コーダ あいのうたのレビュー・感想・評価
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音楽教師の1989年卒業の意味は…
英国映画「リトル・ダンサー」に心打たれた
観客は同じような感動を得られたのでは
ないだろうか。
苦しい生活の中でも、才能ある子供を
より高度な世界に送り出す構図は一緒だ。
キネマ旬報の読者部門での第1位に
選出された作品が早々とTV放映されたが、
短縮版だったような印象だったので、
改めてDVDレンタルして鑑賞した。
「CODA」が聴覚障害の親を持つ子供のこと
を意味することを初めて知ったし、
こういった作品が、健常者と障害者の
意識疎通の障害を取り除く力をなることも
期待させられた。
この作品が心地良いのは、
聴覚障害の家族に日常生活の中での卑屈さを
感じないことだが、
一方で、現状の難しい生活の中では、
娘はかけがえのない家族の支えだ。
実は、家族は彼女の歌声を知るすべもなく、
合唱サークルの発表会のシーンで、
監督は観客に、
家族の“沈黙の世界”を我々に示した。
そんなハンディの中でも、
その才能と歌への想いを
徐々に理解をして、
彼女を音楽大学に送り出す。
家族だからこその想いが私にも共振して、
ラストの家族との別れのシーンには
号泣させられるばかりだった。
それにしても、音楽教師の存在は
この作品のテーマに関連して
意味深に感じる。
大学入学試験での主人公に、
改めて音楽への想いを思い出させるために、
わざと伴奏を間違える機転には頭が下がり、
また、彼の大学卒業の年を
ベルリンの壁崩壊の1989年にしたのは、
この作品で触れる、健常者と障害者の垣根や
貧富や教育格差を打破したいがための
象徴として設定したのではないかと
想像したが、どうだったんだろうか。
また、「青春の光と影」の歌詞は、
この作品のテーマにフィットする
見事な選曲に思え、
感動を後押ししてくれた。
「言葉にできない」愛
コーダ(Coda)とは、耳の聞こえない「ろう者」の両親に育てられた子供の事を言うそう。
両親、兄も先天的に耳が聞こえない家庭で育った少女の愛の物語。
いやー、泣いた。
家族愛に弱い私なんかにはぶっ刺さりの映画でした。
そしてそんな少女が歌を生業に生きていこうというのだから、それだけでもう面白い。
手話って凄く良いな、と、健常者だからこそ思えるのかもしれないが、よりそう思わせてくれる素敵な映画だなと感じました。
こういうテーマを取り上げると、どうしても重たいストーリーになりがちな中、ちゃんと笑えるシーンもいっぱいあり、ちゃんと最後には泣かせてくれるんだから、もう最高です。
もう家族が皆それぞれを愛してるんだなっていうのが節々で感じられて、本当に温かくなる映画だったなー。
やはり主役のエミリアジョーンズの歌唱力は凄まじく、演技力も持ち合わせているお陰で、しっかり作品に感情移入出来る点も◎。
また映像美も素晴らしく、音がなくても感動出来るようになっている気がして、かなりの良作だと思った。
何度見てもきっと感動するし、心が温かくなる。
そんな映画でした。
高校生、家族を背負って生きる辛さ
仏版のオリジナルは鑑賞済み。そちらもすごく感動的でおもしろかった!!
仏版は下ネタが過激でおもしろさもあるけれど、ちょっと刺激強めなので、こちらの方がおすすめ。
あと、年齢が三歳違う。仏版は中3でこちらは高3。その違いは大きい!
中学生が自分を犠牲にして家族のフォローしたり、大人と渡り合わなきゃいけないのは、仏版の方が胸が痛かった。
両親、兄共に聾唖で、一人だけ耳が聞こえる主人公(ルビー)。
家族は他人とのコミュニケーションせず、ルビーの手話通訳頼み。
それに、健聴に対しての敵意が強くて板挟み。
家族が手話で目立つので、学校では浮いた存在。なのに、家族で唯一の健聴者なので家族とも分かり合えない孤独感。
そんなルビーの特技は歌。でも、聾の両親は歌の良さが分からない。ましてや、歌手なんて未知の世界!全く理解してもらえない。
私がいないと家族が生きていけない、でも、自分の夢も出来た。周りの同級生とは違う、家族を背負ってるルビーの辛さや責任感が痛いほど伝わって来る。
ルビーの気持ちが込められた歌は、観客の心を激しく打つので涙なしでは観ていられない。
世界中で愛された映画、必見です。
<吹替 金ロー>
「あい」に溢れた素晴らしい作品
試写会の機会をいただいきTOHOシネマで鑑賞。ありがとうございました。
4人家族のロッシ家(労働者階級なんでなんとか家って自分で書いて違和感あるなあ)、家業としての漁業で生計を立てていますが、主人公のルビー以外は聾唖者。ルビーが3人、特に父親、兄貴と社会との通訳者として機能しています。そして、ルビーは音楽が好きで歌うことが好きで才能を見いだされ、自我に目覚めていきます。で、実際に聾唖の役者さんがやってるんですよね。
・家族同士、お互いに思ったことをぶつけ合う。でも、最後は穏やかに。
・愛の相対性について考えさせられた。自分は幸せを感じていなくても、客観的に幸せそうに見えるんだな、とか。
・才能を拾い上げ、育てるあい。ルビーの歌唱力を見抜き、その才能を伸ばそうと尽力していくV先生の献身の表現が上手い。V先生の欲求の俗っぽさもちゃんと描かれている。
・漁獲規制やら買いたたきが進んでいく中で、それに対抗するためにロッシ家が立ち上がり業業組合を作り、周りが協力していくという、聾唖者を無力なものとしていない、意志も行動も確固たる「人格」としている。
・圧倒されたシーンがありました。聾唖者なら当たり前に感じるところですがその場面では身動きがとれなくなりました。初めての経験でした。この場面を体験するだけでも映画館で鑑賞する価値はあります。
・ルビー役のエミリア・ジョーンズ、相当に頑張ったんだろうな。もともと手話が出来た人なんだろうか?手話を繰り出すところがあまりに見事。あ、歌唱も見事でした。
・夫婦愛がよろしいのは何よりですw
・粗なんですけど卑ではないです。多分。
最後の手話の意味を知ってまた泣く
この映画は最高だ。
ルビーが母親に「私がろう者ならよかったと思う?」って聞くシーンと秋のコンサートでの無音シーンが印象的。
でも、一番は最後の受験会場でルビーが歌う「青春の光と影」。
マジで胸のあたりの体温が上がったんじゃないかってくらい心が温かくなった。
家族との掛け合いも小気味よくて好きだし、手話もかっこいい。
さて、親孝行しよっかな。
家族の愛
金曜ロードショーで見ました。
これは泣いちゃうよね…
家族の愛を感じるし、挿入歌よ良かったと思います。
耳の聞こえない家族、懸命に助け合う姿も良い。
でもね、映っていない障害と生活シーンを考えるだけで多分、漁師として暮らしていくって、健常者との距離など、難しいだろうなと想像すると、それもまた過酷さを感じる。
話せば分かる
自分以外の家族はみんなろう者、ということは、こどもの時から、他者と家族の橋渡し役を自然に担うわけだ。本人も、その役割が当然のことと認識してしまう。負担だと感じても言えない。これは息苦しいよね。
漁師の父ちゃんと兄ちゃんは、なかなか口が悪い。意に反することには、従わない強さもある。母はルックスが良く、自意識が高いが、その分ろう者であることに引け目を感じている。社会と関わることは避け、娘に依存している。
家族のケアと学校で忙しく、自分自身のことまで気が回らないルビーは、夢や希望も持つ余裕がない。歌うことは好きだが、ろう者の家族には理解されない。音楽の先生が唯一、彼女の才能を買ってくれている。この先生、絶対ゲイだと思ってたら、妻と子がいた。勝手な想像してすみませんでした。
高校で開催されたコンサートの途中、無音になるところが出色。あと、バークリーの試験での手話、ここは泣きどころ。個人的にはデビッド・ボウイの「スターマン」のコーラス版に感動した。アレンジいいじゃん!
多少、うまく行きすぎだろ、とツッコミたくなるが、主人公の成長と、ともに成長する家族の姿に、あたたかい気持ちになった。あと、マイルズ、いいヤツだ。ルビーと彼は、一生の付き合いになるといいね。
日テレ金曜ロードショーを視聴。
受賞に見合った作品とは思えませんでした
普通でした。 ドラマとして楽しめました。 全体的に進行速度は はやかったものの、 退屈なシーンも有りました。 [アカデミー賞作品賞含む3部門受賞] ですが、 受賞に見合った作品とは思えませんでした。 平凡で ありきたりに見えました。 ろうあ者の物語なので受賞できたのでしょう。 障害者を扱えば [アカデミー] です。
立ち止まっていても何も変わらない、行動する勇気を持て
第94回アカデミー賞作品賞受賞作。家族の中で唯一健常者である高校生ルビーが夢を追っていくことで、ルビー自身と聴覚障害者の家族(両親と兄)が成長していくヒューマンドラマである。
本作で登場するのは、健常者の少女が献身的に家族を支え、家族は少女に感謝するという模範的な家庭ではない。リアルな家庭である。ルビーは家族の通訳であり続けることに苛立ち、音楽への夢をどうするか苦悩している。漁業を家業にしている家族は、当然のように遠慮なくルビーに依存する。健常者の家族のように自己主張はするし、喧嘩もする。障害者=弱者という意識は希薄であり、対等に健常者と交流する。日本との違いに愕然とする。邦画『こんな夜更けにバナナかよ』の障害者役の大泉洋の自由奔放さを思い出す。
そんな家族に変化が起きる。ルビーは新学期を迎え、突如、合唱部に入部する。ルビーは苦悩の末、夢を追う行動を起こす。顧問の先生は彼女の歌の才能を見抜き、音楽大学への受験を勧める。ルビーは両親に音楽大学受験を懇願するが、両親にはルビーの歌声が聞こえない。ルビーの歌の才能が分からない。彼女抜きでは家業が成り立たない両親は猛反対する。ルビーは夢を捨て、今まで通り家業を手伝おうとするが、兄に背中を押され、夢を掴む道を選ぶ。
ルビーが高校の音楽発表会で歌唱するシーンに、両親の想いが凝縮されている。会場にルビーの歌声が響き渡った後、暫くの間、静寂が映画館内を支配する。両親が感じている無音の世界に導かれる。両親にはルビーの声は届かない。ルビーの才能の確認はできない。しかし、両親は、ルビーの音楽大学受験を許す。ルビーの才能を信じ、ルビーの家族からの巣立ちを許す。同時に、ルビーへの依存を止め自立を目指していく。
ルビーは、音楽大学に合格する。夢への扉は開かれる。
本作は、夢を諦めず行動したルビーが自身を成長させるとともに、家族の絆を強めた作品である。行動する勇気の大切さを教えてくれる作品である。
演技はよかったが、脚本は普通。
ルビーの家族、特に父親役がよかった。
母親役も若い頃からドラマに出てる好きな女優さんだった。相変わらずいい演技。
脚本や台詞等は、
うーん、アカデミー作品賞といってもこの程度か…というのが見終わっての正直な感想。
家族愛、恋、夢
「エール!」のリメイク版。
私的にはこの作品より、田舎街の感じや少女の雰囲気、家族愛の強さが伝わり、また素朴さが漂うフランス版の方が好み。
ただこれはこれでキュンとするシーンや歌のうまさがあって楽しめる。
ヤングケアラーと一筋の希望
ヤングケアラー。
近年聞くようになった言葉だけれど、問題になり始めたのが最近なだけで、ずっと昔から犠牲になってきた人はいたはずだ、と思う。
家族だから、やって当たり前。
他の人に頼むとお金はかかるし、何よりも家族の問題を他人にお願いするなんて恥ずかしい。
そんなことが当たり前だったから表面に出てこなかっただけ。
コーダ、
とは耳の聞こえない人を指す言葉。
手を自由に動かして目で見てコミュニケーションを取り合う人たち。
耳の聞こえない家族の中で、たった1人聞こえ、歌えるルビー。
「3年生の時、親の代わりにウエイターに堂々とビール2つね、と頼んでいてカッコよかった。俺はその時保護者付きだったから」
気になる男子からそう言われて、
少し嬉しそうだったルビー。
だけど、その頃から大人にならざるを得なかったことを思うと切ない。
耳の聞こえない家族と世間を繋ぐ橋渡しという役割を与えられ、そこから抜け出すことができない。
生まれてからずっとそうで、それが当たり前だったから。
新しく人を雇う余裕もない、だから、必然的にルビーが大人にならざるを得なかったのだろう。
歌の才能があっても、家族の生活のために、自分を押し曲げなければいけない。
抵抗しようとしても、大きな波にのまれそうになる。
そこで負けて折れてしまわないのが、このストーリーのいいところだ。
力になってくれる先生、友人、そして、気になる人、それでも歌いたいと思う気持ち。
気になる人が家に来ていいムードなのに、ラブラブな両親が大音量でおっ始めた時は、いたたまれなかった。
思春期にこれはキツすぎる。
でもどうか、負けないでほしい、と思った。
勝たなくてもいい、だけど負けて泣く姿を見たくない。頑張れ、と。
ヒロインのルビーが普通っぽくあるほど、この状況を打破して輝かしい未来に羽ばたいてほしい、と強く願ってしまう。
いつも少し怒っているように見えるルビー、
好きなように、思いっきり誰かに向かって歌って笑っている姿を見たい。
繊細ではない、だけどしっかり地に足をつけた歌声。
ところどころ差し込まれる無音のシーン。
どんなに聞きたくても、ルビーの歌声は両親にも兄にも聞こえない。
それでも、家族はルビーの歌を聞き、笑顔で手を叩く。
少しでも娘の声を感じようと首に手を置く。
愛の歌を、目の前で繰り広げられる美しい音の羅列を、少しでも取り入れようとする。
最後のシーン。
家族に向けた手の動きがキラキラして見えた。
声が聞こえなくても、どんなに魅力的に彼女が歌ったのか、分かっただろう。
彼女はたしかに家族のために、犠牲になってきた。
でも、それだけではない。
この話はただ見つけてもらうのを待っているシンデレラストーリーではない。
周りの人に助けられても、一人ひとりが立ち上がる、薄雲から光がさしていくような、
希望の物語だ。
変な人たちが、愛情で優しく包み込んでくれる。
前提として
・2回目。
・リメイク元の『エール』は未視聴。
・シアン・ヘダー監督の他作品は未視聴。
2回観たけど泣ける。
先生とか家族とか友達とかみんな優しい人たち。
癖は強いけど。
娘も母親もボーイフレンドも(兄貴と父親は常にブレない。)、それぞれが大きく成長していく。
手話ネタでクスッとしてしまうところも多いけど、歌は素晴らしく(特にエミリア・ジョーンズ)、家族愛に涙する、このバランスが素晴らしい。
手話が全て字幕で終わってしまうのが勿体ない。それぐらいの演技の力をキャストから感じた。
手話ではないものの、耳の聞こえないなかで、娘の歌声を聴こうとするお父さんの視点が素晴らしい。
自分は変な家族の一員だ。早く家出したい。
そんな人にオススメ、かも?
また家族を抱きしめに行きたくなるはず。
リメイクなので、みくびっていました…
アカデミー賞作品賞他を受賞したことも、障碍者を描いているからだと高を括っていた。でも、実際に観てみたら、めちゃくちゃ感動した。元の「エール」とは一部設定が異なるらしいが、大筋は同じらしい。まず、家族の通訳として生きるルビーの姿に心を打たれた。自分がそんな立場に立たされたら、きっと投げ出してしまったことだろう。いちいち付き合っていられないし、自分の時間もほしいのではないか? つくづくえらいと思うし、頭が下がる。家業の漁業を手伝い、病院まで付き添う。だんだんかわいそうに思えていった。でも、彼女には歌があった。すばらしい歌声が… 一番好きなシーンは音楽会で、両親がまわりの反応から娘の歌の可能性を感じてゆくところだ。最後、お兄ちゃんもお父さんもお母さんも納得できる選択ができてよかったね。もうルビーを応援するしかない。
家族の暖かさやしがらみを感じられる映画
周りからの嘲笑や家族との軋轢などコーダ(ろう者を親にもつ子供)特有の苦労が描かれており、そのような環境下でも家族を愛し、また家族に愛されている主人公ルビーが音楽の道に進んでいくストーリー。
最後まで見ると家族っていいな、人っていいなとしんみり感じられる。
家族がルビーの歌を聴くときの雰囲気が好き。
観て良かった映画
家族の為に自分を犠牲にする。
そんな生活が当たり前だった今まで、彼女の才能が開花され家族が協力し合い彼女をサポートしていく。
頼りにしていた娘と離れる瞬間両親はどう思っただろう。
涙が出ました。
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