配信開始日 2022年10月14日

「ディズニー版の悪役令嬢もの」ロザライン 杉本穂高さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5ディズニー版の悪役令嬢もの

2022年11月30日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

なろう系などで人気の「悪役令嬢」ものっぽい物語だった。ロザラインは『ロミオとジュリエット』に登場するロミオの元カノで、ジュリエットに恋人に奪われてしまうというポジション。それが気に入らないロザラインは色々と策を講じて2人を別れさせようとする。ジュリエットはいかにも従順な女性で、男尊女卑の世界で男に好かれそうなキャラクターとして描かれていて、悪役令嬢ポジションのロザラインは、自らの意思で行動する活発なところが生意気だと貴族連中に思われている。
なろうなどで有名な悪役令嬢ものの多くがこういう男尊女卑的な世界に転生する話である。乙女ゲームの主人公とメインの男の恋が成就すると破滅してしまうポジションだから、能動的に行動して「貴族女性」らしからぬ行動を取って自らの運命を変えていくのが悪役令嬢ものだが、本作もロミオとジュリエットのよく知られた運命を変えることで、自分の運命も変わっていくという展開になっている。昔の物語の従順なヒロインよりも反抗的な悪役の方が現代の価値観に適しているいうのは日米とも同じらしい。

杉本穂高