劇場公開日 2024年3月15日

「至福の映画体験」デューン 砂の惑星 PART2 レントさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0至福の映画体験

2024年3月20日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

興奮

知的

まさに鑑賞中、至福の時を過ごした。本作の圧倒的な映像美とその迫力にただただ酔いしれた。劇場で映画を見るという喜びを思い起こさせてくれる作品、子供の頃のスターウォーズエピソード4を見た時のように。
一作目に続いて本作も、どのカットをみてもアート作品のようで、いままでこんなに美しいSF映画は見たことがない。強いてあげれば2001年宇宙の旅くらい。それくらいこのような作品にはなかなかお目にかかれない気がする。残りの人生であとどれだけ出会えるかな。

前作に続いて本作もIMAXにて鑑賞。というか本作を通常スクリーンで見るのはあまりにもったいない。スクリーンサイズ、音響設備が整った劇場での鑑賞が必須。鑑賞時、サンドワームが襲ってくる場面では地響きがそのまま客席に伝わって、自分がまるでそこにいるかのような錯覚を覚えた。

内容的には今回は原作の完結編に当たるので怒涛の展開を見せる。原作未読なため、あの人の出自が判明した時はかなり驚いた。
そして救世主が現れ、人民を率いて戦争するという内容は現代社会でも延々と続く宗教に端を発した地域紛争を思わせるもので結構奥深い内容でもあった。

戦闘シーンはスペースオペラと中世騎士道ものを足したような世界観なので、最先端の戦闘機による戦闘シーンや中世の合戦を思わせるようなシーン、そして一対一の決闘シーン、サンドワームの大群による攻撃など盛り沢山。映画のすべての楽しみが詰まっていた。
本作一本でスペースオペラ、芸術映画、アクション映画、文芸映画と複数の映画をいっぺんに見たような満足感。贅沢なひと時を味わった。そして見れば見るほど本作がスターウォーズやナウシカの元祖であることも分かった。

とにかく、このデューンの壮大な物語を忠実に再現した制作陣には感謝したい。そのくらい映像が本当に素晴らしかった。これは映像技術の進歩だけではなく、作り手の一貫した本作へのこだわりが生んだ結果だと思う。
いくら予算をかけても作り手の想像力が貧困だと興ざめしてしまったりするが、本作ではそのようなことは一切ない。安心してこの作品世界にどっぷりはまることができた。
現実にはない世界なはずのにその圧倒的なリアル感。そしてアクションや戦闘シーンの迫力。魅力あふれる登場人物たち。ロケ映像と全く違和感ないCG映像の融合で架空の世界が本当に存在するかのよう。デューンの世界観を完璧に作り上げた。
子供の頃からデューンのファンだったヴィルヌーブの細部にまでのこだわりが感じられる。まさに作品への愛が感じられた。
いわゆる世にいう駄作とは観客に対していいものを提供しようという気概が感じられないものをいう。たとえ拙いところがあってもそんな気概が感じられる作品は駄作とは言わない。作品への愛が感じられる作品は駄作ではない。そして本作はヴィルヌーブの作品への愛が詰まった作品。そんな作品を見られて幸せだった。
ハンスジマーの荘厳な音楽も映像と相まってより高い次元に作品を押し上げていた。鑑賞後は贅を尽くした一流シェフによるコース料理を堪能したような気分。たまにはこういう贅沢もいいかもね。
ヴィルヌーブやポンジュノ、お気に入りの才能ある監督たちが想像以上の作品を作り上げてくれてることに感無量。

本作がヒットしたので三作目が作られるのは確実だろう。また楽しみが一つ増えた。

ちなみに二つ右隣の席のおっちゃんはポップコーンをガサゴソ音立てまくって食べた末にいびきまでかく始末。IMAX料金払ってまで何してんのかなあ、サンドワームに食われればいいのになどと普段なら思うところ、本作への没入感がすごすぎて、不快な雑音もあまり気にはならなかった。

さあ、二回目はいつ見に行こうかな。

レント
ミカさんのコメント
2024年3月28日

「男を手の上で転がさない」勇ましいチャニのキャラクターを作ったのも本当良かったです。私もまだまだ作品を消化できてませんが、自分の頭の中を整理する為にレビュー書きました!

ミカ
ミカさんのコメント
2024年3月28日

やはりヴィルヌーブですね。素晴らしい。私もまた観たいです。

ミカ
琥珀糖さんのコメント
2024年3月20日

分かりやすい解説ありがとうございます。
とても楽しく読みました。
幸せな時間でしたね。
(お腹が膨れて安眠のおっちゃん、気にならなくて?良かった!!)

琥珀糖