グリーンバレットのレビュー・感想・評価
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How to become 殺し屋
それぞれに個性というか社会不適合性を抱えた少女たちが殺し屋という最終最後のセーフティネットの上で華麗に花開いていく過程を描いた作品。前作である『最強殺し屋伝説国岡』や『ベイビーわるきゅーれ』等では既に殺し屋を生業としている者たちにスポットが当てられていたが、そういえば殺し屋って具体的にどうやったらなれるもんなの?という野暮な疑問がないと言ったら嘘になる。なのでこうして殺し屋への道程をつぶさに描いてくれたことは阪元映画好きとしてかなりありがたい。
登場人物たちの絶妙に噛み合わないディスコミュニケーションぶりはもはや阪元映画のお約束といった感があり、今作でもシュールで気まずい間を存分に堪能させられた。
ただ、やっぱり上手いなと思うのは、そういったコミュニケーションの空転ぶりを精緻に描き出しながらも、同時にそこへ暖かな眼差しが込められていることだ。殺し屋志望の少女たちは言い方は悪いがはじめこそ本当にキツい奴ばかりで、なろう系のイキリオタクみたいな奴とか人と携帯ばっか見てて目を合わせられない奴とかあまりにも軍隊めいた規範意識で動いてる奴とか、目も当てられないような社会不適合者たちが互いを見下し、見下されながら国岡先生と真中先生のグダグダすぎる殺し屋講義を受ける。しかし話が進むにつれ、互いの壁はそれとなくやんわりと(ここが大事)寛解していき、最後には「みんなでバーベキュー&カラオケ」という大団円を迎える。冷笑芸をやりつつも決して突き放さないバランス感覚が心地いいし安心できる。
一方で他者へのリスペクトが初めから欠如している人間に対しては容赦なく冷淡なのが面白い。胡散臭いスタートアップ企業の社長や遊び半分で殺人を行う協会非所属の野良殺し屋たちがいい例だ。彼らが乱れ舞う銃と暴力によって情け容赦なく殺されていくのはかなりスカッとする。
これだけ真っ直ぐスカッとできるのはたぶん、本作における善悪倫理の水準が世間一般的なものではなく、監督個人のものであるからだと思う。そういう時代だから〜とか公共の倫理に反したらいけないから〜とかじゃなくて、俺が救いたいから救う、俺が殺したいから殺す、という監督個人の意向だ。『黄龍の村』なんかもざっくり言ってしまえばオタク(監督)によるウェイへの復讐譚だし。ただ、そこに説得力を付与できるだけの技量があるから嫌な感じがしない。
あとは国岡先生の主人公らしからぬアタフタぶりもよかった。年端もいかない少女にご高説を垂れたり『エクスペンダブルズ』を勧めたりしちゃうあたりはザ・恋愛下手といった感じで情けないことこの上なかった。ただ、ラストシーンで少女たちの間に生じた不可侵の連帯関係を感じ取ってそれ以上の干渉を控えたのは可哀想だけどカッコよかった。その思慮深さが良くも悪くもアンタなんだよな…と深く頷いてしまった。
前作よりはマイルド
2022年劇場鑑賞202本目。
前作最強殺し屋伝説国岡は劇場で鑑賞済。この監督の作品、人の死が軽く描かれすぎていて毎回カタルシスを感じられないんですよね・・・。
殺す理由は金の為だけど殺される理由は希薄で、たまに分かっても殺されるような罪があるわけでもない人が結構多いです。
元々殺し屋の密着取材撮影ドキュメンタリーという設定が無理があります。普通に殺したら警察に捕まる世界で、殺しを見られた口封じで一般人を殺すこともあるのに映画館で公開するのはおかしいんじゃないですかね・・・。
今回は一般人らしい人は多分出てきていないのでだいぶマイルドにはなっています。
とはいえ今回殺し屋見習いのミスマガジン2021の娘達は結構キャラがたっていて、特に声のでかい子は好きでした。一人一般人か?という子もいましたが・・・。
後はこういうアクション映画で必ず意味もなく強い敵っていますよね。今回の敵もそんなパターンがいるのですが、無抵抗の人をいたぶることしか出来ない臆病者があんな強いのはおかしいと思いました。
日常と非日常が一緒にあるのがうまい
《ベイビーわるきゅーれ》級を期待してしまったんだけど、そこまでは届かないの。
でも「殺し」っていう非日常の世界を、完全に日常の世界と混ぜて描いていく面白さは一緒で、そこは面白かったよ。
アクションも一部キレがあっていいね。
阪本監督の作品が公開されたら、また観に行こうと思います。
合宿っていいね
合宿ってみんなが仲良くなれるからいいね。
撮影現場も楽しかったんだろうな。
忘れてたころにタイトルが出て(かっこよかったな)
あ、最強殺し屋伝説国岡見てたんだって思い出した。
ドキュメンタリータッチでまたいくのなら、板尾さん出さない方が良かったんじゃないかな。
みんなかわいいし、楽しかったからいいか。
ベイビーわるきゅーれの続編も楽しみ。
茶番が長い
退屈で死にそうになった頃にやっときたよ。ここまでの80分を帳消しにしてくれるカタルシス。いくらなんでも前フリが長い。
この女優さんたちに全く興味がわかない自分にとっては、コントにもなっていない茶番は苦痛でしかない。合宿パートは20分で十分じゃないの? ラストのアクションがよかっただけにもったいない。
ちょっと惜しい
この監督の持ち味である、会話劇のゆるゆるさとアクションのキレ具合の落差は今回も健在。
ただ、やはりミスマガの6人がメインであるためか、会話劇に尺をさきすぎな感があるのと、アクションもどうしても抑え気味。
特にクライマックスはさすがにご都合過ぎ…と感じてしまいました。
国岡は文句なしなんですがね…
ベイビーわるきゅーれほどの秀作とはいきませんでしたが、それでも楽しく観れましたのでこのスコアで。
飯盒は炊飯じゃなくて炊爨です。
「最強殺し屋伝説国岡 完全版」の続編で、国岡がプロの殺し屋を目指す若い女の子達の指導員をする話。
東京で1年前に起業された協会に加盟していない会社からの依頼を受けて、6人の女の子の合宿指導に乗り出すストーリー。
今回は国岡ではなく女の子達がメインという扱いではあるけれど、はしゃいだりガチガチだったりとちょっとノリが色々な方向にわざとらし過ぎる。
コメディとしては間違いではないのだろうけれど、前作は力まず飄々とナチュラルな感じが面白かったのに。
国岡にしても少しノリノリ過ぎるし。
これはこれで愉しかったけれど、期待した感じとちょっと違ったし、仲間側だってここまでムリヤリ残さずしれっと殺っちゃえば良かったのに。
アクションのスピード感はさすが!
この前「バイオレンスアクション」を観て思ったのは、ゆるゆるな殺し屋の映画は、邦画だと「ベイビーわるきゅーれ」が最高峰だということ。ゆるい会話と日常生活、そして殺しのシーンへの切り替えの凄さ。その阪元裕吾監督の最新作。前作の殺し屋国岡の世界観を活かした続編だ。
国岡のアクションはたしかにすごい。格闘シーンのスピードがハンパない。これだけでも観に来てよかったと思える。でも、後半の盛り上がりまでがちょっと長く感じてしまった。それは殺し屋を志願した6人の女の子たちを鍛える合宿生活を描くという設定だからなのかも。6人の物語をそれなりに触れていくと尺をとってしまうのも仕方がない。
あの6人のやりとりを微笑ましく観られるか、流れが悪いなと思うかが評価の分かれ目のような気がする。個人的にはあまりハマらなかった。
続編といえば「ベイビーわるきゅーれ」の方に期待したいところ。
前作からの確実な進化を体感できる
前作は、特にアクションシーンの間延びした感じが気になったが、今回は、モキュメンタリーという手法を踏襲しつつも、カメラワークや編集をフィクションに寄せているため、随分と観やすくなっている。そのせいか、アクションだけでなく、ギャグの方も、キレが良くなったし、洗練された雰囲気さえ感じられる。
内容的にも、殺し屋候補生の5人のキャラがしっかり立っているのが良い。アイドルなのにハードなアクションの撮影に挑んだ彼女達の現実の姿が、殺し屋育成の合宿を取材したという設定に、見事にはまっているし、「ベイビーわるきゅーれ」を彷彿とさせるグダグダした感じを描くのには、むしろモキュメンタリーの方が適しているのではないかと思ってしまった。
「かえすがえすも「バイオレンスアクション」は阪元裕吾に撮ってもらいたかった」と思うのは、私だけだろうか・・・
ユルく可愛い
伊澤彩織さんのようなアクションは出てきませんが、「ベビわる」のユルさと可愛さが凝縮されたような展開は、まあオッケー。最後の決戦はカッコ良かったです!が、そこに至るまでがちょっと長かったです。。
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