「細かい指摘は結構出来るけどクオリティ自体は高め」ONE PIECE FILM RED しーぷまんさんの映画レビュー(感想・評価)
細かい指摘は結構出来るけどクオリティ自体は高め
前提として私はワンピース原作は「原作の始まり〜ゾウ上陸(サンジ離脱)」辺りまで読んでいる状態です。
尚且つ尾田栄一郎先生が制作に携わっている劇場版は「ストロングワールド」のみです。それ以前の劇場版はお祭り男爵以外全部見たかな?
(ちなみにストロングワールドは結構つまんなかったです…)
なので思い入れのあるファンの方とは視点がかなり違いますし、多分「楽しめた」「楽しめなかった」どちらの感想だったとしても思い入れのあるファンの方より熱量は少なめだという前提です。
結論から言うと「結構楽しめた」です。
私が読んだ原作時点、及び鑑賞した劇場版と同様に細かいツッコミどころがありましたが、
少なくともストロングワールドの「伏線や世界観が特に活きていない」「言うほどバトルが盛り上がらない」感じはなかったです。
惜しむらくは尾田栄一郎先生監修の劇場版の中で評価の高い「Z」「GOLD」を見てないので、そちらと比べられない事でしょうか?
一応良かったところと良くなかったところを簡単に列挙していきます。
良かったところ
・シンフォギア、マクロスなどの「歌とバトル」をテーマにした題材と描き方の妙
(ここら辺は人によって好みが分かれるかもしれませんし、上の二作ともテイストは異なりますが、こう言うのは個人的に結構好きです)
・コードギアスシリーズの谷口監督起用によって、「世界を支配し得る力の是非と所有者の危険性と苦悩」がわりとワンピースの世界にマッチしている
・バトルとライブシーンの迫力は他作品を見てもなかなかのクオリティに仕上がってる
・Adoの圧倒的な歌唱力と、提供したアーティスト達の個性全開の楽曲
・ルフィの心の微妙な揺れ動きという意外と珍しい描写(?)
(最新話まで読み進めたら珍しくないのかな?でも友人から話を聞く限り無さそうですが……とりあえず劇中ルフィとウタのラストシーンはかなりグッときました)
良くなかったところ
・ウタ…というよりウタを育てたゴードンの掘り下げ不足
(だいぶやらかしてるし、彼が自身の行いを後悔したり、ウタを案じてるわりにそれを補足する描写がありません)
・ウタを劇中の舞台となっている「エレジア」に置いていった動機が薄い…というかシャンクスとああいう別れ方をするとデメリットの方がデカい
(シャンクスの取る行動がウタを育てる経緯以外共感しづらいですね)
・海軍、世界政府が「相変わらず」アホすぎ
(大所帯で来たって言うけど上陸した人数はかなり少なく見えるし、対策を対策された途端アタフタ。相変わらずシャンクス率いる赤髪海賊団にはほぼ抵抗できず、特に「正義の為に非情になる」みたいな大将サカズキの理念も通せず、藤虎に顕著な民間人に危害を加えたくないという葛藤も見られず……五老星の「成り行きを見守ってアタフタしてる感じ」は原作を読まなくなって5年以上経ちますけどお変わりないようで笑ってしまいましたw)
・ラスボスであるトットムジカの存在や倒し方が判明するまでの駆け足感
(一味全員捕らえておくより、ルフィだけ捕まって味方が奮闘する+ルフィもローに助けられて味方と合流、ってシンプルな方が一味を描写しつつ「段々と張られた伏線が回収される」形になった気がします。長くなるけどね。)
・シャンクスとウタの「親子関係」をめぐる種明かしが結構普通(強い絆や愛憎関係というのは結構描かれてたけど)
とまあ、主に脚本やキャラ描写に文句をつけて、演出や「今まであんまり見た事なかったキャラの描き方」みたいなものに好感を持ちました。
良くなかったところは鑑賞しててすぐにノイズになるようなものはほぼ無かったですし、後から気付いたのでレビューしてますけどこういう細かいツッコミどころって原作含めてワンピースという作品自体に元来存在してるものですよね?
なのでそこら辺は古参の元ファンという立場からして明らかにがっかりするようなエピソードでは無かったです。
「傑作!」とは言いませんが、色眼鏡をかけて見なければチケット代分は楽しめると思います。
馬場さん
ご丁寧にありがとうございます。
ん〜一般ユーザーからのレビューを募る以上、(公序良俗違反を除き)レビューに決まった形はありませんから、「面白かった」「つまらなかった」で星付けても何も問題ないと私は考えています。
(何なら理路整然と答えているような方でも「あれ、もしかして40億巻読んでないなこの人…?」とか思ったりもしましたし)
普段はぶっ飛んだ事も書くのでまともかは自信無いんですが…wご参考になったなら嬉しいです。