「グレーの濃淡」ギャング・オブ・アメリカ MARさんの映画レビュー(感想・評価)
グレーの濃淡
落ち目の作家ストーンが、伝説の悪党マイヤー・ランスキーの伝記を書くことになり、未だ知られざる彼の真実に近づこうとする物語。
作品としては、ランスキーをインタビューを通した回想シーンを基に、ストーン自身が抱える問題やランスキーの真相を掴もうとするFBIからも圧力をかけられて…といった展開で進んでいく。
バルト9のこの枠なので、B級アクション的なものを想像していたが、とにかく濃厚なドラマ作品。
序盤、ランスキーやベンの行動は悪党そのもので、何故こんな奴らがのうのうと外を出歩けているのか、なんて思ったりもしたが。。
悪党と政府の関係…。昨今でも、汚職やらなんやらを確実にやっていると思われる連中が逮捕されないのも、単に立場や金を持っているからってだけじゃなかったりするのかな…。そんなことを考えてしまった。
皮肉にも、悪事って多量の利益を生み出しやすかったりするんですよね。
内容としては、ランスキーらが悪いことをしながらのし上がっていき、更なる問題にぶち当たり…というのは何となくわかるが、登場人物の多さや会話の内容からして、ワタクシには細部までは読み込みきれない難しさがあった。
そんな中でも、危ない橋を渡るストーンの緊張感や、ランスキーの本当の想いが垣間見えた時には胸がアツくなった。始まりはわからんけど、ビジネスに執着したのは、どうにか良い人生を…と思ったんじゃないかな。それもこうなってしまったら…。
いくつもの悪事を重ねた男の生き様と、それでいて勝者のいない現実に打ちのめされた気分になった。
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