コーダ あいのうたのレビュー・感想・評価
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物語の進行とリンクする挿入歌 「ヤングケアラー」の歌姫は‶Both Sides Now"に魂を込める。愛する家族にも伝わるように
本作は耳の聴こえない家族のもとに生まれた唯一の健聴者の女子高校生が
唯一の生きがいである「歌」を通して人生を切り開いていくストーリー。
物語の進行とリンクするように挿入される劇中歌、エミリア・ジョーンズたちの歌声、
「ろう者」家族の無邪気なやり取りなどなど趣深い点は多々ある。
特に私が一番印象に残っているのは合唱クラブが在学生の家族にお披露目する「秋のコンサート」の一幕だ。合唱部のその一年の成果を出す晴れの舞台。心躍る歌声のセッションが響く中、突如場面は主人公ルビーの父親の「視点」に転換す・・・
一方で、この作品も例外なく数々の問題を提起している。
障がいをもつ人の社会生活上の困難、ヤングケアラーや貧困家庭の進学や進路、学校側の無理解、
母と子の関係の難しさなどなど・・・
物語は‶現実からおとぎ話のように″ハッピーエンドで着地した。
人生というものはいろいろなものの見方ができるし、正直のところわからない。
今が「底値」なのか、「高値」なのか、そもそも「上場」すらしていないのか。
本作の主人公ルビーはその誰もが抱える「葛藤」や「抑圧」から解放するように
歌声と手話で表現する。
・・・・だから、26億円での落札はちと安すぎじゃないかなんて思った。
ロッシ家のとった魚じゃあるまいし・・・
普通に感動します
1.主演が可愛い
ヒロインのエミリア・ジョーンズが良いです。だいたい、しかめっ面か忙しそうにしているのですが、ためらいの演技とか目をはらして泣いているシーンとか、めっちゃ可愛いです。
エマ・ワトソンみたいな感じですね、こういう系には本当に弱いです。
2.普通のストーリーなのに、、、
突飛な物語ではなく、普通に楽しめるストーリー。平凡な少女が才能を見出されて、家族との関係を取るか、自分の将来に賭けるか。最後は家族も将来もハッピー、でも恋人とは離ればなれで、初恋はちょっとビターに。
ろうあ、労働者階級、合唱や歌、家族って要素は、まあ映画賞を取るためのスパイスで、本筋は少女漫画的な分かりやすいもの。でも、なんだか、感動するんだわ〜、うるっときました。
3.楽曲がエモい
冒頭、ヒロインが漁船で歌うのがエタ・ジェイムスの“Something got a hold on me”で、主人公と初恋の男の子が歌うデュエットがマービン・ゲイ&タミー・テレルの“You're All I Need To Get By”ですよ!60年代のオンパレードです。
極め付けはラストの音楽学校のオーディションで熱唱するのが「青春の光と影」(原題: Both Sides, Now)。ジュディ・コリンズがオリジナルで、アン・マレー版もあったかな。この曲、アリーマイライブで使われていますよね〜。すごく覚えていたので、結構使われていたと思ったら、シーズン2の22話で使われていただけ、らしい。それでも、アリー好きとしては、うぁ〜となります。
ヒロインが通うことになる音楽学校はボストン。アリーの舞台と同じですね。このシーンから、「ヒロインはボストンで音楽から法律に転向して、弁護士のアリーになるのか〜。ってことは、別れたボーイフレンドはビリーで、この映画はアリーマイラブの前日譚だったのか〜」一人で妄想していました。
すごく良い映画です。唯一の欠点は、あいのうた、というダッサイ日本語のサブタイトル。
グッドウィルハンティング
アカデミー賞おめでとう⁈
鑑賞動機:脚色賞8割、たまには劇中で誰も死ななそうな映画観ようかな2割。
『エール!』未鑑賞。スタン・ハンセンは🤘のように思います。
サンダンスで評価されたとはいえ「御涙頂戴感動消費用製品なんじゃないの?」と思ってスルーのつもりだったのですが。至らないところもあるけれど、誠実に丁寧に作ろうと努めたんだろうな、と思えました。また一つ新しい一歩が踏み出されたってことでしょう。
エミリア・ジョーンズがすっかり大人になって(『ゴーストランドの惨劇』比)、そしてこんなに歌がうまいとは思いませんでした。
ガッツリ下ネタがちょいちょい投入されてて、笑っちゃいました。だからPG12なのですね。年頃の娘的には勘弁してほしいでしょうが、コッツアー/マトリンのラブラブ両親のイチャイチャぶりにほっこり和みます。そして汚い言葉の手話🫣や兄貴との罵り合いのふりしたじゃれあいも、ほわほわします。キツイ事言う母ちゃんだって、決して搾取しようとしてるわけではないでしょう。結局のところ、この特別な家族の話ではなく、どこにでもいる家族の普遍的な話であり、それをよくある話と捉えるか共感できる話と捉えるかでしょうか。
いい意味でよくできた作品だと思えました。
一緒に観に行ったお友達は泣いちゃって大変でした。かわいいです。
生き生きして眩しい
自分が一番共感したのは兄貴ですが、主人公や両親、先生や友達、出てくる人がほぼ
精一杯自分の人生を楽しんでるのが眩しいですね。
両親のファンキーさが何ともね、愛すべきなんだけども、自分の親だと思うとキツいかな。
でもそのファンキーさが家族の核というかパワーになって、障がいなんかぶっ飛ばせ!
となってるから娘が歌えるのかなと思った。最後の方でリアルな世界をこちらに追体験させる所が素晴らしいですね。こちらが楽しんでる程ショックを受ける仕組みになっております。良く出来てます。
ものすご〜くスイートな佳品
ピーロきゅ〜〜〜ん😍♪
観て真っ先に揺さぶられたのは、実は久々に見るフェルディア・ウォルシュ=ピーロ君!
わー、大きくなったけど、昔と同じ顔でよかった〜、ロン毛じゃなくてよかった〜www
私が一番好きな映画『シングストリート』でときめいた後、特にサントラアルバムがヒットしたとか、海外のチャートに入ったとか聞かなかったから、一発屋みたいになったらやだなぁと、心の中でこっそり推してました。推してたくせに、フルネームは覚えられなかったw
ピーロくんとしか認識出来なかったけど、誰かに名前を短くするように言われなかったのかな。フェルディアも変わった名前だし、ウォルシュピーロって…。
ウィルスミスとか、トムクルーズとか、トムハンクスとか、エディマーフィーとか、ブラッドピットとか、ヒューグラントとか、ヒュージャックマンとか…、売れてる人はみんな覚えやすい名前!!!お願い、名前変えて、ピーロくん!
やたら星の数多いし、みんな泣いてるし、アカデミー賞めっちゃ取るし、絶対観ようと思ってた作品、すっぴんで行ってよかった…(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)
思えば、星の金貨とか、愛していると言ってくれも毎週泣いてたんだよなぁ。絶対好きに決まってるよなぁ。
前の職場に難聴の子がいて、マスクつけてると会話に加われなくてマウスシールドつけたり、時々筆談したりしてたのを思い出した。耳が不自由でも、リップシンクで何を言ってるのはわかるそう。だから、あそこまで内容を理解できないのはちょっと大袈裟かなとは思ったけど、やっぱりルビーなしで生活が成り立たないというのは、身につまされた。
今、ヤングケアラーが増えていて、そのせいで不登校になったり、中退したりする生徒が多いと聞くと、実際のところルビーも本当は大学なんか行ってる場合じゃないんだと思う。
遅刻ばっかりする不誠実な生徒だけど、最後まで諦めずにV先生が指導してくれて、そこも胸熱だった。ルビーの立場なら自分はどっちを選ぶんだろ。お兄ちゃん、本当にありがとう。お兄ちゃんが背中を押してくれて本当によかった…。
号泣ポイントはいくらでもあるけど、最後にパパが"Go!" と声に出したとこ。話せない人が話すのは反則や〜(´༎ຶོρ༎ຶོ`)…
そういえば愛していると言ってくれでも、最終回でトヨエツが『ぃ、いろこ〜!』って叫んだとこ、マジで号泣したもんなぁ…。素晴らしい作品でした…、ありがとう。
そしてアカデミー賞、おめでとう!
青春の光と影
泣きたい時にはまた観たい映画になった
エール!に似ているなと思ったら
孤独
孤独を感じさせるのは他人の目なのか、自分自身なのか。
主人公もろう者の家族も、家族以外との関係で孤独を感じている。
果たして、誰が作った壁なのか…。
以前、同僚だった人が、手話で話している方達を見て「声を出してたら、賑やかなんだろうね」と言ったのを聞いたときに、すごいと思った。何か見てはいけないような気になって目を逸らすのではなく、聴者と変わらないね、と言えるその感覚に刺激を受けた。自分とは違う人(自分以外全て)を受け入れる。当たり前だと思っている。差別のない世界ってそういうことなんだろうな。
帰りにろう者の方がみえた。字幕があるから、ストーリーは分かるんだろうけど、歌の聴こえないこの映画を観たときにどんな風に感じるんだろう、と思った。
心を押してくれる映画
後味の良いヒューマンドラマ
Deafと言う社会派なテーマを、こんなにも爽やかでユーモラスに、そして観た人達が、みんな前向きになれるテイストに仕上げられるのは、流石アメリカン!と感心。
Deafである人々には、ろう文化(日本語での名称や漢字表記には問題があると知りましたが、歴史ある文化なので、とりあえず使用)という世界があり、それは個々の結びつきも、個とコミュニティの結びつきも強固であると聞きました。彼らにとって、居心地の良い社会なのです。
例えば健聴者が、全く理解できない言語の国に1人で置き去りにされたら。想像しただけで不安に苛まれます。
だから、ルビーの母親が外の世界を嫌厭したり、娘が健聴と知って落胆したのは、責められる事ではないんだと思いました。それは終盤のコンサートの場面での演出で、強烈に実感できます。あぁ、こういう世界でずっと生きているのか、と。
娘の歌声は聴こえないけど、周りの観衆の表情などを観察して、その素晴らしさ、才能を理解した父と母。健聴の娘の世界に2人が一歩寄り添った瞬間にも思えました。
父親役のトロイ・コッツァーは、神話のポセイドンさながらの髪と髭で(だから漁師?)、少しプライドの高い、強い父親をコミカルに演じていました。
兄役の俳優さんも、Deafの世界に固執せず、SNSを楽しんだり、妹の友達をガールフレンドにしたり、漁業の新形態にトライしたりと、若者らしいエネルギーに溢れる反面、聴こえない事による軋轢、葛藤の感情表現が素晴らしかった。
多様性と言うと大風呂敷を広げた感じになるが、日本人が皆、個人差こそあれ英語を理解しているように、マジョリティである健聴者が少しずつでも手話を習得すれば、お互いに、新しい発見、楽しみが広がるだろうなぁと思いました。
愛のうたというタイトル
あまり納得する日本語タイトルの少ない今日この頃。愛のうたという表現は肌にあった。
どうしてこの作品に感情移入できたのか、それは私がヤングケアラーだった過去があるからだと思う。主人公は聾唖者の家族を支えるために自分を時間を使う。姿は異にするが、祖母の背中の垢を風呂の中ヘチマで落とす自分に重なる瞬間があった。彼女は(いや、我々は)世間が思うより幸せで、自分の置かれた状況を十分に理解している。ただ、私も、彼女も、家族から解放されるタイミングがあり、それは同様に幸せなのだ。
作品を見た方ならわかると思うが、家族に寄り添うことはは決して間違ったことではない、という表現をされている。家族に寄り添い、支える人生もまた、美しい。彼女がひたむきに自分の好きなこと(歌であったり、家族であったり、パートナーであったり)に向き合っているから。ただ、時間は有限で身の回りの全てに取捨選択が必要となる時は必ず来る。選べる立場にあった彼女は幸せだった。才能に気づいてくれた人、愛してくれる人、そして背中を押してくれる家族がいることは何よりの幸福なのだと感じた。
最近勉強を始めた手話をじっくり見ることができたのも面白かった。「綺麗」「嬉しい・楽しい」と言った単語は日本のものと酷似していた。また、口に出すことが憚れる単語たちも見ているだけで理解できるし、そこにユーモアを持って行った脚本にも拍手を送りたい。これをきっかけに(ドライブマイカーの時も思ったが)違う言語として手話を身近に感じてくれる人が増えることを切に願う。
合唱祭の演出も映画を見ている我々を違う世界に誘うタームになっていた。父親が「俺のためにもう一度…」と歌をねだるセリフに愛を感じた。
久々に出会えた洋画の名作
率直な感想としては、久々にストーリーをじっくり堪能できた洋画作品でした。
何年経ってもストーリーが頭に浮かび『あの作品、面白かったな』と思えるような心に残る作品だと思います。
※以下、ネタバレ
両親と兄はまったく音を聞き取れない聴覚障害者。家族で唯一の健聴者である娘のルビーは家族の耳(手話通訳)となり、家族の仕事や生活を支えながら仲睦まじく暮らしていた。
そんななか、ルビーには類稀なる歌の才能があることを合唱部の顧問に見い出される。しかし、それによりルビーや家族のなかには様々な葛藤が生まれ、軋轢が生じていく。
合唱部顧問はルビーの才能を開花させるべく、親元を離れ名門音楽校に通うことを勧める。しかし、家族はルビーの手話通訳なしには仕事が成り立たない。家族にとってルビーを失うことは死活問題だった。
家族を見捨て自分の夢を追い求めるのか、夢を諦め家族の耳となり続けるのか。一生を左右する人生の分岐点に立たされ、ルビーは苦悩する。
仕事のために娘を手放したくない両親、『家族の犠牲になるんじゃねえ!』と進学を勧める兄、『私にだって人生がある!』と夢を追い求めるルビー…その進路を巡り、仲睦まじかった家族にも軋轢が生じるようになる。
しかし、当初は進学に反対していた両親も娘の強い気持ちと才能に気付き、次第に理解を示し背中を押すようになる。そして家族が苦しむ姿を見て一度は夢を諦めかけたルビーも両親に背中を押され、夢を追う決意をする。こうして家族は再び娘の夢のために団結する。
ざっくり書くとこんな展開です。
身体的ハンデを抱えながらも明るく前向きに生きる家族、そんな家族の中で唯一の健常者である主人公の苦悩や葛藤、そして互いに支え合って生きる家族の絆、そんな家族に突如として訪れた子供の巣立ち、それを見送る両親の複雑な親心…派手さはないけど、非常に良質で見応えのある人に勧めたくなる作品です。
けっこう重苦しいストーリーに感じるかもしれませんが、家族の会話が非常にユーモラスで、聴覚のハンデを感じさせない、良い意味で弾けた明るい家族なので、全体としては重苦しさは感じず、いいバランスに仕上がっています。
あと余談ですがルビー役のエミリア・ジョーンズがめっちゃかわいい(普段のバッチリメイクの彼女より、映画のナチュラルな彼女のほうが断然かわいい。笑)
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