「最強のOP映画かも。」ONE PIECE FILM RED kouさんの映画レビュー(感想・評価)
最強のOP映画かも。
ワンピース 劇場版は、全作視聴しているが、
今作は最新最強だった。
確かに、ウタの歌唱シーンが長くpv的演出も続く為、前半部分は映画としてダレる感覚が多少ある。しかし、ウタの能力が分かると、それが能力を通して魅せられていたものと言う構造なので問題はないだろう。
もちろん、シャンクスの行為は、ウタを捨てた事には変わりない。
そこが若干のモヤモヤポイントではある。
「海賊と一緒にいると危険」なんて彼女には分かっているはずなのに、ウタの才能と脅威をゴードンに預ける選択をした事は彼女には許せないだろう。ましてや信じていた父親に裏切られた形だ。それでは救われないだろうし、そりゃあ世界を幸せに滅ぼしたくもなるでしょうよ……。
シャンクスのダメな父親ぶりはあるにしろ、ストーリーの破綻はほぼ無い。
ただ、一部設定の矛盾は劇場版なので出て来てしまう。
・時系列で言えばワノ国前なのだが、ジンベエと合流しているパラレル的な時系列になっているのだが、これは映画あるあるなのでまぁ良いだろう。あえてビックマムを出す事で、ワノ国より前だよと伝えてくれているのだと思う。
・エレジアの位置が、設定画だと「東の海・南の海・偉大なる航路前半・凪の帯」なのだが、新世界にいるはずなのに、どうやって来たのだろうか? その辺りは、テレビ版の追加エピソードで保管されるのだろうか?
劇場版は色々なキャラクターが集まるのが醍醐味でもあるのだが、そのあたりはスタンピードあたりからグダグダになりがちだ。まぁ映画はお祭りですしね。
さて、
本作ヒロインのウタだが、
歌唱や各シーンでのルフィとの絡みを見ると、とても良い可愛らしさが描かれている。
これは正にアイドルとして好きになるようなキャラクターだった。
ここまで愛されるようなキャラクターを生み出して、それを使い捨てるとは……ワンピース 、恐ろしい子……。これが劇場版の宿命か……。
アクションシーンの出来も良く、色々なキャラクター同士の共闘のようなシーンがとにかく格好良い。
ジンベエとフランキーのは格好良かったなぁ。
もちろんシャンクスとルフィの擬似共闘シーンは、とにかく最高だ。一足先に動くギア5も見れたし満足満足。
※ギア5が出るので、時系列破綻と言う方もいるみたいですが、能力と精神が釣り合うと覚醒するとの事なので、あの瞬間に精神が能力に追いついたと考えればセーフかと。
あとオマケの小冊子にサラッと重要な新情報ぶち込んでくるのがエグい。ワンピファン必見の世界観広がるフレーバーの数々。
……シャンクスの生い立ちをここで書くんかい。
この映画を酷評している人は、ワンピースかAdoの歌が嫌いな人なのだろう。さすがに前者は観に行かないだろうから後者か。
…いや、Adoの歌、良かったじゃん。
若干キャラボイスとズレる所はあったかも知れないけど、心情とストーリーと曲が重なるような作りになっていたし。(歌詞が伝わり辛い所があるのは……まぁミュージカルではなく、ライブの曲ですしね)
本作の題材では、この現代時代世代として最強の采配だったでしょう。
文句ある人は何を求めているのやら……。
最後に、
クリエイター陣の尽力と、それを一つの作品としてまとめた谷口監督の手腕、流石です。
ただ、ラストのルフィの台詞は、元気よりよりも、芯を捉えるような印象で終わって欲しかったかなぁ。
それでも、ワンピースの最高さを感じる作品でした。
p.s.
個人的に演出で好きだったのは、海軍上陸時の無線が飛び交うシーン。あそこだけ別アニメかなって思ったわ。
総合的に、ワンピース の映画の中でもトップクラスの作品でした。
ウタ、本誌で復活してくれないかなぁ……。