四畳半タイムマシンブルースのレビュー・感想・評価
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とびっきり面白い。人気戯曲と、奇抜な作風のアニメーションとの融合が...
とびっきり面白い。人気戯曲と、奇抜な作風のアニメーションとの融合が見事にハマった文学的エンタテインメント。脚本も秀逸である。日本独特の「下手に笑わせる」要素を一掃して、「巧みに笑わせる」作りも見事。
良くも悪くも爽やかに
四畳半神話大系のような少し陰鬱でリアリティのある印象はほぼ無くなり、動きや喋り口調やアニメーションは全て爽やかになってしまった。「私」の捲し立てるグチも捻くれた描写も薄くなって良くあるアニメになってしまった気がする。内容的には面白かったけどもう少しダークな部分というか、皮肉めいた描写があっても良かったと感じた。
もりみー最高!
この夏、30年振りに京都の町を歩いた。出町座で映画を観て、下鴨神社の古本まつりを見て回って、鴨川デルタの辺りから、大文字の送り火を見学した。突然の豪雨でずぶ濡れになったけど、あの一日はこの作品を観るためのものだったんだな。
京都で(京都でなくても)、掛け替えのない自堕落な学生生活を過ごした者にとって、森見ワールドはたまらない。そこにサマータイムマシンブルースがかぶさるなんて。
タイムループものって哲学だな。
アニメシリーズ観なきゃ。
城ヶ崎先輩の顔芸
自分をアニメの沼に引き摺り込んだ作品のひとつ、『四畳半神話大系』。
森見登美彦氏の文体を、見事なまでの映像表現で魅せるのみならず、オリジナル部分にもその雰囲気を引き継ぎ、原作への理解と愛の強さに感動したものです。
今作は『サマータイムマシンブルース』と『四畳半神話大系』の悪魔的融合の果てに生まれた小説の映画化。
原作はもちろん『サマータイムマシンブルース』も映画のみながら視聴済のため、話の筋は分かりきっている。
それなのに、何故にここまで面白いのか!
アニメーションの楽しさに溢れた映像、早口に詰め込まれた台詞の中でも機微に富んだ演技、違和感なくシーンに添う音、メリハリのある色遣いetcetc...
変わらぬ原作愛と映像センスに、何も言うことがない。
占い婆さんが大家さんで出てきたのも、そうきたかと思った。
また、モノクロの中に明石さんの赤いコートが映えるシーンは、初期の中村佑介へのリスペクトにも感じて嬉しくなる。
『四畳半神話大系』を知っているかどうかで、小津の印象が大きく変わるであろう、その塩梅も見事。
あるシーンでの城ヶ崎先輩の顔が今回一番のツボです。
難しい言葉を格式張った言い回しで、その実くだらないことしか言っていない、初期の森見テイストがやはり好きだ。
語りだすとキリがなくなりそうなので、とりあえず最高だったという雑な言葉で締めさせていただきます。
公開があとひと月早ければ、より良い余韻を感じられたであろうことだけが少し残念。
初見でも楽しめる作りにはなっているので、是非そこから両原作まで辿ってみてほしい。
こう言った
タイムマシーン物って、何だか混乱しますよね。今、いるのが現在の人か過去の人か?ここでこうなると今後にどんな影響を及ぼすのか?等々。でも、最期のリモコンの動きのホワイトボードでの図解は良かったです。最初出てきた時、明石さん以外は癖の強すぎるキャラばっかりで拒否感がありましたが、物語が進むにつれてそれも嫌じゃ無くなりました。
昨今の新海風絵柄に飽き飽きな人におすすめ
TV版や原作を見てない初見でしたが十分楽しめました。絵柄や語り口、主人公の声などから「絶望したアリャリャギさん」を強く思わせますが、笑わせに来るギャグは使わずに楽しませてくれる映画という印象。
どうあがいても運命は変えられないが、あがかなければ運命は拓けない
「サマータイムマシン・ブルース」のくだらなくて、ドタバタしていて、しかも124年に及ぶ壮大な物語が、「四畳半神話体系」のユニークな世界観に見事にマッチしている。
「サマータイムマシン・ブルース」のストーリーを使って「四畳半神話体系」の特別編を作ったという趣きではあるが、タイムマシンをさんざん無駄遣いした挙げ句の、明石さんの「過去や未来は始めから決まっている。」という台詞が心に響く。
それは「運命」と言い換えることができるかもしれないが、「運命が決まっているから、何もせずに惰性に流されてもよい」ということでは決してないだろう。
「私」が明石さんをデートに誘うことができたように、目の前にぶら下がっているチャンスを逃さずに未来を切り拓くことも、また、運命であったということなのではないだろうか?
出町柳パラレルユニバース
Disney+で各話配信されていますが、我慢できずに劇場へ。
超面白かったです!久々に声を出して笑えた作品でした。92分という時間にコンパクトにまとめられていながら、目まぐるしく駆け回る展開に、マシマシの情報量、それらが大きな危機に繋がる、上田誠さん脚本の「ドロステのはてで僕ら」と同じ様に一つ一つのギミックが終盤に一気に回収されていく気持ちよさを再び味わえて最高でした。
エアコンのリモコンにコーラをこぼしてしまい、そこからたまたま見つけたタイムマシンでリモコンを取り戻しにいくというスケールは小さめな感じですが、話が噛み合わない展開が面白さを引き立たせていました。
タイムマシンに乗る乗らないでシュールなショートコントの様な面白さを醸し出していますし、何気ないシーンが後半に回収され、不意を突かれて爆笑でした。カッパ像、ここ掘れワンワン、不自然な物音etc…これらが何気ないシーンとシーンを繋げて疑問点を解決していってくれます。ハイスピードで物語は進みますが、混乱せずナレーションの巧みさも相まって内容がスッと入り込んでくるのはもうお見事としか言いようがないです。
タイムマシンのシステムはとてもシンプルで、最大で99年前か後、日付の設定の変更は可能、基本的には同時刻に帰る、もしくは行くことができる、という感じでこの辺りもドラえもんのタイムマシンに近しいものがありました。タイムマシンを持ってきた田村くんがまたいいキーマンで、程よく掻き乱してくれるのも良かったです。
「私」役の浅沼晋太郎さんの超早口のプロローグに魅了されました。「生徒会役員共!」の津田タカトシでのキレキレのツッコミも好きですが、今作の止まらないセリフ量にニヤけが止まりませんでした。明石さんは無表情ながら行動量が凄まじいですし、自然と可愛らしさが出ているのも好きだなぁと思えるキャラクターでした。時々慌てる描写もまた良いです。小津をはじめ、周りのキャラクターも個性強めで、1発で覚えられる我の強さでした。本田力さんも1発で分かる声で、キャラにもマッチしているのでベストキャスティングでした。一人一人に何かしら大きい役割を与えて無駄にしていないのも好感を持てます。
小さいながら壮大なスケールになっていった物語の締めはとてもカッコいいセリフで締められるという熱いシークエンスがそこにはありました。ゆるゆるっとしていた展開からは想像できないスタイリッシュさでした。まるで田村くんのように…。
劇場のスクリーンを活かした演出も好きでした。枠に押し付けている感じとか好みの塊です。
主題歌はアジカンの「出町柳パラレルワールド」
アジカンサウンドがこの映画を彩ってくれてとても良かったです。近いうちにライブに行くのでこの曲が聞けることを楽しみにしながら生活できます。
今年ベスト候補です。悪魔合体は心震わせてくれるな〜と。もう一度劇場で観るのもありですし、配信限定の話を含めて一気見もありだなーと。いや〜素晴らしかった!
鑑賞日 10/4
鑑賞時間 13:05〜14:45
座席 H-1
河童とココほれワンワン
ドタバタコメディーだけれども、論理的に破綻なくキレイにまとまっている。河童とココほれワンワンが、時空の輪で繋がる奇跡には笑ってしまう。
クールな明石さん、ぬらりひょんの小津、強烈なアゴの樋口氏、こんな面子といたら、学生時代が楽しいだろうね。
Disney+限定エピソードが気になる。
世界一ちいさな規模でのタイムトラベルもの
原作ももちろん面白かったが、四畳半のキャラクターや描写を使うことによって、より画として楽しくなっている。
「成就した恋ほど語るに値しないものはない。」
バズーカ砲でゴキブリ退治
まあ、時間ものは、最初からパラドックスを抱え、何ら解決も納得も今だにしてません。恐らく出来ないでしょう。
この作品の見どころ、価値は、なんと言っても、壊れたリモコンを過去に行って壊れる前のを取って来る、そして“今”の暑さを凌ぐ、と、人間の本質的本能を満たすのに、人類のトンデモナイ発明のマシーンを使う事、に有ると思います。結局、宇宙消滅の様な大事も、我々のチンマイケツの穴が原因、て。
ストーリー、群像活写、セリフ、良かったです。
舞台演出とアニメの好相性
正直最近これは観ねばという作品が
なかなか無く
とりあえず観とくかという感じで
何かの用事のついでに観賞しましたが
面 白 か っ た
予備知識は
「サマータイムマシン・ブルース」
は聞いたことがある程度でした
このストーリーを森見登美彦の小説
をもとにしたアニメーション
「四畳半神話大系」で再構築
というあんまり聞いた事がない
コラボ作品
京都は高野川と鴨川に囲まれた
下鴨の超が付くボロアパート
「下鴨幽水荘」に暮らす大学生達
キャンパスライフをしくじり
ボロアパートで陰鬱な日々を過ごすも
後輩の明石さんが気になっている「私」
大学の映画サークルみそぎで
早撮りに定評があるもほぼ全てが
ポンコツ映画だが一昔前の
サブカルファッションがかわいい「明石さん」
他人の不幸が大好きで
私の学生生活を台無しにすることに
心血を注ぐ悪魔のような顔立ちの「小津」
デカアゴが特徴で
下鴨幽水荘のヌシを名乗り
明石さんや小津がなぜか弟子入り
している年齢不詳の「樋口氏」
映画サークルみそぎの代表で
わかりやすくウェーイ系の無神経
キャラなもののよくよく聞くと
一番常識人に見える「城ケ崎」
城ケ崎の旧知の仲の様で
面白い事が好きなだけの
近所の医院の美人歯科衛生士「羽貫」
小津が壊したリモコンで涼を
取れなくなった一同がふとアパートの
奥から出てきたタイムマシンで
リモコンを取り戻そうとしますが
自分達の時空を変えてしまう
ことで消滅を招いてしまう
過ちに途中で気が付き奮闘します
お話自体は前述通りサマータイムブルース
を踏襲していますが四畳半~の
独特のアニメーション表現と
舞台演出のような演技が絶妙に
ハマっています
実写って色々写り込んでしまって
画面がうるさくなってしまう
(うるさくしてしまう)ところを
舞台はスポットライト
アニメは描かないと画面に出ない
から絞れてて噛み合うんでしょうね
岡田斗司夫氏が
「アニメの描写は全部意味がある
(意味がないとそこに描かない)」
ってかつて言ってましたけど
確かにそう思います
こんなしょーもない話なのですが
90分くらいの尺をしっかり見せて
スッキリ終わっていました
「好きな人」しか来てない感じ
でしたが自分みたいな初見でも
十分面白いと思います
久しぶりの四畳半
TV版同様相変わらずのノリで嬉しかったです。
映画部の明石さんが映画の撮影で下鴨幽水荘をロケで使う所から小さいが奇妙な事が色々起こる。
何より奇妙な事に小津が二人いる…
そして有名な猫型ロボットのよく使うタイムマシンみたいな物が倉庫から出てきて物語は混沌に突入する。誰がタイムマシンを持ってきた?
タイムパラドックスを考慮しながらも破茶滅茶な内容が面白くて最初から最後まで笑いを押し殺すのに苦労した。
ツッコミどころ満載の内容にもツッコミ入れたくて仕方ない。
そして私と明石さんの関係に変化は訪れるのか?
是非映画館で見て欲しい。
映画の日と言うのもあったが多くの人が見にきていたのには驚いた。まさかこのマイナー?なTVアニメの番外編?の様な映画で密になるとは…
ドラえもんの大人版
予備知識なしで、このサイトの評価が高いこともあって鑑賞しました。
大学生の「私」たちが壊れたクーラーのリモコンをタイムマシンを使って、壊れる前に戻そうとする話。
最初の方は寝落ちしそうになりました。全体的には、時間軸の移り変わりがあり、ややこしく感じました。
リモコンのループは、なる程と思いましたが、未来から来た田村くんの両親は、早い段階で分かってしまいました。
ドラえもんの大人版という感じです。
グリコのようなキャラクターは、正直好みではありません。普通程度の映画かなと思います。
ループの繋がりはとまらない?
まずは、相変わらずの皆さんの登場でございます。
今回は未来からくる、ある人間がキーとなっているようです。依然から気になっていた銅像の秘密も明かされるようです。
未来からきたキャラが◯◯がお母さんであるといってある人物は驚きます。
そしてあるキャラグッズがキーのようです。
あとは劇場でゆっくり映画を観てもらい
謎解きしてください。
非常に完成度の高いアニメーション作品。惜しむらしくは短期上映であること
TVシリーズの完成度の高さは、原作付きのアニメ作品の中でも群を抜いており、スタッフと森見ワールドの適応率が半端ではないことを伺わせた。本作もそれは変わらず、実に素晴らしい料理の仕方をしており大変な満足だった。
しかし惜しいことに短期上映なうえに上映館も限られている。ディズニープラスで同時配信のためなのだが、やはり映画作品として話題になってほしかった。
不思議な世界観に時空の歪み
良い。とても。
おもわずフッと笑ってしまうストーリーと語り口は
相変わらずのおもしろさ。
エンタメとしてとても優秀な作品だと思う。
すべてを語り切らない余白のある描き方も素敵。
不思議な世界観に、さらに時間軸が加えられたことで
複雑になっているように見えるが
主人公のナレーションを聴きながら
ストーリーを客観的に、全体像を把握しながら見ることができるので
難しいところはないかなと思う。
ちょっと息抜きしたい時にオススメ。
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