「新星現る?」やがて海へと届く 映画イノッチさんの映画レビュー(感想・評価)
新星現る?
日本映画って好きではなかったのだけれど、なぜか安心して観ていた自分がそこにいた
同じ映像が、しかも結構長く2回再生されるパターンは初めて見た
一応、視点が違っていたのだけれど
1度見ただけでは分からなかった&知らなかった部分が
あぁそういうことだったのか と再発見の連続で これは面白い!
周囲の人が亡くなっていく(どうしようもない孤独感と戸惑い そして喪失感)が
じわじわと押し寄せてきた
親、兄弟、友達、同僚・・・次々に亡くした自分とオーバーラップさせてしまう
監督自身も地震で友達を亡くされたこともあって
他の作品も似たテーマで撮っているらしい
あの地震と津波で残された人々が、カメラに向かって話す体験談
(ドキュメンタリーを取り入れたシーンは、斬新だなぁ いいなぁ)と思った直後に
いい意味で騙され、裏切られた
特に高校1年生の役をした「新谷ゆづみ」さんには、度肝を抜かれた
余りにも自然なあの言動が、実は演技だっただなんて
鑑賞者からの”特別女優賞”を授与したい気分で、マジ凄すぎた
最後にカメラに向かってしゃべるシーンは、アドリブだったらしい
この岸井ゆきのさんという女優さんも凄かった
まるで演じていないように演じる独特の存在感は、光っていた
誰もが認める美しい女優:浜辺美波さん
笑顔が消えた途端に、冷徹とも言えそうな顔に表情が一変するのも・・・
福島の海岸に沿って立てられた大きな壁 あれって必要なのだろうか
2度目があると、国は本気で思っているのだろうか
もっと他の復興にお金を使うべきだと感じたのは私だけ?
その福島をすみれが旅した際に、話しかけてきた優しそうなおばあさん
実は、あの体験談の高校生の祖母だったのかな?
すみれが愛し、真奈と一緒に訪れた美しい海と
福島の荒波が絶えない海は、とても対照的で、監督の意図が知りたい部分だった
PS 真奈の部屋の特殊なライトやテーブルが、印象に残った