劇場公開日 2024年3月15日

「IMAX劇場初体験」デューン 砂の惑星 PART2 シューテツさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0IMAX劇場初体験

2024年3月28日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

私はいまだIMAXを体験したことがなく、1回目に見た時に本作こそ今の最高水準での映像体験するべき作品だと思い、私にしては珍しく2回連続して鑑賞しました。
なので今回は映画の感想よりも、この映像体験を中心に書いて行きたいと思いますが、まず私はそれの専門家でもないし詳しくもなく元々技術的な興味も薄いので、あくまでも自分の感じた感覚だけでの感想となります。

で、1回目の一般劇場で見た時よりは確実に特別感を味わえましたので、料金的にも不満はありませんでした。
但しドルビーシステムの方は既に体験済で、今回のIMAXも映像以上に音響の凄さの方がより印象的でした。
映像の方は基本的に縦・横のスクリーン対比の違いという事であり、一般劇場の方は元々の映像に対してトリミングしている状態なので、勿論大きさは感じましたが横長スクリーン好きの人も私世代では結構いるので、好みによって好き嫌いは分かれるかも知れませんね。
何故なら、昔はスペクタクル作品=シネマスコープという時代があって、スケールの大きい作品は横長でスクリーンで見るというイメージが定着していたので、私の様な年配者は横長に特別感があるので好きの方が多いかも知れません。
でも結局はスクリーンの大きさが重要で、IMAXの様に縦横比率が正方形に近くても画面がデカいと没入感や臨場感は十分に感じられました。
昔、日本にシネラマ劇場というのが3館あり、横長のスクリーンを湾曲させて映写機3台で写すという方式が我々世代の一番贅沢な映画の見方でしたが、あのスクリーンで満足できるのは劇場の前後左右ド真ん中の特等席だけで、端や前の席で見ると歪で見えるただの見難いスクリーンでしかないという、今考えると凄くインチキ臭い劇場でした。
半世紀経った今回のIMAX劇場で感じたのは映像技術の進化もですが、(どの席に座っていてもある程度の満足感は得られそうな)劇場設計の進化の方が大きかったです。

しかし最近の作品はCGが多く、それによって画面上の情報量が半端なく膨大になり巨大スクリーンであるほどに目が追い付かないという弱点があります。
ここからが本作単体の感想になるのですが、本作の場合画面設計が抜群に優れていて上記の弱点はほぼ克服されていました。
本作の場合8割くらいはパノラマ的な風景描写であり、うるさいCGアクションも抑え気味で、あくまでも画面のデカさは没入感を感じさせる為の道具としての役割に徹底していて、目にも優しい迫力の映像となっていました。
とにかく、1シーン1カット実に緻密に設計されていて、屋内のシーンは殆ど絵画的構図であり、エンタメであることを忘れる位に画面はアーティスティックな絵の力に溢れていました。(これはPART1も同様)
更に本作は長編SF小説の映像化によくあるナレーションや字幕説明も説明台詞も一切省き、それでいて映像を見ているだけである程度物語が理解できてしまうという、原作モノ映像化の理想形と言っても良いくらい見事な脚本と編集であり、小説と映画との(魅力の)違いをハッキリと理解している人が作った作品であるので、出来れば鑑賞者もそれが理解出来るレベルの人が見た方が楽しめる作品だと思います。
(厳しく言うと、いつも原作モノ映画を貶している輩はどれだけ同じ不満を言い続けるのか?、それなら最初から長編小説(漫画)の映画化作品など見ないという結論に辿り着けない愚かさを恥じるべき)

映画を長く見ていて歳をとり映画の記憶を辿ると、やはり物語よりも映像自体の記憶が先に蘇ってしまいます。
時代時代で数々の作品の映像が頭にこびりついているのですが、本作もその1本に加わる事は間違いないと思います。

追記.
なんか更なる続編が作られるという噂を聞きましたが、確かこの監督「宇宙のランテブー」の映画化も予定されている筈で、今回の映像を見てしまうと個人的にはこちらの方を先に作って欲しいという願望がある。もう先が長くない年齢になってきているので、死ぬまでには是非見たいと願っていますよ。

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シューテツ