「旅の者」赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。 U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
旅の者
諸国を旅し事件を解決していくスタイル…まるで水戸黄門のようだ。
今回は「シンデレラ編」というとこだろうか?
なかなかに意欲的な布陣で…
世界的な寓話を元に、とても可愛いらしい主人公が、聡明な推理で事件を解決していく。
Netflixにはうってつけのような構成だ。
今や立派なコメディエンヌである橋本環奈が主演であり、ビロードの赤いコートが良く似合い可愛いらしくも、美しい。
そう、そんな彼女は卓越した顔芸の持ち主でもあり、海外の視聴者にはカルチャーショック級の衝撃度かもしない。あんな可愛い子が破壊力抜群の変顔を披露する。
…それだけでも印象に残らないはずはないと思う。
おそらくシリーズ化も視野に入れつつ福田組のレギュラーキャストは、全話に出演するのであろう。
キーマンは外せないのだと思う。
というか…笑いの部分をキーマン達に託してるようでもあった。物語自体はコメディでもなく、コメディタッチなサスペンスなのである。
これがなかなか微妙な配分で…音楽とかにオマージュっぽい部分が入ってて、悪ノリ感を感じてしまう。だが初見の人々にはダイレクトにも届くのだろうと思う。
古畑任三郎を知らない人達に。
かの名作を見ていた世代の俺からすれば、肝心のパートが盛り上がらない…いや、そのオマージュっぽさが邪魔をするのだ。
推理物としては、まぁ、脱線する部分も多々ありみづらくはあるのだけれどネタ晴らしは面白かった。
犯人はまさかの!?なのだ。
淡々と犯人を追い詰める赤ずきんは変わらず、可愛く美しい。コアなファン層が開拓てきそうにも思う。
セットにも衣装にも予算は割かれていて、そこそこにゴージャスな感じはあるのだけれど、気に入らないのが照明と色味だった。
メインキャストの顔に不必要な影が出てるとかありえないだろうと思う。
色味は結構薄めで、テレビのような色合い。
もっとちゃんと映画っぽく落とせば、物語の性質と相まって格式も出せたのかもしれない。
俳優陣の芝居の手助けにもなったかも。
なんか安っぽさを感じる色味だった。
案外、何かの延長戦で参加してるように思われる俳優陣もチラホラいるのだけれど、そこそこ勝てる要素は詰まっている作品で海外の反応が楽しみでもある。
鑑賞後、スパイキッズの予告が流れてきたのだけれど、色味が渋くて、目に馴染んだ映画っぽさだなぁとおもった。