「肩の力を抜いて親子で観ましょう」ツリーから離れて おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)
肩の力を抜いて親子で観ましょう
「ミラベルと魔法だらけの家」の前のおまけ上映として鑑賞しました。本編前のおまけは、お得なときもありますが、邪魔なときもあり、微妙な存在ですが、本作はなかなかおもしろかったです。
物語で描かれるのは、海辺の巣穴で暮らすアライグマ親子。好奇心旺盛で巣穴を飛び出して遊びまわりたい子供と、我が子を守るために巣穴から出ることを厳しく制止する親の姿を通して、子育てについて考えさせます。セリフは一切ありませんし、今どきのディズニーらしくない、昭和っぽい絵柄ですが、言いたいことは手にとるようにわかります。特に子を持つ親には、強く響くのではないでしょうか。
親として子を守りたい気持ちはよくわかります。先のことを考えて、ついつい口やかましくなることもあります。しかし、子供には子供の考えや思いがあり、それを汲み取ることなく頭ごなしに叱ってばかりではダメ。子供の考えや思いをよく理解し、それに寄り添い、一方で親の思いも子供に理解させる努力が必要なのではないかと思います。
子供だったアライグマはやがて親になり、初めて自分の親の思いを知り、それとは違う接し方で我が子と向き合います。「子供は親の言うようには育たない。親のするように育つ。」と言われます。このアライグマから、子育ての好例を見せられた気がします。
観客に子連れの母親が多かったのですが、親にとっても子供にとっても、親子のあり方の参考になったのではないでしょうか。
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