧感を声に乗せる」まさしくその通りですね。その辺りは見事にシャンクスでした。
貫禄とは、その人の生き様の中で醸成されていくものなのでしょうね。
私は逆に、今回初めて池田さんに違和感を感じたんです~。
時折なので、基本的には良いのですけれどもね。
72歳という事もあり、声質が変化してきているのかな?とも思ったり。
それでも、ほぼ変わらない声を出せるのは本当に凄いですよねぇ。
この世代の声優さん達、大好きです。