「長期連載漫画の新時代?」ONE PIECE FILM RED ますぞーさんの映画レビュー(感想・評価)
長期連載漫画の新時代?
ワンピース
自分はたぶん5巻くらいまでしか
読んだ記憶がない漫画
ただ連載は未だに続いているようで
まぁ人気次第でどこまでも
引きのばすジャンプだからなと
思いつつ噂を聞いてると
だいぶダラダラしているようで・・
前作のスタンピードも
一応観に行ってみましたが
なんだろう
尾田先生はキャラクターデザインが
とにかくやりたいだけ?
みたいなキャラクターの乱発に
収拾がつかなくなってないか?
というしっちゃかめっちゃかな
内容に感じて印象は薄かった
まぁそんな認識だったので
今作も食指はそう伸びな・・
と思ったのですが
今作は令和の歌姫とも呼ばれる
若干19歳の超新星Adoに
中田ヤスタカほか
澤野弘之・秦基博ほか
楽曲提供に大集結!?
あればそれ面白いじゃんと
興味も持つもので
観に行っちゃえと言う感じでした
でどうだったか
この楽曲構成は
劇場版ワンピースにとっては
非常にカンフル剤として働き
劇場版らしくお祭り感覚で
作られていたと思います
スタンピードより
キャラも動いてたんじゃないかな
世界を魅了する歌姫「UTA」の
コンサートに呼ばれる
いつもの麦わら海賊団ご一行
ところがUTAはルフィの幼馴染で
なんとシャンクスの娘だった
という衝撃の事実
世界各国の機関に危険視される
UTAの能力とは何か
シャンクスの娘でありながら
海賊を忌み嫌うUTAの真実とは・・
といった感じ
そのUTAの能力とは
その歌を聞いた者を眠りに誘い
夢の世界に連れていく事でUTAが
思い浮かべる争いも仕事もない
何でもできる自由な世界を
「新時代」として世界中の
海賊らのせいで困窮する人々に
提供する事
・・これって要は
YouTubeから人々を感動させ
令和の歌姫になったAdoそのもの
じゃないでしょうか
実在性を明かさないまま
仮想的に人々を夢中にする彼女
今作でその魅力は中田ヤスタカらの
楽曲によってブーストアップ
しています
不特定多数の人々に視聴され
様々な感想をもらう中で
YouTuberらはより期待に応えようと
する中で無理をしていたら
一体キャリアがどうなってしまうのか?
といった現実に即したテーマを
感じました
生きがいだとか色々言われる
わけですから場合によっては
命を削ってパフォーマンス
し続けるような事になって
しまうわけです
そして場合によっては
こんなに期待に応えようとしている
のに理解しようとしないファンへの
敵視といった部分まで
入り込んだものでした
・・こんな感じで
ぶっちゃけワンピの世界観は
下敷きと言っていい作品でした
ここが原作ファンには
抵抗があったのかな?
そう思い入れがない自分には
へー面白いじゃんと思って
見てしまいましたが
逆にそうした部分に批判が
集まるあたり原作のファンに
停滞感がよほどあるのかなと
感じ取ってしまいます
こういっては何ですがワンピは
もう原作は終わらせてあげて
こうした劇場版展開に絞った方が
いいんじゃないでしょうかねと
思ってしまったり
UTAが作中でルフィに
海賊なんかやめなよと言う
シーンがあるのですが
いやもうある意味やめてるような
もんじゃないのとツッコんで
しまいたくなりました
UTAとエレジアの荒廃の理由も
なんだか無理矢理感あるし
シャンクスの「海賊観」が
どんどん薄くなっていってて
結局災難が起こる事しかやってない
気もする部分もありますが
あっそうかルフィもシャンクスも
義賊(権力者から窃盗を働き富を
配るなどし民衆に支持される賊)
ではないのかと今更気付かされたり
UTAのようにポリシーや熱意をもって
行動する存在に脅かされてませんか
と思ってしまいます
UTAのこの信念に対して
ルフィ達が目指してる海賊王って
なんですか?
と言う漠然とした問題
でも序盤のUTAの「新時代」
歌唱シーンは圧倒されますし
バトルの作画はここ最近の
ジャンプ映画よろしく
非常に気合が入ってます
自分のようなあんまりワンピースに
詳しくない人こそおすすめできる
作品かもしれません
それが原作ファンにはいいのか
どうかわかんないですけど
劇場版はこれくらいテーマ性
もって作っちゃった方が
個人的にはアリだと思います