「残念でならない」ONE PIECE FILM RED たかふとまんさんの映画レビュー(感想・評価)
残念でならない
ウタちゃんのことは鑑賞前はかわいいし歌上手いし好きだったけど、鑑賞後は闇落ちした思い込みが激しい残念な人という印象になってしまった。ルフィやシャンクスと再会することによる心の成長みたいなものが見たかった。真実を知った後の葛藤みたいなものが欲しかった。もっと感動させて欲しかった。映画公開前に見た配信動画に対する印象を良い意味で変えて欲しかった。
歌を連続で歌い過ぎ。歌ありきの内容なのは分かっててもちょっと主張が強すぎると思ってしまった。ワンピース映画を見に来た客を歌で出迎えるくらいでいい。要所要所で歌うくらいでいい。歌だけで全部感じ取ってって言われているみたいで自分には合わなかった。こっちまで眠らされそうだった。曲自体は全部いいだけに、うーんって感じ。
ミニキャラ化されたキャラたちが何のためにミニキャラ化されたのかが分からない。映画でしか見られない特別な姿を見て楽しめるのはいいんだけど、もっと意味を持たせて欲しかった。尾田さんのインタビュー動画か何かで媚びるようなキャラは描きたくないからチョッパーをマスコットにする予定はなかったみたいなこと言ってなかったっけ。
麦わらの一味の活躍をもうちょっと見せて欲しかった。夢と現実の同時攻撃がしれっと出てきたけど、ロビンたちが調査の末に見つけ出してルフィたちに伝えるでいいじゃん(記憶違いならすみません)。サンジがキノコを見つけた時、取り除くだけじゃなくて注意喚起してもよかったんじゃないか。唯一ブルックのパンツのネタだけは笑った。会場も笑ってた。
とにかくとっちらかってて説明不足という感じが凄かった。後半から盛り返したという評価を散見するけど、自分の場合はもう手遅れで気持ちがどうしても乗ってこなかった。本来ならあのキャラとあのキャラの夢の共闘に興奮して楽しめるはずなのに、物語に引き込まれないから全く楽しめなかった。こんな気持ちで夢のような共闘シーンを見たくなかった。もっと丁寧にウタの葛藤や苦悩を描いて感動させてくれれば、戦う理由が分かった時に高揚させてくれれば、ワンピースの世界観に合わないまどマギみたいな敵の登場もキャラの渋滞も許容できたのに。本来ならウタ…マジかってなって、今回のボスはこいつか、どうやって倒すんだってなって、夢と現実で攻撃しなきゃってなって、現実世界ではシャンクス達が戦うことになってここで戦うシーンが見られるのかあって興奮して、2人が再会するのかしないのかハラハラしてたけどそう来たかってなって、田中真弓さんの言ってたその手があったかにも納得できて、そのまま興奮しっぱなしで、最後は大団円とはいかなくてもそれが彼女の選択なら悲しいけど仕方ないってなって、彼女の想いを胸に次の冒険に繰り出すみたいな感じで満足できる内容になれたと思うんだけどなあ。