「【“これが、余の国の形か。美しい・・、と家斉将軍は言った。”伊能忠敬”達”が、命を懸けて”大日本沿海輿地全図”を作った訳が、良く分かる作品。時代劇と現代劇とのミクスチャー度合いも宜しき作品でもある。】」大河への道 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【“これが、余の国の形か。美しい・・、と家斉将軍は言った。”伊能忠敬”達”が、命を懸けて”大日本沿海輿地全図”を作った訳が、良く分かる作品。時代劇と現代劇とのミクスチャー度合いも宜しき作品でもある。】
ー 序盤の香取市役所総務の池本(中井貴一)達が、郷土の偉人、伊能忠敬を大河ドラマにするプロジェクトを市長の意向で立ち上げ、20年以上も脚本を書いていない頑固な加藤(橋爪功)を訪れる様を、コミカル要素を塗して描くさまは、やや空回りしている感じがして、少し心配になる。
だが、舞台が江戸後期に移ってからは、面白く鑑賞した。(少し、ホットする・・。)ー
◆感想
・令和の現代劇と江戸期の時代劇を交互に構成しながら物語は進む。面白かったのは、出演俳優が、(現代と江戸期の時代劇で役柄は当然違うが)演じていた事は、斬新だったなあ。
- ”中井貴一さんは、洋装より、和装の方が絶対に似合うよなあ”と思いながら鑑賞続行。-
・時代劇の比率が大きくなり、冒頭に描かれた伊能忠敬が亡くなってからも、”大日本沿海興地全図”を3年掛けて、幕府の勘定方へは”伊能は生きている”と言いながら、地図作成を続ける伊能の遺志を継いだ人々の姿。
- 彼らは聞いていたのだろうなあ・・、晩年の伊能忠敬の想いを・・。”
諸外国に負けない技術力が、日本にはあるという事を示さなければ日本は早晩、植民地にされてしまう・・。”
伊能忠敬が、最初に蝦夷の地図を制作した意図が良く分かる。-
・そんな中、勘定方の中には、伊能の生存を疑うものが出て来て・・。
- あのねえ、そんな小さな考えでは、列強には歯向かえないんだよ!伊能忠敬が遺した想いを理解しなよ!-
■少し、残念だったところ
・物語展開が、やや粗いし、ストーリーが単調になる箇所が幾つかある。
例えば、西村まさ彦が演じた役柄の描き方や、エイ(北川景子)の抱えていた背景などである。
■興味深かった所
・これは、矢張り江戸期の地図製作の数々のシーンである。歩幅で距離を測り、定規、測量器具を使い、気が遠くなるほどの作業を延々と行うシーン。
そして、そこで得られたデータを紙に手で書き写し、夜遅くまで、地図にしていくシーン。
伊能の遺志を継いだ”名もなき人々の姿”は沁みるなあ・・。
皆、使命感を持った良き顔をして、作業に没頭している。
<そして、到頭”大日本沿海興地全図”は完成し、伊能の遺志を引き継いだ高橋景保(中井貴一:ニ役)は、江戸城大広間で、将軍家斉(草刈正雄)に拝謁する。
勘定方の箴言を止め、家斉が”伊能は存命なのか・・、”と聞くシーン。
高橋は答える。”はい、次の間にて控えております・・。”
そして、家斉が次の間に足を運ぶとそこには、大きな大きな日本の地図が、大広間一杯に広げられている。
家斉はその地図を見て言う。
“これが、余の国の形か。美しい・・。大儀であった・・。”
ここのシーンは、沁みたなあ・・。
伊能忠敬は、死しても尚、列強が迫る幕末期の日本の未来を案じて、高齢にも関わらず全国に足を運び、”大日本沿海興地全図”を作り上げたのだ、と忠敬のボロボロの草鞋を見て、私は思った。
矢張り、伊能忠敬(ちゅうけいさん)は、近代日本の発展に貢献した偉人だったのである。>
ここ数週間ペース落ち気味ですが今年は我ながらちょっと観過ぎですね(^_^;)
数えてみたら既に230本超えてました…イクラツカッタンダロウ(´Д`)