ミューン 月の守護者の伝説のレビュー・感想・評価
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ユニークな世界観
フランスの3DCGアニメーションだけど一部手描きのパートもある。太陽と月がロープで括られていて、守護者によって管理されているというユニークな世界観に個性的なキャラクターデザインに王道の冒険活劇が展開される。主人公のミューンは気弱でライバルキャラのソホーンは、プライドの高い自信家、理知的な女の子のグリムは身体が蝋で出来ていて、昼は溶けてしまい夜は固まってしまうために、昼と夜の間でないと活動できない。どこか欠けている3人がそれぞれ力を合わせて、盗まれた太陽を取り戻す旅に出る。ソホーンみたいな奴は今では「有害な男らしさ」と言われてしまいがちなのだけど、彼のような強引さも時に必要である。要は何でも使いよう。使い時を間違えなければ有害どころか有効である。
美しいアニメーションが全編にわたって堪能できるし、子供も大人も楽しめるタイプの作品だ。手描きパートはひときわ美しい。
好感
絵本のようなファンタジー作品であるが、話の構図、キャラクターの設定などシンプル且つ明確で、ラストに向けて素晴らしい推進力。誰もが納得の帰着。時間も90分以内と最適。マインドゲームを想起させる画風の切り返しも合理的で明瞭。スパイダーマンアクロスザバースと好対照。実に好感度の高い作品。
フランスアニメ特有のタッチを気にするかしないか…
今年149本目(合計423本目/今月(2022年5月度)26本目)。
いつもいくシネマートは、大阪市では「韓国映画をみたいならシネマート」というほどの存在なのですが、そのシネマートで視聴。日本語吹き替え版です(というか、それしかない。後述)。
原作という原作がないのか(フランス国内のアニメなどにはあるの?)、かなり序盤から特有な世界観になります。とはいえ、架空の世界(太陽系と地球?)とはいえ、太陽と月があることは事実なので、そこまで深い前提知識(特に天文)を問われることはないという感じです。
ここの特集などを見ると、3DCGを使った映画のように見えますが、それが7割、残り3割は日本では1980年代ごろにあった「昔懐かしのアニメタッチ」(当時のセーラームーンやドラゴンボールなどを想定するとわかりやすい?)という感じで、ここは評価はわかれそうです。
放映されている映画館は少ないし、フランス映画といえばフランス映画を多く扱う映画館(大阪市ではテアトル梅田などが該当)でも扱っていないので、みたいなと思ったらお勧めです。「日本のアニメとは違った事情」をうかがいしることができる点で良い内容だな、というところです。
しかし他の方も触れている通り、この映画、「そこそこ」古い映画なのですが、なぜに2022年の今なのでしょうか?(3~4年かかっている模様。アラビア語とかならともかく、フランス映画の翻訳ってそんなに時間かかるの?)
「作品としては」傷はないと思うので、フルスコアです。
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(減点なし(事情として0.3)/映画館全体の問題/日本語吹き替え版と原作との配給バランス)
この映画は上述通り日本語版とフランス語版(字幕版)があります。大阪市ではそもそも1か月遅れですが、日本第二の都市ですら「日本語版」が大半で、フランス語版(字幕版)が見たいなら京都までいかなきゃいけない、という事情があります。
このことはこの映画に限らずディズニー映画などでも多く、「日本語吹き替え版を事実上強要している」ところがあります(ひどいところだと、大阪市内でも字幕版が1日1回に対して、日本語吹き替え版が20本とか、バランスがおかしい)。
このことは結局、日本語吹き替え版の声優さんなどへの報酬の支払いといった「裏の事情」があることは理解はしますが、それは「裏の事情」であり「一視聴者が知るところではない」以上、同じ映画館(この場合ではシネマート)でも、日本語吹き替え版とフランス語版字幕版を交互にやる(現在26日時点、1日2放映)など何らかの工夫が欲しかったです。
このことは特に「ディズニー映画に代表される外国アニメ」に顕著な問題で、「なぜか日本語吹き替え版を見ることを事実上強要される」というのは、映画館事情や映画の作成現場という観点では理解もしますが、視聴者側にも配慮は欲しかったです。
※ このため、日本語吹き替え版のため、漢字など一切でないため「同音異義語」で意味が分かりにくい(推測するしかない)ところが2~3か所あります(全体として妨げはありません)。
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