「なるほどね〜という感じ」ONE PIECE FILM RED ひなさんの映画レビュー(感想・評価)
なるほどね〜という感じ
ネタバレ含むので注意してください。
話の内容は面白かったと思います。
恐らく罪悪感や辛さやなんやらを抱えて生きていけないと感じて死を選んだウタ、その死に対する悲しさで泣きもしました。
しかしそもそも私は死ぬぐらいなら償え馬鹿野郎と思ってしまうので薬を飲んで、歌って、仮想空間(ウタワールドでしたっけ?)から引き戻して、その後生きて、もう一度やり直せばいいのではと思ってしまいます。辛い道だけど自業自得だろうと。ここで死ぬのは甘さだなぁって感じたからウタはあまり好きじゃないです。(生きる道筋がなかったなら別ですが、あの薬を飲めばまだ間に合うようでしたので。)
Adoの起用に関してですが、とりあえず歌がとても上手い。後から曲だけ聞いて涙しそうになるぐらいには歌に感動しました。
ただやはり予告が出た当初から感じていたことですが、そもそもあのウタのキャラとAdoの声が一致しなくて違和感が凄かったです。前半は「お、意外と大丈夫かしら?」と思っていましたが1番気になったのは子供の頃のウタのシーン。子供のウタからあの声が出てるようには聞こえなかったし、最後のシーンもですが役作りや演技の面ではみてられない印象でした。死に際にあんなしっかり歌えるかしら。名塚さんはよくAdoに寄せたなぁという感じです。演者として本当に素晴らしかったです。
Adoの起用に関して庇うようなコメント(と私は受け取りました。)を尾田っちが出していますが、あの映画を作るには確かにAdoの歌が必要だったと思います。しかしAdoのワンピース、そして作品への歩み寄りが足りないのかなと感じます。
ウタの歌唱シーンはウタではなくAdoでした。
現実世界と仮想空間での共闘。かっこよかったです。しかし観たくありませんでした。
(じゃあ観るなと思われるかもしれませんが、観ないと肯定も否定も出来ませんし、ただ1ファンとして作品を観ておきたい思いもあり劇場へと出向きました。)
シャンクスが頂上決戦においてもワノ国においても"会わない""約束が違う"としていたのにも関わらず、共闘はしてしまっていいのかと。
またエンディングでは赤髪・麦わらの2隻の船が近い距離感にいたように思えます。ルフィは赤髪海賊団、そしてシャンクスの姿を確認したでしょう。
私は原作本編の最終章でシャンクスとの再会、そしてシャンクスとの共闘または対決が見られるのだとずっとずっと読者として期待していました。(ただの個人的な私欲です。)
しかし、この劇場版で共闘は実現しました。
そしてルフィはシャンクス達の存在を見ています。
原作本編でシャンクスとのシーンがこれから描かれるとしたら私はとても複雑です。だって会ったじゃん、シャンクスの姿もう最近みてたじゃん、という思いです。
「久しぶり!」なんて言ってたらツッコミが止まらない気がします。
再会、そしてその後のシャンクスとの展開への感動がとても薄れる気がしてなりません。
確かに会って対話はしてないけど、うーんという感じです。この複雑な気持ちがこれを読む方々に伝わるでしょうか…口下手ですみません…
劇場版自体違う世界線として観るべきなのかもしれませんが、だったらこれから原作本編でどんどん注目されるシャンクス関連の物語を描いて欲しくなかったし、娘設定なんて出して欲しくなかったです。ファンを混乱させるだけです。
他にも、
・五老星ってそんなにどこどこ出していい存在なのかしら。天竜人だと推測される(実際そうでなくても)四皇のシャンクスが関連してるからというのもありますが、にしてもトップとしての威厳はどこへやら。「五老星まで動く事態」と表現したかったのかもしれないけれど出した必要性がイマイチ私的には感じられませんでした。
・話の流れがブツブツ途切れる。ミュージカル、バトル、過去、現実世界、仮想空間と大きめの要素が色々ありすぎて全体のテンポが悪い。(その必要性があった設定なのでしょうがないともいえますが)
・ゴードンの人物像が浅すぎる。国王?だったっけか、なんならあの人がウタを操る黒幕とかの方が分かりやすかったしウタも可哀想、、となって好感度上がるし、新しい登場人物少ない割にはあなた結局何ですか?ってなっちゃったなぁ。
・サニーくん可愛いけど登場した割には浅い。もっと何かないのか、、。ただサニー!と言ってるだけのキャラ。サニーに搭載されてる機能とか乗り物系が出せるとかいう能力あれば面白いのにな〜。クードバーストで飛んでってくれるとか。戻った時のエンディングももう少し、、うーん。
・というか小さくなるのはどういう仕組みなのか。仮想空間の設定とか、ウタの技とかがイマイチ分かりにくい。仮想空間でどこまでできてどこからできないのか。何ができて何ができないのか。"ウタの思い通り"といった割には出来ないことも普通にありそう。(これは今作に限らず劇場版にありがちなやつ、描ききれないよねぇ)
・ギア5めちゃめちゃみえちゃってる。連載追いかけてる人やコミックス最新巻まで読んでる人はいいけれどアニメはそこまでいってたかしら。コミックスも最新まで読めてない人いないのかしら。その辺の配慮はしないのね。
今までと大きく変革させようとしてる感じはあったけれど私的にはオマツリ男爵の方が思い切りもあったし1作品として変えた分気持ち悪く面白かったように感じました。今回の映画だったらミュージカル取り入れつつ従来の形でやって良かったように思えたし、ウケもそっちの方が良かったのかな〜。何でこの変革をしたのかがちょっと分からないです。(オマツリ男爵が一緒に話題として上がっていたように感じたので取り上げました。監督のコメント等しっかり覚えてないのでこの件については触れられているかもしれません。)
以上がレビューになります。
映像もとても綺麗で、序盤のカメラワークも工夫されててライブのシーンもとても良くてチケット代分は回収出来ると思います。
ここまで言っといてなんですが、面白かったので☆3.0です。
ただそれでも生まれたモヤモヤした気持ちをどこかで発散したくてここで書きました。今後もきっとモヤモヤが生まれることでしょうがとりあえず一旦。主観まみれです、すみません。
読んでくださった方いらっしゃいましたらありがとうございました。