「グローバル経済の構造問題がこの悲劇を生んでいる」ムクウェゲ　「女性にとって世界最悪の場所」で闘う医師　杉本穂高さんの映画レビュー（感想・評価）

ノーベル平和賞も受賞した今後のデニ・ムクウェゲ医師をTBSの立山監督が追いかけたドキュメンタリー映画。ムクウェゲ氏の活動を追いかけるだけでなく、今後で性加害が多発する背景も丹念に取材している意欲的な作品だ。
端的にいうと、グローバル経済の構造問題によって、今後に争いが絶えず、そのせいで女性たちが被害に遭っていることを明らかにする内容になっている。レアメタルの産地であるコンゴで、金になるそのレアメタル利権をめぐって武装勢力が争っており、それぞれの勢力が自らの権勢を示すために性暴力に走っているとこの映画は伝えている。

元武装勢力の男性にまで取材しているのが本作のすごさ。一面的なものの見方をせずに多角的に世界経済の根深い問題が横たわっていて、日本も無関係ではないと説得力を持って描いている。
こういう丹念な取材ができるテレビ局の取材力はやはり高いなと思わされる。