劇場公開日 2024年3月15日

「なんだかアメリカン」デューン 砂の惑星 PART2 サブレさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0なんだかアメリカン

2024年3月30日
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砂漠の惑星デューンにて、アトレイデス家を滅ぼしたハルコンネン家への復讐を望むポール・アトレイデスが、予言された救世主になるまでの話。
描くべき要素が色々ありすぎてダイジェストになっていた感が否めなかったが、悪くはなかった。だが、同じダイジェストならリンチ版デューンの方が尖っているし原作通りではあるので、そっちのほうが好きだ。むしろ下位互換とすら呼べるかもしれない。良かったのは砂虫ライドの大迫力くらいか。

そして残念だったのは、映画の所々で強いアメリカ、あるいはハリウッドを感じた点だ。
『スターウォーズ』でもそうだが、我々と異なる世界や宇宙を描く際には、私は明らかな異世界感がほしい。『デューン』では砂虫やスパイス、ベネ・ゲセリットがそれに当たるのだが、上記の通りダイジェストで進むためにビジュアル的インパクトのある砂虫くらいしか目を引くものがなかった。
代わりに目立ったのはアメリカ的価値観だ。古い予言を信じるのはおっさんばかり、若い女はそんなおっさんを鼻で笑う、皇帝は悪、極めつけに物語は愛で締められなければならないのにという信念。せっかくの舞台が台無し。アメリカのプロパガンダかと思った。

サブレ