劇場公開日 2024年3月15日

「贅沢な映像体験で時間を忘れる」デューン 砂の惑星 PART2 kozukaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5贅沢な映像体験で時間を忘れる

2024年4月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

興奮

前作で一族が滅亡し、母(レベッカ・ファーガソン)と一族の後継者であるポール・アトレイデス(ティモシー・シャラメ)は砂漠の先住民フレメンの一団に身を寄せなんとか生き延びた。
PART2はここから始まる。
今作は惑星の支配を目論むハルコンネン家と阻止しようとするフレメンと対立構図が明快な
のと、ポールの覚醒というわかりやすい物語に加えフレメンの女戦士チャニ(ゼンデイヤ)とのラブロマンスも描かれるため1作よりエンターテイメント要素が強くなっている。
加えて、ハルコンネン家の若き男爵フェイド・ラウサ(オースティン・バトラー)も登場し、見どころ満載。
フェイド・ラウサのシーンはなぜかモノクロで、しかもホワイトが強く狂気じみた感じが強く出ていると思い調べると、なんと赤外線カメラで撮ったとのこと。
ヴィルヌーヴ監督の映像へのこだわりが半端ない。
映像体験としてのクライマックスとしてポールがフレメン達に認められるきっかけとなるサンドワームを乗りこなすシーンは圧巻。
チャニとの関係性は一歩間違うと薄っぺらいエンタメになりそうなところを絶妙なバランスで描いているので逆に物語に深みを作っている。
そして、チャニ役のゼンデイヤが揺れ動く心をたくみに表現し見事。
一方でポールと母がフレメンに神格化されていく理由が希薄で都合よく感じる部分はマイナス。
ただし、それにも増して贅沢すぎる映像体験はマイナス要素を打ち消してくれる。
IMAXカメラで撮影しているのでIMAX劇場で鑑賞することを強く推奨する。
音楽ハンス・ジマーの内臓を揺さぶる重低音をぜひ体感して欲しい。

kozuka