「人は選ぶが間違いなく過去最高の作品。」ONE PIECE FILM RED どらやきさんの映画レビュー(感想・評価)
人は選ぶが間違いなく過去最高の作品。
個人的には、これまでのワンピース映画で圧倒的に、桁違いに好きな作品だった。
過去作品の定石から外れた要素を多く含むため、「シャンクスの娘でありルフィの幼なじみ」というウタの存在自体に良い印象を持たなかった方にとっては気に入らない部分が多かったかもしれない。
だが、本作は決して「駄作」ではない。
自分の好き嫌いと作品の出来とは必ずしも比例するものではないからだ。それを理解せずにただ気に入らないからと駄作と切り捨ててしまうのは少し勿体ない。「感想」と「評価」は別なのだ。
自分はたまたま今作が好きだったので心置きなく褒めちぎることが出来るが、もし今作が気に入らなかったとしても「駄作」であったとは思わないだろう。それほど素晴らしい作品だった。
すでに作中最強クラスの力を持ったルフィがそれでも「倒せない」相手としてウタを出したことも、まだ出会えないシャンクスとルフィの関わらせ方も、原作ファンを震撼させるような情報の出し方も、すべてがこれまでの映画ではなし得なかった要素だった。
事前の宣伝で「可愛いヒロイン」としてのウタを異常なほど強く推していたのも、実に巧妙に仕組まれた罠だったのか。彼女が少しずつ正気を失っていく様を見ながらそう感じた。
彼女が最後に死んでしまうことなど、映画を観る前の誰が想像しただろうか。
間違いなく過去最高の出来と言っていい作品だった。これは強く断言できる。
作中にルフィは一回もウタちゃんのことを倒す、とかウタ世界からどう出る?とかいう目的で動いてなく、どうしたらウタを助けられるのか?で動いていたのがとても良かった!たしかに今までとは異色な作品だけど、一本の映画として、エンターテイメント的にもストーリー的にもとても出来の良い映画だと思いました!